プロローグ
先生に当てられ黒板に答えを書きに行く同級生。
慣れた手つきで文字を書く先生とは違い、
丁寧にゆっくり、慣れないチョークで書かれる文字。
頭の中でシュワ〜と炭酸の泡が上がっていく様な感覚。
いつ、どんな状況でこの現象が起こるのか、
自分でも分からない。
そう言えば当たり前のこの感覚を、
誰か共感してくれる人はいるのだろうか。
西洋の風景画像を見ると無性に寂しくなる。
底の深い海を見ると
恐怖と興奮で深呼吸せずに居られない。
人が紙を触っているのを見ると身体がゾワゾワして
見ていられない。
みんなも同じだろうか。
私の "おはよう" は 本当にみんなにとっての
"おはよう" だろうか。
私の " しんどい "は本当にみんなにとっての
" しんどい " だろうか。