憧れのバーチャルの世界でVTuberに地獄を見せられた話
VRchat。バーチャルの世界で、アバターという殻を被り、他社と交流を行うバーチャルSNS。二年前、その世界に入った時、感動と期待で震えたものだった。自分の手が思い通りに動く。頭を向けた方向に視線が動く。喋ると口が連動してその通りに動く。その辺のキャラに話しかけると、人と話すのと同じように反応が返って来る。いつか見たアニメやゲームの世界にそのまま自分がいる。夢が一つ叶った瞬間だと思った。
そこから二年後の今。それらの感動を今は感じられない。
電脳少女シロは、俺の何もかものきっかけになったVだ。
シロちゃんを知った時、リアルでの状況は最悪で、精神的にかなり参っていた。しかし、シロちゃんの毎日の投稿や、その動画内でおくられる励ましの言葉に日ごとに元気づけられていくことで、それは少しずつ回復していた。
なんて凄いんだと思った。これがVTuberなんだと。グダグダで、サイコで、時々何言ってるかマジで分からなくて、次に何をするのか見当もつかなくて、可愛くて面白くて癒されて、毎日投稿される動画が楽しみで仕方なかった。
でも。VRchatに来て、VTuberに対し持っていたそんなイメージは大きく覆えされた。
シロちゃんの声真似をしているVtuberがいた。そのクオリティは非常に高く、当時ガチなシロぐみだった俺は、それまで声真似そのものを聞いた事が無かったこともあって猛烈に感動し、本人に出会えた様な気分になっていた。
・・・しかし、彼女が主催したオフ会で、それに参加してしまった事で、俺はシロぐみ史上恐らく最大級の悪夢を見せられる事となった。
「シロちゃんオフで○コったって聞いたけど本当?」
オフ会からしばらくたったある日、フレンドですらなかった人間から聞かされたこの言葉。耳を疑った。
聞くところ、シロちゃんがVRC民をターゲットにオフ会を開催し、そこでオフ〇コを行ったらしいという。
あのオフ会の事だった。
もっとも、あのオフ会で全員が合流する前に、彼女ともう一人の主催がオフ●コしていた事はこの時点で知っていた。だが、その二人は当時お砂糖関係にあり、あくまでその二名が結ばれただけの事であり、そこにシロちゃんの名前が絡むことは無いと思っていた。
しかし実際は完全に「VTuberのシロちゃん本人がオフ●コをした」事になっていた。問いただし、誰に聞いたかを突き止め、その人にコンタクトをとり誤解である事を伝えた。
主催の彼女は、「VRCのシロちゃんに会いに来てね」という系統の言葉を用い、参加メンバーを募集していた。それが、噂として伝わる内に徐々に形を変えてシロちゃん本人が主催したものという風に情報がゆがんでいき、さも本人が行ったパ●オフであるかの様に伝達していたのだ。
その情報はまだ狭い範囲にしか広がっておらず、火消しは然程苦労せずに終わったが、この時点で俺は憔悴しきっていた。
が、これで終わらなかった。
「ベルーガさんオフ〇コしたんですか?ww」
こう言われた時、目の前が更に真っ暗になったのは言うまでもない。
VRchatにおける「シロちゃんの人」は、彼女だけではなく、俺もまたそうだった。販売アバターをシロちゃんに似せて改変し、使用しているからだ。結果、VRCのシロちゃんの人・・・つまり俺がオフ●コしたという誤解が発生し、伝播していた。
これらの事が原因で俺は、暫くシロちゃん本人すらまともに見られなくなり、そこから立ち直るのには少しの時間を要した。
これをきっかけとし、更に色々あって許容限界を超えた俺は、それまでそれでもフレンドとして接していた彼女と完全に決別。本人はDMで「二度と私に関わらない代わりに二度とシロちゃんの声真似はしない」という約束を自分で勝手に押し付けて来たが、今現在全く守られてはいない様だった。
それ以外にも、俺が自分を監視していると思い込み、俺のIPアドレスをフレンドに調べさせて住所を特定しようとするなど、最早犯罪まがいの行為を行っていた事も明らかになっている。(後に確認したが、立派な犯罪行為であった。)
一度、とんでもないDMが来た事が有る。自分の行為を誰かに話せば、名誉棄損で訴えるというのだ。
シロちゃんの名前を貶める様な事をし、シロぐみである俺も巻き込み傷付け、他人の名誉をこれでもかと傷付けておいて、更にこの威嚇行為だ。人間として最早終わっていた。よくもこれでシロちゃんを名乗ったものだ。
低音ボイスがウリの、ロリなVがいる。最初は俺が尊敬する人物でもあった。俺が個人的に推しているモデラーのワンオフアバターを使用し、自分の特技を如何なく発揮し、自分のみでなく他人の為にも行動する。そう思い込み、信頼していた。
