ハートクローゼットのネット炎上について「当事者」の一人として思うこと
皆様、はじめまして。来殿ベルと申します。
(ライトノベル好きなので、こんなアカウント名にしてみました。)
四苦八苦しながら新しいアカウントを作成して、さっそくなのですが……。
いまネットを騒がせている"HEART CLOSET"(胸の大きな女性向けのファッションブランド)と、その社長さんである黒澤美寿希さんのツイートに寄せられた誹謗中傷・罵詈雑言について、私の意見を述べたいと思います。
なぜなら、この件は、私もある種の「当事者」として関わる話だからです。
文字で書くよりも、写真をご覧頂いた方が早いでしょう。
……他人事ではないのはお分かりいただけますでしょうか?
私はブランドや黒澤社長の趣旨や活動にとても共感し、HEART CLOSETさんの服を買ったことがあります。事務職の平社員なので少し背伸びしましたが、着心地は本当に良いです。
じつは、写真を出す・出さない以前に、少々緊張しながらアカウントを作成しました。
これまでの長い間、私はインターネットで発信側に立つことはありませんでした。さまざまなSNSこそ使ってはいましたが、ほとんど見る(読む)専門で、せいぜいリアルの知り合いと交流するだけ。平穏な使い方だったと思います。
しかし、個人的にその姿勢を改めたいと感じた出来事があり、こうしてノートパソコンに向き合っています。
社長の黒澤さんが、Twitterで心無い誹謗中傷・罵詈雑言に晒されているのを見たのです。(見てしまった、というべきかもしれません。)
そして、まず悲しくなり、「どうしてこんな扱いを受けなきゃいけないんだろう?」と思うと、次にふつふつと怒りも湧いてきました。
私はリアルタイムでも確認しておりましたが、こちらのTogetterに実際に黒澤さんに受けた誹謗中傷・罵詈雑言と、本件の経緯がまとめられています。
一応、このnote記事でも簡単に経緯を説明させて頂きます。
まず、胸の大きな女性キャラクターたちを題材にしたマンガ『月曜日のたわわ』の広告が日本経済新聞に掲載されました。私からすると、一見して単なる新刊発売の告知でしたが、これに対し、あるフェミニスト団体の人たちが「この広告は性差別を助長している」という趣旨で抗議しました。
私も最初、燃えている上の青いイラストを見て、黒澤さんと同じく、「何を怒ってるの?」と思いました。フェミニストっていうとビール持ってる水着写真とかに怒ってるイメージでしたから。この振り返ってる女の子、普通に服着てるじゃないですか。胸も腕に隠れて目立たないですよね。
私、最初は彼女が大きな胸だってことにも気付きませんでした。
だってあの左腕からはみ出ている胸ですが、ぱっと見だと右腕の一部みたいに見えたんです。炎上の理由を探そうとよくよく見直して、ああ、これ乳房なんだって。
じっさい、私のようにフェミニスト団体による抗議内容の正当性に疑問を持った人々も多かったらしく、Twitterやnoteを舞台として激しい論争が巻き起こりました。
そのさなか、"HEART CLOSET"を経営する黒澤さんが、次の意見をツイートされました。
読めば分かる通り、黒澤さんは、ごく冷静に『月曜日のたわわ』を読み、フェミニスト団体(女性機関)の論にある問題点を指摘されています。フェミニスト団体を馬鹿にしたり侮辱したりするような表現も見受けられず、私としては真っ当なご意見・ご感想だと感じました。
もちろん、黒澤さんのご意見に反対だという方もいらっしゃるでしょう。人それぞれ価値観も異なりますし、意見の対立や衝突は当然存在して然るべきものでもあります。
ですが、次のようなツイートは、「議論しよう」「お互いの考えを深めよう」などという対話的姿勢はまるでなく、私には黒澤さんをただ叩きたいだけであるように思われました。
根本的な価値観や、本件についての意見が異なるとしても、黒澤さんはここまで酷い誹謗中傷・罵詈雑言に晒される謂れはないはずです。
また、こうした誹謗中傷・罵詈雑言は、黒澤さんのみならず、『月曜日のたわわ』やHEART CLOSETを「擁護した」女性たちにまで及んでいます。
ぶつけられる言葉はほとんど同じです。名誉男性、ちんよし女(※「男性器を甘やかす女」といった意味のようです)、オタサーの姫、オスの所有物、セクシスト……。
挙げればキリがないほどの悪口が、「裏切者」扱いされた女性アカウントに殺到します。
上からひとつを取り出して、私の考えるところを述べてみたいと思います。
まず、現実的な問題として、胸の大きな女性は着る服で本当に苦労します。胸が出ていることで「太って見える」はよく聞くかもしれませんが(それも事実です)、他にも問題があります。
