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観るだけでよだれが出る!料理アニメ個人的トップ10 【2023年最新版】

美味そうな料理の描写は面白いアニメの条件。べナオです。

恐らく今年最後の投稿になります。来年も末長くよろしくお願いします。
書いてたら来年になりました。明けましておめでとうございます。

(ポケモンSVが忙しくて書けなかったのはあなたと私だけの秘密です)

ジブリしかり新海誠しかり、自分で真似したくなるような魅惑的な料理は作品の世界観に引き込まれる要因の一つですよね。そんな作品の舞台装置としての料理も素晴らしいのですが、料理そのものをメインテーマとしてスポットライトを当てる料理アニメが僕は大好きです。何を隠そうキャベツとレタスの違いもわからなかった僕が、赤坂のバーでパスタを作るまでに成長したきっかけは料理アニメです。その話は長くなるのでまたの機会に譲るとしましょう。

美味しんぼのようなレジェンドを初めとしたこれらのアニメ・漫画作品は、本来生活の一部にすぎないはずの料理や食事のシーンを、それ無しでは作品が成り立たないようなど真ん中の位置に持ってきてそれを中心にストーリーを組み立てるという膨大な専門知識を必要とするいわば職人芸と言えます。

それでいて専門的になりすぎるとライトな視聴者層は離れていき、専門性が全くないとバズの火種であるコアファンがそもそも付かないという綱渡りを制作上強いられるためか、このジャンルの作品の絶対数はアニメ全体からするとあまり多くありません。

しかしだからこそ、アニメ視聴をこれからがっつり趣味にしていこうという方にとってもおすすめできるジャンルと言えましょう。つまり生き残っていてそれなりに知られている料理アニメは富士山のように高い参入障壁を乗り越えてきた猛者ばかりであって、どれを手に取ってもハズレる心配が無いからです。面構えが違います。

ただしこの道に歩き出すことは、自分の体重との闘いが始まることを意味します。けれど料理の知識を蓄えれば友人を美味しいお店に誘うこともできるようになりますし、料理の腕を磨けばパートナーができたりするかもしれません。できなくても当店は責任は負いかねます。

それでは群雄割拠のアニメ第二次世界大戦をサバイブしてきた、料理アニメ達のトップ10を決めるとしましょう。もちろん偏見に満ちた個人的で独裁的なランキングです。前回のオールジャンルアニメランキングより色んな意味でやばそうです。

このランキングを多くの方に読んでいただくために、一つだけ条件を決めたいと思います。それは美味しんぼのような料理アニメ第一世代ともいうべきレジェンド作品達は殿堂入りとして、ランキング外とすることです。これらの作品をいれてしまうと恐らくそれだけで10作品は埋まってしまい、最近盛り上がっている新しい世代の作品を取り上げられないからです。

さらに言えばレジェンド作品は僕が語るよりも、リアルタイムで熱狂していた先輩方が既に語り尽くした後でしょうし、後から追っている僕が勝てるとも思えません。というか作品数と話数が多すぎて全部視聴するの無理です(こっちが本音。美味しんぼ全136話ってなんやねん)。

ざっくりとした定義ですが、週刊少年サンデー発の焼きたて!!ジャぱんより前の作品は非掲載とします。この作品は現在の主流となっている食事シーンにおけるリアクション芸の原型を初めて打ち出したということで、最新の作品を語る上でも欠かせないでしょう。異論は認めます。

また各作品毎に最も印象に残った料理を一つ挙げたいと思います。

それでは始めましょう!

※目次のランキングでは1~3位を隠してあります。お楽しみに。


第10位 幸腹グラフィティ

2015年に魔法少女まどか☆マギカ物語シリーズで有名なスタジオシャフトによって発表された、原作が芳文社まんがタイムきらら系列の作品です。驚くべきは上に挙げたようなダークなエンタメど真ん中の王道作品を発表した後に、作風を180度変えた日常系のゆるふわアニメを出してくる柔軟さでしょう。よく思い出せばシャフトはひだまりスケッチも作っていますし、こちらの方が本業なのかもしれません。

主人公リョウ(画像左は料理が好きな女子高生でしたが、二人暮らししていたおばあちゃんが亡くなってから突然料理ができなくなってしまうのでした。そこへはとこのきりん(画像真ん中)が、リョウの通う美術予備校に入るという目的で居候にやってきて、彼女のために料理をするようになり、自分以外の誰かに料理をする喜びを思い出していくという筋書きです。描きながら思い出して泣けてきました。

