SNS時代を生きるためのモチベーション仮説
大学生時代の悶々とした時期に周りの人間の凄さとか、自分の未熟さとか、そういうことをよく悩んでいました。
でも結局、自分のなりたい自分に近づくためには未熟な自分を見つめて、努力を続けるという ごくごく当たり前な答えしかないことを思い知らされました。
私は面倒くさがり屋な人間で、頑張って努力を続けるという作業はできるなら避けて通りたいです。
だからずっと、どうやったら頑張らないで頑張ることができるのか?ということを考えていました。
このnoteは成功体験ではありません。まだ発展途上な自分のための思考の整理として言語化しました。
そもそも敵は天才じゃない
ツイッターやインスタグラム、今、SNSは日常の一つになっています。ただそのSNSの世界は影響力の大きい人が過度に目立っていて、まるで周りには天才しかいないように錯覚してしまいます。
無意識にも自分の未熟さと比較してしまいがちですが、SNSというのはいきなり無差別級世界大会に放り込まれるようなもので、あまりその人たちと比較することに意味はないと思います。
天才は1%未満しかいなくて、その氷山の一角がSNSで浮き彫りになっているだけです。世の中の物事は99%の一般人の中で動いていると思っています。私もその99%の一般人の一人です。
そうすると次に、じゃあ その99%の一般人の中でどうすれば輝くことができるかと考えてしまいますが、その99%の一般人も敵ではありません。なりたい自分に近づくためには理想の自分と今の自分の比較しかなく、成長というのは過去の自分と今の自分の比較しかありません。
で、なりたい自分に近づくためには、正しい方向で正しい努力を続けることしかないと思っています。少なくとも一般人の私たちは。
意志を持ち続ければ夢は叶うとか、そういう耳障りのいいことを言ってくれる方もたくさんいると思いますが、残念ながら現実は行動するしかないと思います。
そうなってくると多くの有識者が「習慣化しろ」と言いますが、簡単に習慣化できればみんなこんなことには悩んでいません。
それは習慣化するためのステップがとても難しい作業だからです。毎月のように新しい習慣関連の書籍が本屋の平台に並んでいます。それだけ需要がありつつも、達成が難しいのです。
では、努力が絶対条件の中でどうすれば負担にならない努力ができるかを考えた結果、モチベーションをコントロールできれば、自ずと結果まで作用するんじゃないか?という仮説を考えました。
結果というのは習慣から導かれ、習慣というのは行動の継続によって導かれ、行動というのはモチベーションから始まります。だからモチベーションを高く保つことによって自然と行動を促し、勝手に習慣化されて結果に結びつくのでは?と考えました。今に没頭することによって、将来を自動的に形成するということです。
好奇心は甘やかす
一番意識することは興味あるものはやってみる、または、興味あるものが浮かんだらすぐメモを取って やりたいことリストにストックしておき、時間ができた時にすぐ行動できるようにしておきます。
やりたいことリストに入れてる過程で、そんなにやりたいことじゃなかったかもと思ったら、削除します。あくまでその時の気分を大切にします。
興味を自分から探しにいかないようにしています。勝手に生まれるまで待つといった感じで、出来るだけ無理をしないようにします。
買い物とかもそうで、生活に支障がないレベルで買いたいものなら買うようにしています。その時に「買う理由がお金なら買うな、買わない理由がお金なら買え」ということをモットーにしています。過去の偉人はいい言葉残していて、これは真理ですね。
その前に健康と余裕と自己効力感
これが1段階目に意識することだとしたら、そのひとつ前の0段階目というものもあります。
好奇心というものは無限に湧いてくるように思われますが、それを生み出すためには3つの要素が必要です。
1つ目は健康です。
体調がだるいと、それをどうにかしなきゃというのに意識が割かれてしまうからです。これには十分な睡眠と、栄養バランスのとれた食事と、適度な運動を行うことによって保つことができると考えます。まぁこれに関しては十分な睡眠をとるだけでも大体解決する問題でもあったりするので、まずは早く寝るということをしてみるだけでもオススメです。
2つ目は余裕です。
人は余裕がなければないほど、精神的に不安定になって時間がないと感じてしまいます。時間がないから余裕がなくなるのではなく、余裕がないから焦りによって時間が少なく見えるのです。
余裕がないと感じている時はとりあえず深呼吸がオススメです。吸う息より吐く息を長めにするのがコツで、そうすると副交感神経が優位になって気持ちがリラックスしていきます。
お金の余裕がない時も同じように精神を不安定にしてしまいます。生きることができるだろうかという不安がつきまとうからです。使う予定はなくても生活に必要なお金 + 何かあった時の保険となる貯金を持っておくだけでも、精神的には安定していきます。
まずは自分の財産がどれくらいあるのか、家計簿をつけるなどして見える化するのが良いと思います。マネーフォワードなどの家計簿アプリを使うと、登録しておけば自動的に残額が反映され、クレジットカードでお支払いしていれば勝手に使用履歴が付くので、面倒くさくなくてとても便利です。
3つ目は自己効力感です。
よく似た言葉に自己肯定感というものがありますが、それとはちょっと違います。自己効力感というものは自分の行動によって何かを変えることができると思えることです。自己肯定感とは自分が自分のことを肯定できるか否かなので、自分の判断を根拠としており、自己肯定感が低い人ほどそれを改善することは難しいことだと思います。
