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再世解説
新弾にて登場した再世(リジェネシス)デッキの解説をしていきます。
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はじめに
リジェネシスは”捲り札でワンチャンが狙えるデッキに対しては1本目から後手捲りが望めるメタビートデッキ”です。
今期でいえばライゼオルと青眼に対しては1本目からワンチャン、マリスにはサイドでガッツリ意識したプランが必要になる、といった具合です。
展開対面を苦手としてしまうのは、"フル展開された場合に捲り札で返すプランでは歯が立たない上、誘発を必要数採用するのが非現実的”なデッキであるためです。
そのため、展開対面とのマッチアップでは1本目はじゃんけんの勝者が勝つ50%ゲームを仕掛け、3本目をガッツリ寄せたサイドプランで何とか取り返すというのが現実的です。
デッキの性質上メインプランに必ず罠が要求されるため、メイン時点では誘発枠を確保する余裕がありません。
今回このようなデッキを使用するに至った経緯として、
①少なくとも1本目はどのデッキを使用しても、マリスの先行ゲーをほぼ捲ることが出来ない
(=意識するのであれば最低でもフワロスGの計5枠+妥協盤面への回答と蓋が可能な手数持ちのギミックが必要)
②単体で機能する汎用誘発が上記のドロー誘発に絞られていて、それ以外のカードを用いたメインプランの捲りは、結局ある程度割り切りの論理が含まれた上で構成されている環境(ex.青眼でパージうらら+無効系のプランを取った時に、相手がそもそもマリスだった場合。或いは、無効系2枚しか引き込めずプランが成就しない場合等)
の上記2点がありました。
これらを踏まえ、
①1本目はマリス対面の後手は捨ててもOK
=その代わり3本目ガッツリが求められるのでそれだけ枠を空ける余裕が必要になる
=マリス以外には捲りの利くプランをメインから採用しておく
②マリス以外には誘発に依存しなくても成立するプランがありそうなので、それを模索する
=なければ諦めて上位デッキから選択する
の2点が導き出されました。
リジェネシスが要件を満たすことが出来れば続投、ダメなら今期は攻めるデッキでやっていこうと決めました。
概要
デッキの分類はリソース力のある罠ビです。
これまでも類型のデッキはあったと思います。
オルターガイストやエルドリッチ、ラビュリンス等、いずれもリソース力のある罠デッキです。
分類上は同型ですが、これまでのデッキと異なりリジェネシスは、即座に”何でも無効(シェモース)”や”高打点モンスター(デウテロノミオン)”を供給できるのが特徴です。
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オルターガイストやエルドリッチにおいても、ギミック内で万能な盤面を作る事は可能だったと思いますが、リソースがある程度循環した上で複数枚のカードが関わって漸く擁立することが可能になったものだと思います。
その点、リジェネシスは軸となるモンスター(ベミドバル)を場にプレイするだけで万能無効であるシェモースを擁立することが出来ます。
また、共通効果として相手盤面のステータスも召喚条件として参照可能であるため、不利である後手ゲームでは各カードのプレイがより簡単になり、戦闘による盤面解決を行ってからシェモースを構えるといった捲りが行いやすい性質があります。
環境デッキのステータスに関しては、
ライゼオル
・デッドネーダー(DEF:2500)
・デュオドライブ(ATK:2500)
青眼
・精霊龍(ATK:2500)
・青眼の白龍(DEF:2500)
マリス
・クリプター(ATK:2500)
・ファイア・ウォール(ATK:2500)
といった具合で該当のステータスとなるモンスターが散見される環境です。
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この恩恵は、今回採用したプランを成就させる上で重要な要素になってくるので、今後もこのデッキで環境を乗り越えていくのであれば相対する環境デッキの2500ラインというのも重要な指標になってくるといえ、要チェックな部分になってきます。
メインプラン
デッキのカードには役割を与えていて、それを必要数採用することで安定したプランにまで昇華できると考えています。
役割は主に4種
①高性能の妨害
②2枚目の妨害
③妨害を通すための手段
④捲り札
です。
①高性能の妨害
前提として、環境によってここの選択肢は変化します。
今期はライゼオルとマリスの初動のアクションをイメージし、
”召喚・特殊召喚→誘発効果or起動効果”
という単体初動に対応するのがまず必要と判断しました。
神の通告(3枚)
竜の精神(3枚)
センサー万別
スキルドレイン
サモンリミッター
の計9枚がそれにあたります。
リソースとの1:1交換or展開を停止させる永続のうち環境適正のあるものの上位9枚を集めました。
9枠とっているのは、期待値1を満たす8枚を及第点とした上で、引き込めなかった場合の差異がゲームに与える影響が大きすぎる枠であったためです。
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重なって引くことが許容される上、もしも展開を通してしまった場合は死に直結するゲーム性なのが現代OCGであるため、リジェネシスギミックの循環よりも重視すべき点として多めの枚数にしました。
単なる展開の停止を目的にするのであればアーティファクトギミックが分かりやすいですが、それはリジェネシスギミックの循環を前提にしすぎているためリスキーです。