マイフェイバリット料理(今ネーミングしました)は2人が初めて出会った日にリョウが作ったお鍋です。昨日モツ煮込みを食べた影響がかなり入ってます。この時期はやはり鍋ですね。何日続いても飽きない。

第9位 甘々と稲妻

講談社アフタヌーン発の社会人×女子高生系料理アニメ、甘々と稲妻が第8位にランクインです。この作品は比較的新しめのタイトルになります。

妻を亡くした主人公犬塚公平(画面右)は一人娘のつむぎ(画面中央)と暮らしながら高校で教師として働いていました。料理を妻に任せていた公平はつむぎに手料理を作ってやれないことが悩みでした。そんな中、つむぎがTV画面の美味しそうな料理を見つめて「これお母さんに作って欲しいな」というのでした。それは泣くやろ。

動揺した公平は教え子の小鳥(画面左)の家がやっている料理屋につむぎを連れて駆け込みます。営業時間は過ぎていましたが、自分の先生である公平の頼みを断れずに小鳥はそれを迎え入れるのでした。

現実世界で起きたら色々と問題になりそうな展開ですが、そんなことはどうでも良い。全高校教師に希望を与える作品であることに疑いの余地はないでしょう(高校で働いてたことがあるからとは口が裂けても言えない)。

まあそこのあなたの、「この時代に妻にばっか料理させてんじゃねえ。自業自得」という意見も大変わかります。料理できないくせに文句だけ言うおじさんには僕もなりたくないです。そういう問題提起としてこの作品が注目を浴びているという側面はあると思います。そのくらい設定はエアーズロック並みに重いのですが、キャラクターの可愛さがそれを見事に中和していますね。

マイフェイバリット料理は初めて公平と小鳥が力を合わせて作った豚汁です。僕も最近作りましたが野菜をたっぷりと入れるのがコツです。里芋は絶対入れましょう。幸せになれます。この寒い時期には最高です。つむぎ美味しいご飯食べれてよかったな。

第8位 花咲くいろは

喜翠荘へようこそ〜

「これは料理アニメなのか?」という声が聞こえてきそうです。確かに違うかもしれません。好みです。

確かに作品のメインテーマは旅館ですが、料理の無い旅館なんて雑煮と年越し蕎麦のない年末年始みたいなものなのでセーフとします。

伝説の働く女の子シリーズを生み出した偉大なスタジオP.A WORKSのオリジナル作品です。他にはSHIROBAKOなどが有名ですね。

東京で母親と二人暮らししていた主人公松前緒花(画像左から4番目。癖っ毛)は、突然母親が連れてきた恋人と駆け落ちするというカオスな展開から行き場を失い、母の実家が経営する旅館「喜翠荘(きっすいそう)」に転がり込んで中居の仕事を始めるのでした。

初めは慣れない環境に悪戦苦闘する緒花でしたが、持ち前の器用さで従業員と仲良くなっていき、様々な問題や面倒な客をさばいていくというエンタメ色の強いストーリーです。千と千尋の神隠しに近いところがあります。というか今気付きましたが、ファンタジー色を除けばほとんど同じと言っても過言ではありません(P.A WORKSさん怒らないで)。

料理担当のキャラクターは鶴来民子(つるぎみんこ。画像右から3番目)で、喜翠荘の厨房で板前の見習いをしています。彼女は先輩板前の宮岸徹(みやぎしとおる。画像一番右)に片想いをしていて、彼に認められるために料理の修行に励んでいるという全ての料理好きに突き刺さって貫通するような設定の持ち主です。分かる。分かるよ民子。ていうか女子高生に片想いされてる時点で徹さんの来世はダンゴムシあたりでしょう。ダンゴムシ愛好家の方がいたらすみません。

この作品に関してだけで1万文字くらいは語れるのですが、料理アニメとしての覇権は別の作品に譲ることになるでしょう。

マイフェイバリット料理は民子が学園祭で作ったオムライスです。今YouTubeで死ぬほど再生されている(ブームは一段落しましたね)包丁を入れるだけで広がるオムライスですが、これを2010年で既に取り上げている先見の明には平伏すしかありません。

白いコックコートを着た京都の洋食屋の店主が目に浮かびます


第7位 お酒は夫婦になってから

ちぃちゃん

至福ぅ〜〜〜!!!

