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夢や志はなくてもいい
ベルテンポはフランチャイズとして広げるのではなく、
会社を拡大するのではなく、
同じ考え方=ミッションを持って下さる方を、
日本中にそして世界中に広げたいと考えています。
私はたまたま「旅行」を専門に仕事をさせて頂いていますが、これから先は「業種」が問題ではなくなる時が来るでしょう。
○○業界
との言い方(=くくり)はお客さま、
つまり消費者にとってはなんの意味もないことです。
ベルテンポも「旅行業」と言う小さな枠組みに捉われるのではなく、
価値観、思想、志。
そう言った根っこにあることを共有できる仲間をひとりでも多く創りたい。
もう、だいぶ前ですが、私がベルテンポ塾を開催した際に印象的な場面がありました。
夢や志の大切さを私が語り終えた時、
参加者のおひとりである経営者の方が手をあげました。
「高萩さん、こんなこと言っていいか判らないけど、私は『夢や志』って間違えると危険だと思うのですよ。」
この社長さんがおっしゃるには、
夢や志を口にしたらそれはもう誰も否定できない。
そう口にされました。
私は同じ経営者の立場からも、とても共感しました。
なぜなら、たとえば私の志は、
<私が望むニッポン>
1.心の豊かさを感じ、みんなが笑顔でいられる日本。
2.子供が目を輝かせて夢を語り、大人が全力でその夢を応援する日本。
3.人生の大先輩であるお年寄りが社会の邪魔者扱いされない日本。
4.優しさが街中に溢れる、人の心の痛みがわかる日本。
5.楽しいことを普通に楽しむ、休む時は休む、頑張り過ぎない、
そんな肩の力を抜くことが許されるリラックス出来る日本。
そして、
6.正義が世の中の王道、正しい道を真っ直ぐ歩くことが許される日本。
これは志と言うより私の願いみたいなものですが、思いつくまま偉そうなことを書いています。
では、
私が会社を創立した時、これをすでに頭に浮かべていたかと言うと、とんでもありません。
私が会社を設立した"本当の理由”は、
サラリーマンが勤まらなかった(性に合わなかった)から、ほとんど「選択肢もなく」自分で会社を作ったようなものです。
もちろん表向きにはもっとカッコいいことを言います。表向きには。
私は夢や志は「皆無」の状態で創業したのです。
そうではない方も大勢いらっしゃるのだと思いますが。
恥ずかしくもなくこの話をさせて頂き、念のため
知り合いの何人かの経営者の方にも伺ってみました。
「なぜ、独立されたのですか?」
そうすると、
「わがままだったから」
「行きがかり上・・・」
「サラリーマンより儲かると思った」
私の記憶に間違いがなければ、熱い志で開業された方は
「皆無」
でした。
もちろん、その後どれだけ苦労されたかについてもそれぞれの経営者の方が昔を懐かしむように語られていました。
ほとんどの経営者は開業後3ヶ月目位には資金が底を尽き、ある経営者の方は「ヤフオクでモノを売って食い繋いでいた」と。
なぜ、夢が危険か。
なぜ、志はない方が良かったりするのか。
夢を語る人を、他人は批判できません。
そして普通は当たり障りない程度に「応援」します。自分には関係ないのですから。
文字にするととても冷たく聞こえるので注意しながら書きますが、夢や志を若い人が語ると、それを否定するのは悪いと思ってしまう。
でも、夢や志だけで飯が喰えるほど甘くないことも現実です。
旅行会社を経営されている方がこんなことをおっしゃっていました。
「旅行が好きな人が旅行会社をやると、成功しないことが多い」
「なぜなら旅行好きの人が、必ずしも人の世話が好きとは限らない」
これ、どんな業種でも似たようなことが言えます。
単にホテルが好きな人と、人のお世話に喜びを感じるホテルマンの違い
自分が花好きな人と、お客さまの笑顔が好きなお花屋さんの違い
自分の店を持つのが夢だった飲食店オーナーと、人が大好きなオーナーの違い
中途半端なひとりよがりの夢を持つ人が中途半端な行動を起こすと、そしてそれをそばにいる人が「本当のことを助言」してあげないと、
数年以内に、夢どころじゃない状態になるでしょう。
「夢、そんなもの最初はいらない」
「志?そんなもの事業が軌道に乗ったら考えればいい」
本当に思いやりのある助言とは何か。そんなことを考えた朝でした。
今日はこれから箱根です。
追伸
最初から夢や志がなくても、結構面白い人生が送れる。この3人の話を聴くとそんな風に感じます。何かやりたいけれど、最初の一歩が踏み出せないあなたの、背中をポンと押す話です。ご興味あればぜひ。
・かぼちゃプロジェクト講演会DVD
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