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片付かなかった超悲惨な過去を洗いざらい話します

今回は、
片付けできなかった過去を含め
ストーリー仕立てで

わたしのことをより深く知って
いただきたいと思っています。

ぜひ、自己紹介として
お読みくださいね。

片付けで人生を変えた私のストーリー

わたし(つきかわみほ)は、
物が溢れかえったリビングで
大きくため息をついた。

時刻は夕方の6時。
あと1時間程したら、
夫が帰って来るだろう。

カーペットの上にはおもちゃが散乱し、
その中心に2歳の息子が
身じろぎもせず座っている。

どうやら遊ぶことに飽きたらしい。
子どもの視線は
一心にテレビ画面へ注がれていた。

―子どもが生まれてから、
物が増えていく一方だな。

部屋にはおもちゃ以外にも、
おむつや靴下などの日用品が、
空いている場所を
埋めるように置かれている。

テーブルの上には
収納本が山のように積まれ、
その脇に本で紹介されていた

アクリルケースが
無造作に並べられていた。

―収納しても収納しても、
キリがない。
わたしは再びため息をついた。

床に転がされたぬいぐるみを、
とりあえずチェストの上に
移動させたとき、

玄関の扉が開く音がした。
顔を上げると、
時計の短針はすでに7を指している。

しまった、
と思ったときには遅かった

「ただいま」
リビングに入ってきた夫は、
疲れた様子で

散らかった部屋を見回し、
顔をしかめた。

夫が帰宅時に
こうした態度をとるのは、
今回が初めてではない。

明らかに何か思っているのに
口を開かない態度が癪に障り、

わたしは思わず強い口調で尋ねた。
「どうしたの?」

夫の反応がないことに更に苛立ち、
手にしていたおもちゃを乱暴に
テーブルに置く。

短い沈黙が流れた後、
夫はためらいがちに口を開いた。

「…もう少し、片付いていたら、嬉しい」

わたしはリビングを見回した。

確かに物は沢山ある。物が多すぎて、
くつろぐスペースを圧迫するぐらいだ。

―でも、片付いてはいるよね?
だって、こんなに収納を
頑張ってきたんだから。

わたしがピンときていないのを察した夫が、

言葉を選ぶようにして続けた。
「うちには物があり過ぎる、と思う。

片付けるって言うのは、
物を全部しまうこととは…
違うんじゃないかな」

―物を全部しまうことが、
片付けることじゃない?

わたしは自分の思う片付けと、
夫のそれが違うことに、
ここでようやく気が付いた。

―わたしがしてきたことは、
片付けじゃなかったの?

