書いてないから、やってない
本日も障害者雇用と発達障害について、管理者目線で考えていきたいと思います。
昭和世代からすると、「イマドキの若者は」みんなそうなのかもしれませんが、作業指示について「書いてないことはやらない」という現象があります。
これは障害者雇用に限らず、すべての作業指示者は意識しなければなりませんし、悩まれる方も多いとは思います。
また、文脈を読み取れないことが致命的に職務遂行に支障をきたしたことがきっかけで退職に至り、精神科に受診される方もいらっしゃいますので、作業指示を受ける側も認識しておいて損はないことです。
作業指示はどこまで出せるか?
はたして、作業指示はどこまでできるものでしょうか。
パターン別にまとめてみました。
1.すべての手順をマニュアル化
毎度同じことを繰り返し、例外のない作業の場合、すべての手順をマニュアル化することはできます。工場的なイメージになるかと思います。このような作業はすべての手順を定めて、そのとおりに行うことがよいでしょう。
少しでも例外がある場合は行動しないほうが吉です。
2.およそ手順化できるが例外がある
毎度くりかえされる月次処理のようなもののイメージです。これも手順化しやすいものですが、曜日のズレや特別な休暇休日によるイレギュラーが発生します。
このような作業は基本の手順を作成し、例外のパターンを洗い出して、例外の処理を整えておくと良いでしょう。
3.およそ手順化できるが例外があるのかもしれない
大体の仕事がここに当てはまるかと思いますが、これが一番難しいでしょう。基本的には手慣れた内容で進められますが、必ず例外が発生し、見落とさないことが必要です。
この仕事は、言われたとおりにやっていると「言われたことしかできないのか」と言われ、勝手にやると「勝手にやるな」と言われる分野でもあります。
また、ちゃんと確認しようとすると「自分で考えろ」と言われ、自分で考えこんでいると「考えてわかるもんじゃないから人に聞け」と言われる分野です。
そのようなことを繰り返し、線の引きどころを探りながら熟練していったのが昭和世代ですが、平成世代は指導の仕方を誤ると熟練前にGiveUpしてしまいます。
また、発達障害の中にはこのような曖昧さを苦手とする方は多いでしょう。
「そこまで書かないとダメなのか?」と思うこともありますが、そこまで書かないとダメなのです。
ただし、最近思うのは、ガチガチの作業指示の中に1か所曖昧なものを入れると動けないが、元から全般的に曖昧な作業指示だとできるという相対性もあるのかな、というところです。
4.大枠はあるが、おおむね手順化がしがたい業務
新規企画のような業務は手順化に向かないでしょう。電話対応や営業も手順化(仕組み化)できる内容もありますが、チャットボットにできない部分は手順化できないといってよいでしょう。
まとめ
手順に落とし込める業務というのは仕組みが整っているものです。
しかし、今日が昨日の延長とは限らないと言われて久しく、世界は今年、激動の変化の時を過ごしました。
管理者の立場としては「例外」をいかにコントロールできるか、メンバーの感性に任せっきりにしないようにしつつ、メンバーの感性を部分的に仕組みで賄えるようにすることが大事でしょう。
とか、そう思いました。