それに関しては、「ふっくらボリサット」さんのマンガの図解が分かりやすいです。
このように、「自分の身体に合っていない服」としか言いようがない状態に陥ります。
「乳袋に憧れているクソオスさん」が求めているから、その需要にこたえるという目的で「乳袋」――正しくは「胸の形に合わせた立体裁断」――が作られている訳ではありません。そうでもしなければ、服としての着こなしが難しいのです。
イラスト表現技法としての「乳袋」と、現実の機能性・ファッション性を考えた「胸の形に合わせた立体裁断」では、はじめから目的が違って当たり前です。
"HEART CLOSET"さんは、上のような困りごとに対応してくださる数少ないファッションブランドです。
HEART CLOSETは、もともとクラウドファンディングによって出発したブランドです。同じ悩みを持つ多くの女性に支持され、目標額30万円を大きく上回る270万円が集まったそうです。
そして、実際に悩みを抱える女性の役に立ち、ビジネスとしても成功したことで、「ウーマンズビジネスグランプリ優秀賞」や「女性起業家チャレンジ 最優秀賞」を受賞しています。
日本では、女性の活躍の場が少ないと言われる中、本来ならばフェミニストが積極的に応援しても不思議でない方だと思います。
事実、"私としては"強く応援したいと思い、こうしてTwitterを始め、note記事も書いています。
服のデザインや実績を客観的に見れば、HEART CLOSETさんの目的が「クソオスが憧れている乳袋の実現」などという点に無いのは明白でしょう。もしそうであれば、もっと身体にぴったりと張り付くような、胸周辺のシワが強調されるような、とても窮屈な服をデザインしたはずです。
また、これも追加で申し上げたいのですが、立体裁断のない服(上の方から言わせれば「乳袋」のない服)を着たとしても、世間的に「胸を強調していない」という扱いにはほとんどなりません。というか、一人の当事者として言えば、むしろ、いっそう恥ずかしい形で強調しているという扱いを受けます。
先ほど立体裁断などの工夫がない服では「太って見える」と書きましたが、無理に着用した場合、「胸は強調していないが太って見える人」になれるのではなく、「胸を強調しており、しかも、太って見える人」になるだけです。
ご存知でしょうか。バストホルダーなどの矯正下着で胸部を押し潰しでもしない限り、そもそも大きいものは大きいんです。
「強調」は「実際よりも大きく見せるよう工夫をしているように見える」という程度の意味でしょう。では、脇のあたりに"鬼のような"シワが集まり、シャツの前が浮き上がっている――こちらはこちらで、傍目から見た時、「強調されている」ように見えませんか?
現実的に、「強調している」と思われないためには、よっぽど「だぶついた」身体のラインを覆い隠す服を着るか、押し潰すしかないのです。
こうした中で、胸の大きな女性であっても快適に、お洒落を楽しみながら着られる服を提供くださっているHEART CLOSETさんに、私は感謝していますし、今後も良い服を作り続けてほしいと心から願っています。
もちろん、私は胸の大きな女性の全員の意思を代弁しているのではありません。あくまでも一個人としての意見です。黒澤さんのツイート内容を不快に感じた当事者女性の方々もいらっしゃるでしょうし、それは必ずしも不当ではなく、理由もあることと存じます。
しかし、それと同時に、私のような「応援したい人」もいることは、どうしてもお知らせしたいと考えました。
叶うことなら、誰もが胸の大きさに関わらず、つらい思いをしないで済む社会を望みます。
私の意見は以上となります。
ここまでお読み下さった皆様、誠にありがとうございました。取り留めのない部分もあり、読みにくかったかもしれませんが、お付き合い頂いたことに感謝致します。
また、この場を借りて、Twitterおよびnoteアカウントの開設、そして私の拙い文章の添削をしてくださった手嶋海嶺さんに厚く御礼申し上げます。
私は本件で「今後は意見を発信していく」という覚悟を固めたので、もしよろしければ、Twitterのフォローや本記事のスキ&シェアをお願い致します。
来殿ベルは、HEART CLOSETならびに黒澤社長を応援しております。
HEART CLOSET 公式サイト| 胸が大きな女性のためのファッションブランド (heart-closet.com)
以下は、サポートくださる方に向けたお礼メッセージエリアです。
併せて、男性だとか言われないように、私の顔写真を掲載しています。(身バレ防止のため顔の一部は隠しています。)
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