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B お線香と香水

「♪ べつにきーみをもーとめてなーいけど ♪」と、6才の孫娘が廊下で歌うのを聞いたのは半年くらい前だったと思います。幼稚園や学校で習った歌をうちに帰って歌うのは日常茶飯事で、いつも何のこっちゃわからんまま聞き流しています。それで年末近くになってこれは、ヒット曲のフレーズだとわかりました。「香水??ドルチェアンドガパーナ??」あぁそういうこのなんかと知っていいノリだと思ったものだから、入手したばかりのアマゾンアレクサに頼んで孫の登校準備を知らせる8時の時報として設定しました。

ここで話をビューンと飛ばしますが、昨日YouTubeで浄土真宗のお坊さんの話を聞いていた時「さとりなんて開けないと何度も聞いているいつもの話」が続いて、ん?と思いつきました。「お仏壇にお供えするお線香がさとりと関係はあるのか?」「ひらけもしないさとりのために、浄土真宗がお線香を焚く意味はどこにあるの?」という疑問です。

お客様とお話する時にもご質問を受けて、お線香の意味が話題になることはしばしばありました。わたしの仲間も、機を見てそれぞれに解説していました。お花、おローソクの明かりとともに仏の三大供養のひとつであるとか、清める意味がある。さらに「お線香は仏さまのご馳走です」なんて説明をする仲間もいて、なるほどと唸ってしまいました。

私自身がこれまで理屈の上で一番納得しているのは、お釈迦さまのおられたインドはとっても暑くてみんな汗をかき、河で沐浴したりしてさっぱりしようとするけど、それでも何かに手を合わせる気持ちになったら汗臭いことが気になって、香を焚いて心身を整えていたというストーリーです。失礼な話で申し訳ありませんが、日本人よりも海外の方が強い香りをたしなまれることを聞いたことがあります。それはそういう領域の納得です。

さて、話を流行り歌の香水に戻します。今日初めて、ひょっとしてお線香と香水の関係ってあるのかなと初めてヒット曲「香水」の歌詞を読みました。これで、合点がいきました。

彼女と別れてその後挫折も経験したボクは、彼女がたしなんでいた香りをひさびさに嗅いだことで、自分のグズさ加減を彼女に吐露したくなったというような歌詞です。そしてSNS上では、気持ち悪いとか女々しいとの感想が書かれていると同時に、わりと年配の方が評価してるとか、元SMAPの人がカバーしてるとかを読みました。

そうなんですよね、歌い手は気持ち悪いとか女々しいと思われることは百も承知でこの歌を書いて歌ってるんだろうと確信しました。おそらくこのドルチェアンドガパーナは、自分をまる裸にしてくれた香りだったんでしょう。そしてドルチェアンドガパーナに代表される彼女はおそらくとてもデキた人で、別れた今も自分を見てくれていると自分は信じているのでしょう。そう考えるといい歌です。

お線香の本当の価値は、この歌い手におけるドルチェアンドガパーナと同じなんです、きっと。お香の香りに包まれて自分が見えるのでしょう。加えて思うことは、自分は自分です。気持ち悪いとか女々しいとか言われてもなんにも卑下するようなことではありません。メディアを騒がせているお偉い方の偏見のほうがよっぽどイヤしいと思います。

「♪ べつにさとりをもーとめてなーいけど そこにいーられるーと思いだす なーんまんだーぶの六字のお念仏のせいだよー♪ 」と置き換えると、ちょっとマニアックすぎますかね ( *_* ;

今日の気づきは、残りふたつのマガジン「そういうことかぁ ( °o°)?」「Hold me tight ♪ 法味体」でも通じる内容ですが、「葬儀・法事 (^-^) / Q&A」マガジンに収めることにします。