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モーニングアフターピル
こんばんは。id_butterです。
タイトルのそれについて初めて聞いたのは、大学生の授業の中でのことだ。
そのときは「ザ・モーニング・アフター」と聞いたような気がする。
致した後の朝に、という刺激的な商品名を忘れられるはずもなかった。
さらに忘れられなくなったのは、その次週の同じ先生の授業だった。
理系女子学生だったわたしは、その日もいつもの友人たちと一緒に授業に出ていた。
先週の復習だったのか、あるいは不真面目に授業を受けているわたしたちへの復讐だったのか、隣の友人があてられたのだ。
「ザ・モーニング・アフターとはどういうものか。」
という質問だった。
わたしは、動揺したけれど、気の強い友人はもちろん負けなかった。
とってもハッキリと答えた。
「性交後にのむピルです。24時間以内に服用すれば妊娠をほぼ防ぐことができます。」
教室は、シーンとしていた。
けれど、その空気は紛れもなく彼女への称賛だったとわたしは思う。
それから20数年ぶりに、そのことを思い出して、調べてみた。
たしか、そのときは認可されていなくて米国から個人輸入するしか手に入れる手段がなかったように記憶していた。
国内で認可が下りたのは、2011年だったらしい。
けれども、今も入手が難しい状況は続いているようだ。
なぜコンドームの隣においてはいけないのか。
なぜ処方箋が必要なのか。
わたしには理解ができない。
アフターピルが必要なケースは、こんなケースくらいだろう。
・誤って避妊に失敗した
・レイプされた
レイプされた場合、大人ですら冷静に処方箋をもらいに病院に行くのはしんどい。
それがこどもなら、と思うと胸が塞がれる。
誰かにそれを話すことはどれくらいつらいことだろう。
きちんと受け止めてあげられる親がどれくらいいるだろう。
どうしてレイプされた被害者がさらにリスクを背負う必要があるのか。
もし話せないまま時間がすぎて、妊娠してしまったらさらにリスクは増す。
だまって自分の体を守る自由すら、この国にはない。
大学という場所で、生命についての授業を行う講師が、100人の生徒の前で女子学生に「セックス」あるいは「性交」と言わせようといういじめのようなことがまかり通っていたときから、20年以上経った。
どのような理由であっても、堕胎するときは父親の同意を病院側に提出が必要になるらしい。
しあわせな妊娠なら、堕胎する必要がない。
きちんと責任を取ってくれるパートナーなら、堕胎する必要がない。
離婚届の証人にすら事欠くわたしには理解ができない。
誰のための、誰の権利を守る法律なのか。
ここで透けて見えるのは「誤って避妊に失敗するような」女はそれくらいの辱めを受けて当然ということなんだろうか、と思ってしまうわたしは性格が悪いのだろうか。
アフターピルを手に入りやすくした時のメリットとデメリットは誰にあるのか。
手に入りやすくしたら避妊が疎かになる、という考えであるのだろうか。
あるいは、アフターピルの副作用、ということをいう人がいるのかもしれない。
どちらにせよ、何を選ぶのかは本人の自由でよいのではないだろうか。
だって、結局のところ最終的なリスクは本人が背負うのだ。
他人は外野でしかないし、コンドームなのかアフターピルなのかということは手段に過ぎない。
命の責任、というのならまず目の前にある命が健やかに生きられることを優先してほしい。
と20年前理系女学生だった現在母親のわたしは思うけど、浅はかなんだろうか。
せめて、娘に何かあったときは一番の味方になってあげられるように、何かあったら打ち明けてもらえるように日々生きていく所存である。
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