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「舞台には魔物が棲んでいる」の意味


音楽や演劇をやる人なら、たぶん一度は

本番になった途端、頭が真っ白になって
セリフが出てこない、とか

いつもならしないような間違いをする、
という経験をしたことがあると思います。

もちろん私もあります。
暗譜したはずの曲が、どこかでエンドレスリピートに入ってしまったり
楽譜を一段読み間違えたり
何度も練習した曲なのに「あれ?こんな曲だった?」って不安になったり。

舞台だけではないかもしれません。
学校の試験などでも、全然解けなかった問題を
家で見直したらなんでもなかった、
という悔しい思いをしたことがある人は
少なくないのではないかと思います。

こういう時、よく言うし言われるのが
「本番の舞台には魔物がいるからねー」というやつです。
この魔物、警戒している時には出てきません。
難所を越えたときや、練習では躓かなかったところで現れるのです。

さて、この魔物との付き合い方ですが、
思うに、

「舞台には魔物が棲んでいる(から油断するな)」
「舞台には魔物が棲んでいる(から気をつけろ)」
「舞台には魔物が棲んでいる(から負けないように強くなれ)」

みたいな話じゃないんだと思います。
もし舞台に魔物が棲んでいるなら、そこは彼らのホームですから、
乗り込んで行ったこちらが不利に決まっているのです。

というわけで、最近心がけている態度としては
「舞台には魔物が棲んでいる。いるんだよねー
であります。

来たな、と思ったら
目を合わせない。軽く口元に笑いを刷いて
そっとすれ違う。

戦ったり、立ち向かおうとすると
傷が増えるから、
「あの難所で遠慮してくれてありがとう」
くらいの気持ちでやり過ごす。

魔物のホームに乗り込んで
無傷で帰ってこようなんておこがましい。
そう思うようにしています。


おかげさまで、最近は大怪我しないようになりました。「本番に弱い」がお悩みの方に、もしよかったら試してみていただきたいです。


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