しかし、今では彼はただの「出会い厨」である。
ある一時期から、彼はVRchatにおいての普段の行動がかなりおかしくなっていた。分かりやすく、女性をターゲットに絡みつく様に粘着するようになり始めた。関係の無い界隈に乗り込んできては女性ユーザーをプラベ・鍵部屋に連れて行き二人きりで籠る、女性ユーザーと絡むのに邪魔だと思った男性ユーザーをインスタンスから追い出そうとする等、常軌を逸していた。
そしてある時、ひょんな会話の流れから俺を障害者だと断定した事で許容限界を超え、彼とのフレンドを切った。・・・のだが、そこから芋づる式に、とんでもない事が次々と明らかになっていった。
その中で最も胸糞案件と思われるのが、VRCにいる自分のファンである女性Vや女性ユーザーを、自分を推しているという状況を利用して、もしくは打ち合わせ等の名目でプラベ等に連れ込み、性的接触を行い、自らの欲望のままに捌け口として扱っていた(自慰行為の手伝いやバーチャルセックス等)という事だ。
女性のみならず、可愛い声の男性もターゲットだったらしいから驚きだ。
無論、バーチャル内でのみならず、現実にも手を出していた。そして、相手の人生を本気で左右しかねない状況まで発生させていた。
彼のやらかしは、俺の大切なフレンドまでも巻き込んでいた。
そのまま放っておけば彼の傘下に入り、VTuber活動を行う事になっていた。
冗談ではなかった。そんな事をやっている人間の傘下に入るという事がどういう評判を生むか。絶対防ぐべきものだった。
そのための三か月に及んだ俺の奔走は、一応最悪の状況は回避したものの、シロちゃん関連の事とあわせ、俺自身に強いトラウマを残す事となり、そこから数年経過した今も、脱せていないまま。
この二名に関わっていた人間やそのファン等、今も交流を続けている人間は俺の周りにいくらでもいる。彼らのやらかしを知ってなお、近くに居続けている人間すらいる。そういった「彼と関りの有る人間」が自分の近くに来たというだけでも、そのトラウマは呼び起こされ数日にわたり苦しむ事になる、そんなレベルだ。
その挙句、最近分かった事だが、俺が被害者だと思っていた人間・VTuber達もどうやらそうとばかりは言えないらしく、実はこの記事に後半あげた彼と口裏を合わせ、俺やフレンドのイメージを落とす様な嘘をついて回る等の行動をしていたという情報もある。
・・・最早、VRC、夢も希望もあったものではない。
VRchatにおいてのVTuberは、俺を裏切る存在だった。
彼らいわく、VTuberに夢を見る事も憧れる事も愚かなのだという。中身は所詮人間であり、期待し過ぎれば痛い目を見るだけだと。
リスナーに楽しみと夢を提供する立場の筈のVTuberがそれを言うのか。
それを聞いた時、冷静な雰囲気で聞いてはいたが、内心ふざけるなと叫びたかった。やめてしまえと言いたかった。
かつて、俺のメンタルをドン底から引き上げてくれたシロちゃんはそんな事は言わなかった。
皆の期待に応え、皆が楽しめる事を考え、皆と一緒にそれをやっていきたい・・・そう言い続けてくれていた。
そんな先達の姿を、お前たちは全く見ていないという訳だ。情けない。本当情けない。
・・・まあ勿論、VRCでVTuberに出会った事で起きた事は、悪い事ばかりではない。今仲の良いVTuber達の中には、シロちゃん以上に俺の心の支えになってくれ、VRCで遊ぶ中で良い影響を与え合えていると思える大事な存在もいるし、誠実に活動し、色んなイベントをしたりファンとの交流をしたりしている人も多くいる。一部の人間の闇が濃すぎるだけというのも分かってはいる。
だが、それでも・・・今、正直、VTUberというものへの興味がかなり失われて来ている。にじさんじも、ホロライブも、そして.LIVEも。上手く隠しているだけで、実際にはどうなのか。何処も同じではないのか。そんな考えが、否応にも頭に浮かんでくる。
特に個人勢については、出会い厨の温床にしか思えなくなっていた時期も有った。個人勢を推す事は、地獄に顔を突っ込むようなものじゃないかと。
問いたい事が有る。
貴方たちはこんなものをファンに見せ、こんな思いをさせたくて、VTuberを始めたのか。
貴方たちは何の為にVTuberになったのか。本当はどうなりたかったのか。
かつてVTuberに救われ、夢を見て、憧れ、その先であまりに情けないこの惨状を見せられた人間の言葉。
この記事を見たVTuberがいるなら、よくよく考えてみて欲しい。