分かってます。幸せな夫婦なんていらんねんと。でもこの作品はそんな怨念を乗り越えて尊さが広がっていくような神聖さがあります。騙されたと思って観てみてください。1話数分で終わるアニメなので、10話観ても30分かかりません。

ストーリーは画像中央の水沢千里(CV:喜多村英梨)と右の水沢壮良(みずさわそら、CV:市来光弘)の夫婦生活を描くものになっています。千里は外ではクールなキャリアウーマンとして通っていて、同僚たちともお酒を飲むことなく1人で帰宅するようなドライな女性です。

しかし壮良の待つ家庭へ帰るとあら不思議。お酒飲むわデレデレになるわスキンシップ多めになるわ幼児退行するわでやばいです。彼女に振られた後に語る作品ではありませんでした(血の涙を流しながら)。

特徴としては、元バーテンの壮良の手作りカクテルを千里が飲んで至福ぅ〜となるアニメです。こちらも一種のリアクション系と言えます。ちなみに僕もバーテンでお酒やパスタを作っていたことがあります(どうでもええねん)。

末長く爆発しろ

作られるカクテルはレシピが詳しく説明されるので、材料さえ買ってくれば気軽に再現することができます。

シンプルでわかりやすい

マイフェイバリット料理はバナナカクテルです。プレゼン前でハードワークする千里に壮良が作ったノンアルカクテルです。疲労回復効果があるとのことです。今度作ろうかな。

第6位 衛宮さんちの今日のごはん

最近某Vtuberの同時視聴配信でHeaven's Feelを見た後なのでこの画像を見るだけで泣いてしまいます。料理アニメとして語らないとなので断腸の思いでその世界線のことは全力で横に置いておくとして、Fateシリーズのみんな死なない優しい世界で士郎がひたすらハーレムで料理し続けるだけのストーリーです。現実に疲れた時におすすめの作品です。

なぜか2話だけ公式から無料公開されているので紹介しておきます。

ケルトの大英雄(青髪。ランサー)が魚屋でバイトしているのが面白過ぎます。魚食べたくなってきた。

Fateシリーズを知らなくても楽しめる作品です。料理アニメではありえない豪華な声優陣(ディスってるわけではないです)が織りなす、本編でも料理に定評のある主人公衛宮士郎の魔術の如く調理テクニックが20分間楽しめます。調理手順を士郎が丁寧に喋ってくれるので、アニメを見ているうちに食べたくて死にそうになったとしても自分で再現ができる親切設計になってます。

相変わらずセイバーは食べてるだけですが、それが良い。美味しそうにご飯を食べる女の子が嫌いな人はいません。

本編では殺しあっていたこともある士郎とランサーが普通に仲の良い友達になってるのを見るだけで、ゲームや映画を全て見た後の冷え切った心を優しく温めてくれます。企画してくれた人ありがとう。やっぱり戦争は良くない。

マイフェイバリット料理は鮭のホイル焼きです。ランサーのバイト先で買った鮭に魔法がかかりました。

第5位 焼きたて!!ジャぱん

なんやて!?!?!?!?!?

制作サンライズだったの!?!?!?!?! ってなって目玉が飛び出てます。だからあんな派手なリアクションが生まれたのか。料理アニメ第二世代のレジェンド、焼きたて!!ジャぱんです。平成のアニメ好きの皆さんお待たせしました。

主人公和馬がパン職人を目指すきっかけになったパン職人のおじさんの声が碇ゲンドウなので、今見返すと内容が全然頭に入ってきません。自分は今エヴァを観てるのだと脳が錯覚を起こしてバグります。

よく考えれば、一つの食材にスポットを当て続けた料理アニメ・漫画となるとかなり少ないですね。ラーメン系や寿司職人系くらいでしょうか。この手の作品はネタ切れとの闘いなので描く側は苦しいでしょうが、だからこそ視聴者や読者を魅了するのでしょう。

田舎町から職人を目指すために東京に行くと言うストーリーは今でこそ減りましたが、やはり今見ても夢があって良いですね。王道は色あせないものなんだなあ。

その後現在に至るまであらゆる料理漫画・アニメで使い尽くされることになる、料理を食べた後のリアクション芸の元祖が観られます(画像は和馬のおじいちゃんです)。ありがたや。

「神様・・・」
「これは・・・?!」
「そんなはずは・・・」
「・・・・・・・」
「この印籠が目に入らぬかっっっ!!!」
ここから先はもうわからん
アニメの第一話で美少女じゃなくておじいちゃんの尻を見せるところが凡作との「違い」
芸術点100000000点!!!