わたしは本やアイテムを買って、
増えていく物を全て

収納しようとしてきた。

それが片付けることだと
思っていたからだ。

だから、物が一向に減らなかった。
夫の言う「片付いている」とは、

おそらく、
もっと物が少ない状態なのだろう。

わたしは収納する努力をしてきたが、
それは結果的に「片付いている」
とは真逆の状態を作り出していた。

―わたし、片付けられていなかったんだ。
目の前に突きつけられた事実に愕然として、
言葉が出なかった。

翌日。昼寝した子どもを
寝室に運んだ後、
わたしはリビングへ向かった。

「片付いている」とは
ほど遠い部屋を見回す。

ここからどうすればいいのか、
正直、分からない。

でも、自力では
どうしようもないことは薄々感じていた。

―家事代行サービスを使おう。
家事代行サービスの使い方は様々あり、
掃除や片付けのみを
お願いすることもできるらしい。

散らかった部屋を
他人に見られるのに抵抗は感じるが、
そんなことも言っていられない状況だ。

今、何とかしなければ、
近いうちにリビングは
物で埋め尽くされてしまうだろう。


わたしはネットで
複数の家事代行サービス会社を調べ、

その日のうちに一社に依頼した。
ーもう、大丈夫。
心の荷が下りて、私は安堵した。


数日後。
家事代行サービスのスタッフが
自宅を訪れた。

優しそうな雰囲気の女性だ。

わたしは緊張を解いて、
玄関先で女性と
サービス内容を確認した。

それから、2人でリビングへ移動する。

リビングに続く扉のドアノブに
手をかけたとき、
わたしの体は動かなくなった。

ーこの女性にも、
片付けができない人間だ
と思われたら、どうしよう。

帰宅してリビングを見回した夫の姿が、
フラッシュバックする。

夫に直接、片付けができない人間だ
と言われたわけではない。

でも、そう思われている気がして、
怖かった。

女性と目が合う。
もう、引き返せない。
わたしは深呼吸して、扉を開けた。

女性は、物が散乱した部屋を見て、
眉一つ動かさなかった。

「それで、どこに片付けましょうか?」
笑顔で尋ねられ、一瞬、固まる。

「…どこに?」

「はい。部屋の中にある物を、
どこへ収納しますか?」

わたしは質問の意味が分からず、戸惑った。
ーどこにって、どこに?
それは、わたしが決めなきゃいけないの?

わたしが答えられずにいると、
女性が助け舟を出そうと

別の質問をした。

「例えば、
この床に置かれたぬいぐるみは、
どこにしまいましょうか?
おもちゃ入れはありますか?」

今朝までチェストの上に
置かれていたぬいぐるみを指差して、
女性が尋ねる。

わたしは相変わらず返答に困って、
口をつぐんだ。

女性が困ったように笑っている。
そのときに、気が付いた。

―わたしは、片付ける場所が
分かっていないんだ。

だから、片付けられない。

片付ける場所が分からないと、
また同じことの繰り返しだ。

わたしはどん底に
突き落とされたような気持ちで、
ただ呆然とその場に突っ立っていた。

家事代行サービスの一件で、
片付けるためにはまず、
収納場所を
決めなければいけない事を知った。

収納場所を決めるのは、他人ではなく、
この家に住む
自分自身でなければならない。

人に任せきりではダメなのだ。

ー完璧ではなくても、
ある程度は自分で
片付けをできるようになりたい。

わたしは、自分で片付けられるようになる
方法を知るため、
片付けに関するブログを読み漁り始めた。

ブログでは
様々な片付けに関する情報があったが、
その中でもわたしが興味を持ったのは、

ある女性のブログだ。
女性の名前は井上ちえこさん。

わたしのように
片付けが苦手な主婦・ママへ向けて
片付けのサポート活動をしているらしい。
(現在は一般社団法人片付けのプロ育成協会代表理事)

