見出し画像

アベノミクスによる好景気は、戦後最長だったのか ①消費編

内閣府の2020年3月の月例経済報告から、6年9カ月ぶりに「回復」の文言が削除されました。2012年12月から開始した戦後最長と言われる好景気は終焉を迎えることが確実となりました。

しかし、戦後最長と言われても、好景気の実感がなかった方も多いのではないでしょうか。これから各種経済指標を用いて、アベノミクスによる「戦後最長の好景気」とは何だったのかを3回に渡り検証していきます。

第一回目は消費から見ます。日本では家計消費がGDPの50%以上を占めるほどの重要な要素です。

月例経済報告には消費総合指数という指標があります。今回はこの統計数字を用いて検証します。

年平均の推移

消費総合指数推移 (年平均)

2013年は104.3という平均値でした。これは、前年の民主党政権時に比べ2.4ポイント増加しています。そして、安倍政権下のピークは2013年でした。以降の年で2013年を上回った年はありません。

② 単月の推移

消費総合指数推移 (単月)

次に2009年からの月ごとの推移を見ていきましょう。

特異な落ち込みが3回あるのが見て取れると思います。1回は東日本大震災。残り2回は消費税増税時に起きています。

特に、2014年の消費の落ち込みはすさまじく、2014年3月は109.5だったものが、2014年4月は101.1にまでなっています。ちなみに、この2ヶ月が第二次安倍政権のトップとワーストです。


③アベノミクスによる消費拡大はいつ終焉したのか

2014年4月の消費税増税以降、消費が低迷していたことが分かります。ですが、2014年4月以降も好景気だとされています。何故でしょうか。

この謎を解くために、次回はヒストリカルDIという指標を用いて、別観点から検証していきます。

追記:2020/08/10

内閣府は2020/7/30に「景気動向指数研究会」にて、景気回復が2018年10月に終了したと発表しました。
これにより、「戦後最長の好景気」ではなくなりました。ですが、この記事の論考には特に影響がありませんので、引き続き掲載します。


いいなと思ったら応援しよう!