うららや無効系の誘発でこちらの場がベミドバル1枚だけだったとしても、相手のリソースを減らし優位なままロングゲームに持ち込めるのがゲーム展開として理想で、今回採用した罠はそうした役割が担えることを前提に採用しています。
②2枚目の妨害
シェモースの擁立が主の目標です。
ベミドバルを場にプレイしサーチ効果が通れば成立する動きです。
ここで気を付けることは2点
1⃣ベミドバルの総数
2⃣ベミドバルを手札から出すためのカードの総数
です。
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1⃣については罠の論理と同様に最大値かつ適正値が9枚です。
特に組み合わせが要求される系のギミックは、"強いカード×コストになるカード"といったパワーバランスの差がある群でギミックが成り立つ場合が往々にしてあり、リジェネシスもそれに該当します。
過去、自分が使ったデッキだとサンダードラゴンとかもそれに近い印象です。
ダークオカルティズムを採用する場合もあるようですが、強欲で金満な壺・金満で謙虚な壺の2種がその上位互換の役割を果たしており、単体で機能する罠か組み合わせを成就するカードのどちらかを引き込み、先手の1・2ターン目を支えてくれます。
罠デッキ共通の理論
・罠には実はドロー効果が内蔵していると考えてみてください。
「相手の攻め手と1:1交換でターンを凌ぐ=安全に新たなドローフェイズを迎えることが出来る」という考え方です。
例えベミドバルに辿り着けなくとも、バースがあれば次のターンから動くことは可能になるので、そこまで含めて初動と考えればバース+有効な罠2種でも十分といえます。
ベミドバルは重要な初動ですから引き込む期待値を高めるのは重要ですが、他のカードに代替性があるのであれば、それを生かせるように構成することも無駄なカードを採用せずゲームを安定させる手段の1つです。
オカルティズムを採用するとしたら、このデッキが攻め手寄りのデッキで待つ余裕が無い場合に検討すると思います。
2⃣ベミドバルを手札から出すためのカードの総数
シェモース(3枚)
デウテロノミオン
ベレシート
フルルドリス
エクレシア
天底の使徒
の8枚に設定しています。
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天底は3枚採用していますが、ベミドバルの条件を満たすためのフルルドリスと換算して使用するのは1枚なのでここでは1枚とします。
2、3枚目の天底とエクレシアは誘発をケアする役割になっているのでここでは枚数にカウントしません。
この枠のカードは基本的に、ベミドバルがプレイされていることor相手のステータスの参照を前提にしかプレイ出来ないため単体性能はあまり高くなく、溢れるほどの枚数を採用しようとは思えませんでした。
各役割のカードが手札にダブることを想定した場合に最も機能が見込めないのがこの枠であるため、期待値1となる8枠を基準に留め、それ以外は罠でリソースの到着を待ったり壺で引き込んだりという方向性にしました。
経験上、構築の変更を要するほど何度も事故を起こすということは無く、1⃣2⃣ともに枚数比は適正とみています。
見せるカードの選定は、次項で解説する"妨害を通す手段"となってくれるか否かで決定しました。ので詳細は次項にて。
③妨害を通すための手段
うらら(3枚)
→強欲で金満な壺(2枚)+金満で謙虚な壺
ヴェーラー・泡影(計6枚)
→シェモース(3枚)、天底の使徒(2枚)、デウテロノミオン
で枚数を合わせケアすることにしています。
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罠デッキのドローソースは強力で永続罠を引き込む可能性もあることから、相手視点でうららがマスカンスペルになるため確実に確認できます。
無効系2種に関しても、こちらがトーラやバース等をサーチする裏目があるためベミドバルに対してはマスカンで撃ってくれます。
そうなった場合に、素引きしておくことでケアとなるシェモースやデウテロノミオンが無効系のケアの役割を担います。
もしも無効系がプレイされなければ更なる妨害を追加でサーチでき、より盤面が強固になるため重ねて引いたから弱いという心配もなくプランとして安定しています。
天底の使徒はエクレシアをプレイすることで誘発を吊る事ができますが、パニッシュメントの受けが良いライゼオルからはならずしも受けられる訳ではありません。
天底の強みは、エクレシアの妨害を立てながらドローが付いてくることです。特に先行時はエクレシアをサーチするのがほとんどなのでこのプレイは容易に可能です。
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リジェネシスネームorドロー付きのオプションで誘発を意識するのがリジェネシスの全体的なプランといえます。
④捲り札
ライストと拮抗のフル搭載で計6枚です。
本当はあともう1枚無いと後手時の期待値1に乗らないため不足していますが、金満で謙虚な壺まで含めて7枚換算することにしました。
後手のうららの受けは多少落ちますが、後手時の誘発ケアはあくまでもサイド後で意識し始める考えで、メインから積極的に後手に寄せるほど枠の余裕は見出せませんでした。
捲り札に伏せ除去を選択したのは、スレイや壊獣といったモンスター除去を使用した結果、容易にケアされ捲りに成就しなかったことが主な理由です。
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