彼女のレッスンを受けて
実際どうなったのか、
元生徒や現役生徒たちの
感想を読んでいるうちに、

自然とわたしにもできそうな気がしてきた。

わたしは何度もブログを読み、
サポートを受け
ワークショップにも参加するようになった。

そこで少しずつ片付けを学んでいった。

片付けを学び始めて、
しばらく経った頃。

実家から母が倒れたと連絡があった。

慌てて支度をし実家を訪れると、
すでに親戚が数人集まっており、
ベッドに横たわる母を囲んでいた。

わたしもすぐその輪に加わり、
母の顔を覗き込む。

顔色はあまり良くないが、
意識はしっかりしているらしい。

母はベッドに横たわりながら、
形見分けの品の場所を私に教えてくれた。

声が細く聞き取りづらいが、
何とかその指示に従って
物を確認していく。

―ああ、この人はすごい。

病床で声を振り絞りながら
指示する母の姿を目の当たりにし、
わたしは心底驚いた。

こんな状態になっても、
大切な物が
どこに片付けられているのか
把握しているのだ。

そう言えば昔から、
家はいつも片付いていた。

わたしの実家は住宅兼展示場として、
多くの人が訪ねて来る場所だった。
他人の目が常に向けられていたから、

いつ見られても良いように
きれいにしておく必要があったのだろう。

―もし、自分が母の立場だったら。
整理され掃除の行き届いた状態を
保ち続けられたかと問われると、

答えはノーだ。

母はわたしと違い、
片付けも掃除も得意な人だった。

―でも、わたしは母とは違う。

わたしは片付けを学んで正解だった。

片付けは一生続く。

わたしのように片付けられない人間は、
学ばなければ、
ずっと苦しむことになる。

片付けには、習慣化も必要だ。
そのことを、母は誰から学ぶのでもなく、
自然に理解していたのだろう。

ー片付けの出来る人が
当たり前にやっていることを、
わたしは知らなかった。

収納本や収納アイテムを買って
片付けた「つもり」になっていただけ。

わたしは母を見つめ、心の中で頭を垂れた。
それから一週間後、

母は他界した。わたしはより熱心に
片付けを勉強するようになった。

片付けを学び始めて数年後。

わたしは自分の手で
自宅を片付けられるようになっていた。

家事代行サービスを利用した頃の
自分を思い出すと、信じられない気持ちだ。

片付けが苦手だったわたしでも、
片付けられるようになった。
その達成感で胸がいっぱいだった。

「今まで、本当にありがとうございました!

おかげで、自分でも
お片付けできるようになりました」

私はちえこさんに、自分の成果を伝えた。

今まで挫けそうなときも
片付けを学び続けられたのは、
ちえこさんのおかげだ。

「おめでとう!あなたが、頑張ったからだよ」

ちえこさんは笑っている。

その様子を見て、
わたしは喜びと誇らしさを感じた。

「これだけしっかり学んだら、
人にも教えられるね」

思いがけない言葉に、
わたしは紅茶の入ったカップを
落としそうになった。

信じられない気持ちで見つめると、

ちえこさんは
相変わらずニコニコしている。

―わたしが、人に、片付けを教えるの?

これまでは自分の周りを
片付けることに精一杯で、

片付けを教えるなんて
考えた事すらなかった。

―そんなこと、できるのかな?
自分に問いかける。

そのとき、今まで見てきた、
片付けが
苦手な女性たちの姿が浮かんだ。

物が捨てられず、
部屋に溜め込んでしまう女性。

家族のために、苦手を克服して
片付けられるようになりたいママ。

彼女たちは皆、
片付けられないことを
人に相談できず、苦しんでいた。

―もしかしたら、
片付けが苦手だったわたしだからこそ、
伝えられることがあるのかもしれない。

それに気付くと、
「やってみたい」という気持ちが
ムクムクと湧き上がってきた。

目の前で新しい扉が開いた気分だ。
その隙間からキラキラ輝く未来が

顔を覗かせている気がした。
期待で胸が膨らむ。

―片付けは一生続くもの。

だからこそ、
早めに学んだ方が後が楽になる。

それを伝えていきたい。

この後、私はお片付けのプロとして
一歩を踏み出し始めた。

現在は、片付けが苦手な女性を
サポートするため、
「ホップステップお片付け部」
を立ち上げ、

グループで励まし合いながら
片付けられる活動を行っている。

片付けができなくて悩み、
苦しんできた昔の自分のような人を、
一人でも多く助けたい。

そんな気持ちで、
日々、片付けが苦手な女性たちと
向き合っている。

こちらの素敵なストーリーは 
脳科学アイドル兼ライター 

蒼樹 唯恭(あおき いちか)さんに
創作していただきました。 

◇蒼樹 唯恭さん 
インスタグラムnote

また一般社団法人 片付けのプロ育成協会
前身である RAKURASHI 時代から
お世話になった 井上ちえこさん

わたしに片付けを学ぶきっかけを
作ってくださったこと、感謝申し上げます。

片付けができなくて悩む女性は
悩みすら打ち明けられず
モヤモヤしながら暮らしています。

ホップステップお片付け部グルコン

あなたも
わたしの過去と同じように
片付けが自分の手で
できるようになっていくために

ホップステップお片付け部では
しっかり学べる環境づくりを
サポートしています。

リリース&クリエイトノート受講生さんとのやり取り

また思考整理を進めながら
片付けをしたい方向けに
ノート活用講座も実施中。


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