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私がパフェを食べない理由

久しぶりにパフェを食べた。

何年ぶりだろう。
いや、記憶にある限りだと大学生の頃だから……
うん、考えない(笑)
あの頃はよく、授業をサボって近所の喫茶店でコーヒーゼリーパフェを食べていた。
なんでかメニューの名前もはっきり覚えている。「カフェシンフォニー」。

それはまあいいや。

で。
今の私は自分から進んでパフェをオーダーすることはない。
糖分が、とか、カロリーが、とかいうのではない。
食べきれない、などと言うつもりもない。

理由は、食べる前が美しすぎるから。
器よりはるかに高く積まれたフルーツやクリームたち。
そこにスプーンを差し込んで壊す罪悪感といったら。
場合によってはイチゴがごろんと転げ落ちたりしてね。クリームがベチャっと器の下の紙ナフキンに付いたりね。

そしてあんなに美しかったパフェは、溶けたアイスと生クリームにまみれたパフェグラスへと変貌する。
私のせいで!
わー!ごめんなさい!!
って、いたたまれない気持ちになるから。

という話を友人にしたら
「そんなこと言ってたら何も食べられないじゃん」 
って。
まあね。
でも、これがチーズケーキだったら、形が変わるだけでしょ。
パフェのビフォアアフターのインパクトは、やっぱり別物だと思う。

だけどね。
お店の自慢のパフェだからぜひ、って言われたら断れなくて。

うん。確かに美味しかった。
だからパティシエさんには美味しかったことを伝えて、今までこの店に何度も足を運びながら、一度もパフェをオーダーしなかった理由を話してみた。

彼女は「その感じ、すごくわかります!」と言ってくれた。
作る側にいるときは全く気にならないけれど、他のお店で、自分が食べる側になるとやっぱり同じようなことを考えるって。
そのまま、食べると罪悪感にかられる一皿の話で盛り上がる。あー、そうね、ミルフィーユも困るやつよね。昔、初デートで頼んではいけないメニューって誰かが言ってた。


パフェスプーンをシリコン製にしてほしいな。
途中経過は解決しないけど、食べた後の器は少しはマシになるんじゃないだろうか。


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