見出し画像

御殿場インターの近くに「たから亭」さんがあります。チャイニーズダイニングと銘打って、創作中華を提供しています。

昨日、旅の途中にお客様とランチでお邪魔して、それはそれは、どの料理も一品一品が美味しかったのですが、明るい店内の空気感が素敵でした。

お店が明るいというのは、

採光の工夫で明るい店内、壁やインテリアの色調が明るい、スタッフの表情が明るい、などの要素が重なり合ってお店が明るいと感じるのですが、私がもう一つ感じたのは、

お客様の表情が明るい

ことでした。食べているお客様の中にブスッとした人がいない。もちろん美味しいから表情も緩むのですが、お店の空気感が良いのは、挨拶にあると私は思いました。

飲食店に入ると、

「いらっしゃいませー」「いらっしゃいませー」と複数のスタッフに連呼されながら席に案内されます。

たから亭さんは、最初に「いらっしゃいませ」と挨拶したあとは、必ず「こんにちは」「こんにちは」なのです。

いらっしゃいませー、と連呼されても、私たちは「いらっしゃいましたー」とは返しにくいので、ちょっと会釈して、やり過ごします。

ところが、たから亭さんを見ていると、スタッフのこんにちは、にお客様のほぼ全員が「こんにちは」と返しています。

お店に入ってすぐに、スタッフとお客様がこんにちはと挨拶を交わせば、

「寒いですねー」

「道は混んでましたか?」

「今、温かいお茶、ご用意しますね」

と、双方向コミュニケーションが深くなり、お客様が「ああ、このお店はスタッフさんと近い距離感で気さくに話しかけていいんだ」と感じ、表情が緩くなります。

いらっしゃいませー、いらっしゃいませー、と、マニュアルに従ってロボットのように連呼するお店は、「本日のおすすめはこれです、ご注文が決まりましたらボタンでお知らせください」と、ある意味、コミュニケーションを拒絶しているように感じます。忙しいから必要以上に話しかけないでね、と暗に言われているような気持ちになります。

これは、物販でも同じで、洋服なども「いらっしゃいませー」「ごらんくださいませー」と、いくら連呼されても、そこにコミュニケーションは発生しません。

商売的な話で言えば、人は心を開かない人には、財布も開かないのです。

日本人はおもてなしという言葉が大好きですが、慇懃無礼やおもてなしより、相手に心を開いて貰うためのコミュニケーションが大切で、その最初の一歩は「こんにちは」です。

たから亭さん、素敵なお店です。

2019.1.13.河口湖にて








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?