元祖はめぐるましい展開が違いますね。某食戟漫画と違ってエロで釣らなくてもおもしろいのは流石です。

そういえばエロ枠もいましたね。色々あった件は別の記事で

記事書いてたら公式無料動画の公開期限が終わってしまったので、代わりにサンシャイン池崎の動画を貼っておきます。当時は作中で和馬が作ったオリジナル日本パン(ジャぱん)のコンビニコラボが話題でした。僕も今度作ろうっと。


第4位 ラーメン大好き小泉さん

シンプルに付き合いたい

全てのラーメン好きのためのアニメ。ラーメン系料理アニメの中で圧倒的ナンバーワン。1話からラーメン二郎三田本店を登場させてブタダブルヤサイマシニンニクアブラカラメをお見舞いするという、「ラーメンと女子高生を出しとけばおまえら見るんだろ?」という制作態度を考えていた全ての自称アニメ評論家の予想を良い意味で裏切ってくれました。

アブラの乗り方がリアル。この子は小泉さんにつきまとうストーカーです
三田本店って書いてあって草。実際の建物はもっと細長かった気がする

ちなみに余談ですが、このランキングを企画した段階でなぜか情報を食っているでお馴染みのラーメン才遊記を上位に入れていましたがアニメ化したことないのを完全に忘れていました。印象に残りすぎていたようです。そのせいでランキング修正が面倒でした。

この顔を見た後に小泉さんを見るとギャップで癒されます

見た目はJK、中身はガチラーメンマニア、その名はラーメン大好き小泉さん! その人形のような顔から、天下一品のラーメンであえて麺にスープを吸わせてから一気にすすりあげるという僕ですらやったことのないテクニックが語られて脳がバグってしまいます。今度やろうっと。

特徴的なのは実在する有名なラーメン屋が名前を伏せて登場する点でしょう。話考えるためにいちいち許可取るのは難しいんだろうな。アニメだけでも先程挙げたラーメン二郎・天下一品から蒙古タンメン中本・一蘭・一風堂・家系ラーメン・野郎ラーメンと名店が続々と出てきて「今年のWBCかよ!?」と思わず突っ込んでしまいそうです。即席麺をストーカーが調理する回もあって小泉さんとの仲が1ミリだけ縮まるのは良かった。

料理漫画界のSUSURU TVとしてこれからも頑張ってほしいです。AbemaTVから第1話が無料で観られます。

https://abema.tv/video/title/168-2

年末から書いてるのに、書いてるうちに直したいところが無限に出てしまって三が日も明けてしまいました。そろそろ締めにかかりましょう。それではトップ3行きたいと思います。


第3位 銀の匙 Silver Spoon

俺の青春!

テーマが農業なのでこれも料理アニメと言ってしまって良いでしょう。異論は認めません。レジェンド焼きたて!!ジャぱんを生み出した週刊少年サンデーから大人気作家作の銀の匙が第3位に堂々ランクインです! 北海道万歳!!(行ったことないけど。行きたい)

都会に疲れてる人は今すぐ至急観てください。手遅れになる前に観るんだ!!!

古いですが公式からPVが出ているので紹介します。

かなり前の作品ではあるので設定を詳しめにお伝えします。札幌のエリート中学生だった主人公の八軒勇吾(はちけんゆうご。画像で白い馬に乗ってる奴 。CV:木村良平 調べたら東のエデン黒子のバスケに出てました)は受験戦争に疲れて心を病み、環境を変えるために全寮制の大蝦夷農業高校(モデルは帯広農業高等学校とのこと)に進学します。

モデル学校の写真探してきました。意外と街中にあるようですね。

北海道産の食べ物全部食べるのが夢

そこでは農家生まればかりの学生や先生方の、少しというかかなり変わった学びやの光景が待っていました。どれくらい変わっているかを分かりやすく伝えるために、一話から登場してくる鶏舎の先生が言うセリフを紹介しましょう。

「ここで最も地位が高いのは家畜だ! お前らは家畜の奴隷だ!」

学生中心でもなく先生中心でもなく、家畜を中心として全ての営みが回っていく世界観。実際の畜産業の現場もきっとそうなのでしょう。僕も一応生物系の大学出身なのでなんとなく分かります。

