【file030】ねずみ講ジャンケン大会
ネズミ講のパーティに行かされたときのお話です。
それ以前に僕の先輩2人が、共通の女の子の知り合いに誘われて、鍋の実演販売を見る羽目になり、『誰が買うねん』と嫌になって帰ってきたというのです。
その後、パーティがあるとのことで、絶対行きたくなかったのですが、可愛い女の子にまあそう言わずに、とフェロモンプンつかされたので、鼻血を止めながら何も買わないことを条件に僕も別の友達と2人で行く羽目に。
パーティーなので販売の会の会員だけしか来てなかったらしく、目の前には美味しい料理がズラっと並んでいました。
変なクスリとか入っているわけではなかったので、人の話などそっちのけで、んまいんまい、とペチャクチャ食ってばかり。
そんなとき、会場いっぱいにマイクの声が入りました。
女『みなさ〜ん!100円出してくださ〜い!』
僕『金取るんかいな!ま、腹いっぱいやしこれくらい出さなあかんのか、でも100円で何か買わされるんちゃうやろな?、料理はタダやのに、こんなん聞いてへんで?』
女『近くの人とペアになってくださ〜い』
僕『あぁん!?女の子探そう』
友達『状況が把握できんから、ひとまず俺らで組もうや。2人一緒にやられるわけにはいかんやろ』
僕『・・・ま、何か分からんから僕らで様子を探るか』
結局、ただのジャンケン大会らしく、勝った人から100円もらうというやつでした。
周りにはざっと5〜60人いたのですが、ジャンケンに弱い僕が、1回戦で友達を撃破、2回戦で見知らぬおっさん、順調に勝ち進み、準決勝でキレイな女性をも撃破、ついに決勝まで来てしまったのです。
女『は〜い!決勝戦に残った方、前の方へ来てくださ〜い!』
僕『はぅあ!!!はずかしいわ!!!でもここまで来たんやから、こうなったら勝つで』
決勝戦に残ったのは僕と小学生くらいの女の子で、空気を読めば負けないといけないのですが、守銭奴のプライドに掛けて、大人の厳しさを教えないといけない、そう思って決勝に挑みました。
女『決勝戦は、3回勝負です〜!!!』
僕『なんやて!?マジかよ・・・』
実はここまで1回勝負で、チョキしか出さずに運良く勝ってきたのです。今までの戦法が通用しません。でも考えている時間はありません、とにかく行くのみです。
女『一本目〜!!!あ、じゃ〜んけ〜ん、ポン!!!』
僕【チョキ】
女の子【チョキ】
僕『ゲボ!!!まさか僕と同じ戦法とってきてるんちゃうやろな、驚かせやがって・・・』
女『引き分け〜!!!もういっか〜い!!!あ、じゃ〜んけ〜ん、ポン!!!』
僕【チョキ】
女の子【グー】
僕『ぐわっ!!!』
・・・
3本先取なのに、その後1本も取れずに負けてしまいました。
僕『ひゃ、ひゃくえん返せぇ〜』
女の子『ほんま、チョロいで!!!儲けたわぁ〜、おっさんご苦労さ〜ん!!!』
僕『くっ・・・屈辱やでえ・・・』
女の子は会場入りした全員から100円ずつ徴収して、風のように消え去りました。
僕と友達は食うもの食ったので、これ以上傷をなめるのはゴメンやで、とこっそり退散しました。
The end