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迷える修習生へ:企業法務系事務所のメリット

こんにちは、こんばんは。

長らくnoteの更新が止まっておりましたが、久しぶりに再開します。

今回の記事は、タイトルのとおり、企業法務をスタートキャリアに選んで良
かったことについて書いていきます。

一般民事系や刑事事件専門の法律事務所への入所を検討している修習生も多いのではないでしょうか。私も修習中に刑事弁護教官に出会い、刑事弁護人に憧れていた時期がありました笑。ちなみに今でも国選を担当したいと思っております(実際に担当できるか否かは別ですが。。。)

企業法務を専門とする法律事務所でキャリアをスタートさせるべきか、悩む修習生も多いと思います。この記事では、私が企業法務でキャリアをスタートするという選択をして感じた「良かったこと」を3つのポイントに絞ってお伝えします。

なお、これはあくまで若手から中堅の狭間にいる雑魚(ひよこ)弁護士の単なる感想ですので、気楽に読んでいただけると幸いです。


企業法務をキャリアの最初に選ぶメリット3選

①キャリアの選択肢が広がる

やはり、これが一番大きな理由ではないでしょうか。企業法務を専門としてキャリアをスタートすることによって、企業法務系の法律事務所への転職が比較的容易になるだけでなく、インハウス(企業内弁護士)への転職もハードルも相対的に低くなる印象です。

弁護士として働き始めると、転職エージェントからの連絡が増える方も多いと思います。転職エージェントから送られてくる求人票を見ると、基本的には企業法務の経験を求めているケースが多いことがわかります。インハウスの場合、ベンチャー企業では「企業法務経験不問」の募集も見られますが、ほとんどの案件で企業法務経験が求められる印象です。なお、最近の傾向としては、若手(2-3年目)の期間であれば「経験不問」と謳う求人票もそれなりに見る気もしますが、依然として「企業法務」での経験を必須としている求人が多い印象です。

一方で、企業法務系の法律事務所から一般民事・刑事系の事務所への転職は、「若手」の間であればそれほどハードルが高くないように思います(私が経験したことがあるわけではなく、周囲の転職の動向を踏まえた感覚で恐れ入ります。)。ただし、年次を重ねると、企業法務系から一般民事・刑事系へ移るのは難しくなる傾向にあります(もっとも、年次が上がると転職自体に対するモチベーションも低くなることが多いように感じます)。

②一般民事から企業法務への転職ハードルの高さ

①の裏返しのようですが、一般民事から企業法務を専門とする法律事務所への転職のハードルは高いように思います。他方で、企業法務系の法律事務所に所属する弁護士の中には、キャリアのスタート時に大規模・中規模の事務所に所属していなくても、数年後に4大事務所や準大手事務所に転職している方が少なくありません(4大や準大手の若手弁護士の経歴を見ると面白い発見があります。)。

一方で、一般民事系の法律事務所から4大や準大手に転職するケースはあまり多くないようです。これは、そもそも一般民事と企業法務を専門とする弁護士のマインドセットやスキルセットが異なるため、企業法務系の法律事務所が似たような事務所出身者を採用する傾向にあるからではないでしょうか(ただし、①に記載のとおり、若手の期間であれば、最近は一般民事を専門とする弁護士から企業法務を専門とする弁護士へキャリアを転換される方も増えている印象です。)。

③仕事の基礎作り

働き方改革が進んだ現在では状況が変わったかもしれませんが、私が1年目だった頃には、企業法務系の法律事務所では「気合+根性=成長」という方程式がまだ根強く残っていました。採用人数が多くなる前の世代だったため、同期はそれなりにいましたが、どの事務所も忙しく、毎日朝まで働くこともありました。

長時間の業務は精神的・肉体的な負担を伴いますが、若手弁護士にとって仕事の基礎を学ぶには最適だと思います。最初は簡単なメールのドラフトにさえ何度もコメントが入り、壁にぶつかり続ける日々ですが、それを乗り越えることで基礎力が鍛えられます。

また、企業法務系の法律事務所では、パートナーが業務に積極的に関与することが多いため(その分、若手弁護士の裁量が狭くなる側面はありますが)、身近でノウハウを学び続けられる点も魅力です。

一般民事系の法律事務所の先生方も、猛烈に働かれている印象があるものの、割合としては企業法務系の法律事務所で働く弁護士の方が長時間勤務をしている印象です(自分の環境で贔屓目をしている気もします。)。他方で、クライアントとのリレーションは一般民事の先生方は1年目から経験されると思うので、その点は企業法務系の若手弁護士が経験できない部分ではないかと思います。

結論

企業法務をキャリアのスタートに選ぶメリットとして挙げた①~③の理由を参考にしていただければ幸いです(単なる感想ですみません。。)。

企業法務系のキャリアは、特にキャリア初期に選択肢を広げたい方におすすめです。とはいえ、キャリア選択は自分の目標や価値観を基準に行うことが大切です。この記事が皆さんの判断材料になれば幸いです。







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