 鶏舎で卵を採取したり、豚を育てたり、牛の出産に立ち会ったり、馬の世話をしての乗馬シーンまで描かれています。作者が農業高校出身なので、表面だけなぞったような作品にならずに大変専門的で厚みのある作品となっております。それでいて1分おきに笑いどころがあるので我々を飽きさせません。そこは週刊少年誌で連載していただけあるでしょう。

料理なんてこういうのでええねん

話が料理からそれたのでどんな食事シーンがあるかというと、採れたての鶏卵を使った卵かけご飯、学校産の野菜やチーズ、ベーコンを使った窯焼きピザ。

食べたい。ただただ食べたい

ベーコン、スモークチーズなどの燻製(画像が見当たらなかったのでべナオ自家製のスモークチーズ画像で代用しました)。

ダイソーのスモークチップと蒸し器でできます

マイフェイバリット料理は、八軒が初めてクラスメートと打ち解けるきっかけになった(そしてお人好しと呼ばれ続けるきっかけにもなった)石窯焼きピザです。負け癖がついていた八軒にとって、ピザ作りプロジェクトを取り仕切ることが自信を取り戻すきっかけになっている点で芸術点100000000000点入れました。

無料でアニメをチェックする方法が現状ないので、気になったと言う方向けにコミック一巻まるごと試し読みをお勧めいたします(期間限定となっているのでご注意ください)。

アニメは二期まであるのでそちらもおすすめです!!!

第2位 ゆるキャン△

 なでしこ〜

自分の中では銀の匙と比較した時に作品としての魅力はイーブンなのですが、こちらの方が新しい作品ということでより高い順位を付けさせて頂きました。書き始めるまではこんなに順位決めるの大変だと思わなかった。。。

みなさんご存じの、空前のキャンプブームを生み出した女子高生×キャンプアニメです。芳文社まんがタイムきらら系の作品になります。いわゆる日常系というやつです。

アニメ二期、映画、実写映画と怒涛の展開がされている作品ですので設定紹介は簡潔にいきましょう。山梨に引っ越してきた主人公の1人である各務原なでしこ(かがみはらなでしこ。画像最右)は、自転車で富士山を見に来た疲れでキャンプ場のベンチで眠り込んでしまいます。日が暮れて帰れずに途方に暮れていたなでしこのもとを、ソロキャンプ好きの2人目の主人公志摩リン(しまりん。画像左下)が通りかかります。

お腹を空かせたなでしこにリンちゃんは自前のカレー麺(某日清のカレーヌードルだと思われます)を恵んでくれます。キャンプ用インスタントコンロで沸かして富士山を眺めながら食べるカップ麺が不味いわけがありません。

こんなん惚れてまうやろ


200円で買える幸せ



当然のようにこれがマイフェイバリット料理です。持論ですが、本当に美味しい料理は良い食材や腕前がなくとも作れると思っています。例えば労働した後に採れたての鶏卵で卵かけご飯をするも良し、苦労して辿り着いた富士山の麓で行き倒れた先の美少女から恵んでもらったカップ麺でも良し。1時間並んで食べたラーメン二郎でも良し。空腹こそが最高の調味料という言葉は偉大ですね。

しかし今作にはカレー麺以外にもたくさんのキャンプ飯・ご当地グルメが登場します。

極太のえび天
折りたたみ式焚き火グリルでバーベキュー
麺が個性的な富士宮焼きそば
トローリ半熟卵天

こう観てるとクセのあるリアクション芸とかいらなかったんじゃないか? という気分になってきます。それに頼らずとも、調理シーンが丁寧に描写されていたり、食事をする場所が非日常的なロケーションだったり、その料理にたどり着くまでのストーリーが特別だったりするだけでこんなにも美味しそうに食事するキャラクターを描くことができるのです。これは新しい料理アニメの方向性と言えましょう。

もう一つ語っておきたいのは、キャンプサークル部員を横目にソロキャンプを満喫しているリンちゃんのおかげでぼっち飯という本来ネガティブな意味で見られることの多い行為が、ポジティブな意味で受け入れられていることです。キャンプというと「友人関係の多い人たちだけのもの」という先入観を見事に打ち消し、あらゆる人々に対して開かれた娯楽にしてくれた彼女ら、作者、アニメ制作スタッフの方々には尊敬の念しかありません。ありがとう、そしてありがとう。

