アンデルセンか?
いやーびっくりした!
夢野久作と言ったら
「ドグラマグラ」
わたしなんぞは読んでるうちに
もういいよ、となるあの小説。
わたしの中では
ドグラマグラ一作で
夢野久作🟰変態大作家(あくまで個人感)
しかしだ
彼が描いたいとも美しい物語を知ってしまった
昨日積読リストに入っていた一冊。
今地下鉄の乗り換えに来るまでの20分で読み終えた。
挿画が美しいから そう感じたのかと
訝しんだが
そうではない。
亡くなった父の汚名を晴らそうと
息子ルルが丹精込めて作り上げた鐘を
妹のミミが見ている前で
鐘楼に掲げるが 掲げる前には確かに
なっていた鐘が全く鳴らず
翌日ミミを残して
ルルは父のように湖に身を投げてしまう。
ミミはルルに会いたくて湖に通い、やがて
というのがざっくりした紹介。
全般アンデルセンの「雪の女王」を思わせる
美しい物語だった。
古式ゆかしい文体と
ゴスロリ風の現代的なイラストでは、
多少違和感を覚える人もいるかもしれないが
いや、それでも全般的にロマンティックで
美しかった。
ドグラマグラが久作の世界ではなかったんだ!と
安堵したのも束の間
不意に二作思い出した。
「死後の恋」と「瓶詰地獄」
「死後の恋」では1人の紳士によって語られるロシアを舞台にした幻想的な物語。時代背景がわかるとかなり面白く 恋物語でありながら 一筋縄ではいかない。「瓶詰地獄」はそうだなあ、 「ルルとミミ」からアンデルセン要素を抜いた感じ。ドグラマグラ的というか。好みは分かれるかもなぁ。
ルルとミミ → 瓶詰地獄 → 死後の恋 → ドグラマグラ
今回紹介した作品を、書かれた年代で並べるとアンデルセンぽく始まったにも関わらずドグラマグラに落ち着くというとどんどん毒気をはらんでいったというか、
なんかあったのかな、と終始感じてしまう。
夢野久作は6つくらいペンネームを持っていて
それぞれいろんな作品を書いている。
ただ、夢野久作🟰変態作家ではなく
ドグラマグラ以外はクセがありつつ
案外おもしろいかもよ、と、
紹介したい。幻想的で、奇々怪界な部分もあるけどね。
もしかしたらさ、立東舎の力かもだけど。
https://rittorsha.jp/s/otome/