第1位 食栽のソーマ

王道にして頂点

はい。今まで散々リアクションのエロで釣ることに対するネガティブステルスマーケティングをしてきましたが、もちろん本作が圧倒的No.1です。僕が料理を始めるきっかけとなった作品です。

一介の料理アニメファンである分際の僕がこの作品を語るのはおこがましいですが、1位を語らないわけにはいかないので何とか文章を捻り出したいと思います。
附田祐斗
及び佐伯俊両先生に新作を描いていただくためにも全力でいかせていただきます。

設定を簡潔にまとめます。

定食屋の息子に生まれた主人公の幸平創真(画像中央。CV松岡禎丞)が世界中を渡り歩いた超一流料理人で父の幸平城一郎(画像右下)との数百回の料理対決を通して成長していき、日本一の料理人養成学校である遠月茶寮に入学して、学園で最も貢献した10人の一流料理人が拝命する十傑の第一席を目指して食戟(料理の鉄人的なあれ)を繰り返していくという物語です。

一つの特徴だけを取り上げてこの作品を語ることはもはやできません。あえて言うならこれまでに語ってきた、いや名前の出ていない料理漫画も含めた全ての素晴らしい料理アニメ・漫画の特徴を全て含んでいるという表現をするしかありません。恐らくクリエイターであれば、自分の作り出した作品と他の作品との類似性を指摘されることには不快な感情を抱くかもしれませんが、この特徴を抜きにしては作品の全体の輪郭を掴むことすらできません。

まず創真のキャラクター像はミスター味っ子味吉陽一を思わせますその場で思いついたアイデアで、安っぽい食材を美味な料理に昇華させてしまうようなところが共通しています。

ここにもサンライズが!

遠月茶寮の学長である薙切仙左衛門と義理の息子である薙切薊の関係は、美味しんぼに登場する海原雄山山岡士郎の関係性と重なります。

いつも喧嘩してるところも破門されてるところも似てる
好きな話は双子がラーメン対決する話です

皆さんお待ちかね、神の舌を持つ超絶美少女薙切えりな様はラーメン大好き小泉さんと焼きたて!!ジャぱんの梓川 月乃を足して2で割ったような感じです。

料理出してボロクソにけなされたい
おまけにもう一枚。おっぱい
おまけにgif

個人的にこれは絶対影響受けてると思うキャラクターですが、十傑の叡山悦也鉄鍋のジャン秋山 醤でしょう

食戟相手の出す料理の味を分からなくする場外戦術を仕掛けてくる


主人公は左上のキャラではなく右上の方です

個人的には鉄鍋のジャンから極めて強い影響を受けているようなイメージがあります。主に女の子の胸部の辺りで。でもやはりジャンのようなキャラは、敵キャラとして配置する方が王道作品としては良い塩梅でしょう。こいつの顔を毎週見るのは辛い。

このように歴代のレジェンド作品達を踏襲しているにも関わらず、既視感は全く感じさせないような独自の物語として練り上げられていることが何より驚くべきことでしょう。別ジャンルで言えば呪術廻戦チェンソーマンに近い作り方ををしていると言えましょう。古参の漫画読みからすれば懐かしく感じられ、新しく読み始めるファンにとっても古臭くなく楽しむことができ、社会人で厳しい実力社会に生きる読者にとっても学びがある、もちろん女の子は全員可愛い。死角がありません。

マイフェイバリット料理は創真が選抜大会の食戟で、親友の名誉を汚された敵に対して自分の料理人生命を賭けた勝負で出したビーフシチューです。

これは惚れる
ハチノスや牛テールなど、様々な種類の肉の良さを全て引き出して一皿に集結
調理シーンが美味しそうじゃないと料理漫画は流行らない
和食のエッセンスを洋食に転用。今風ですね

イタリアンや中華、フランス料理、韓国料理と外の食文化を取り入れて独自の料理にしてしまう日本人ならではの戦い方ですね。

クラスメートの田所ちゃんが料理勝負で負けて退学になりそうな時の名言

「料理ってのは、皿の上に自分の全部を載っけることだ」

まさにこの作品はそういう作り方をしているのだと思います。この精神をリスペクトして僕も今回、自分の好きな作品を全て一つの記事で語ると言う途方もない労力のかかる企画に挑戦させていただきました。少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。

長い正月休みをとってしまいすみませんでした。
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