ですが、自己効力感とは逆に客観的に判断できることなので意識しやすいです。例えば並べたドミノを人差し指で押すと、そのドミノは倒れていきます。綺麗に倒れるか、ぐちゃぐちゃに倒れるかはわかりませんが、とりあえず始めのドミノは倒れるはずです。
そのように結果の出来不出来はどうであれ、自分の行動は無力なものではなく、何かを変化させられる意味のある行動なのだという実感がつかめれば、それだけで行動するモチベーションを高めてくれます。何をやっても無駄だ、って思ってしまったらやる気が起きませんからね。
よし、これでモチベーション爆上げでなんでもできるぜ!と思ったら、ちょっと待ってください。
この0段階目、1段階目というものはあくまで原理を説明しただけにすぎない前提条件であり、本当に気をつけることはモチベーションを殺さないように心がけることです。モチベーションを上げることには限界があります。それだけではうまくいきません。この「SNS時代を生きるためのモチベーション仮説」の最も大切な戦略は、いかにモチベーションを殺さないようにするかを意識すること、これに尽きます。私が思うにモチベーションとは、ろうそくの灯火であり、これが燃え尽きないために全力で風(外的要因)や、バグ(内的要因)から守ることが大切だと思っています。
今回整理した結果、自分の中で気を付けていることが8つありました。もしかしたら増えるかもしれませんが、この8つが大切なことであることは変わりません。
モチベーションを殺さない8つの工夫
他人と比べてもしょうがない
他人と比べて自分が劣っていると感じてしまうと、それだけでモチベーションがガックリ下がってしまいます。冒頭でもお話ししたようにSNSが普及して、何かと他人の行動が可視化されて、いやでも比較してしまうことが増えているように感じます。ですが、結論から言って他人と比べてもしょうがないことだと私は思います。
それは同じ人間だとしても、自分と他人では生きてきた過程が全く違い、複雑にからまりあっている要素から成り立っているものなので、ある一面からの比較で一喜一憂してしまうのは無意味だと思うからです。
進化論の考え方で以前は環境によって有利な特徴に進化していったと言われていましたが、今では様々な要素を持った生き物がバラけて、たまたまその環境にマッチした特性を備えていた生き物が生存しただけ、といった考え方が今はベースになっているそうです。
それは人にも当てはまります。人にも有利な特徴、不利な特徴というものは社会や環境との接点によって生まれるもので、初めから有利だった、初めから不利だったというものは存在しません。今の人間社会では勉強ができるとか、コミュニケーションがうまく取れるとかが重視されていますので、それにマッチした特徴を持ってる人は有利に振る舞えるってだけで、別にその特徴を持ってない人は生きてはいけないとか、そういうのは全くないと思っています。ただ環境とマッチングしなかっただけです。だからあまり他人と比べてもそこまで一喜一憂する必要もないのかなと思います。
もし自分の特徴が活かされていないと思っていたら、自分が優位に振る舞える環境に身を移すのが良いのかなと思います。今の世界はとても多様化していて、いろんなコミュニティが存在しますので、いろんなコミュニティに片足を突っ込んでみると良いと思います。
例えば学生は学校という空間が世界の全てだと思いがちですが、それはあくまで一つの金魚鉢にしか過ぎず、地域のクラブ活動とか、インターネットのコミュニティとか、他にも色々な金魚鉢があったりするので、色んな所に片足を突っ込んで、その金魚鉢の居心地が悪くなったら他のところに移ればいいと思います。でも人は絶対評価ではなく相対評価で物事を判断していますので、何かと比較しないと自分の立ち位置が見えなくなることがあります。その時、真に比較すべきは要素が似ている過去の自分です。過去の自分と比べて今の自分がどれぐらい変わっているかというのは、その差がそのまま成長の差ということにもなります。そっちを比べるほうがモチベーションの維持という観点で有効です。
ボリューム感の把握とマス目の意識
やるべきことが明確化にされていないと、行動に不安がつきまとうため、なかなかやる気が起こりません。そのためにざっくりとしたゴールと、そこまでの道のりを細分化したすごろくのマス目のようなものをイメージします。
マラソンをイメージするとわかりやすいでしょう。目的地も、自分の居場所も分からなかったら、たとえ走る距離が同じでも、心理的にはしんどいです。自分の居場所が分かれば、ゴールに近づけば近づくほどモチベーションは高まっていきます。
そのために自分の走る道のりを明確にしておくことが大切です。
ただし目標はざっくりと設定した方がいいです。というのも人間は未来を見通す力があまりにも弱いので、多くの計画は思い通りに達成できないものです。計画が予定通り達成できないと、自己効力感を失ってしまいモチベーションが低下する恐れがあります。
そのために目標というものはある程度幅をきかせて、走ってる最中に調整できるようにしておきます。
あくまで自分のペースというものが大切です。過程を細分化してすごろくのマス目のようにイメージすることの良い点として、お買い物スタンプをためるような気持ちでタスクをこなすことができるからです。タスクをやればやるほどちょっと嬉しくなってきます。
前に進んでいる感を意識する
これはつまり自己効力感と同じような意味合いで、さっきの内容とかぶる部分もありますが、人は前進している感がないと無力感を感じ、やる気を失ってしまう生き物だからです。それはまるでハムスターが滑車でランニングをしているようなものです。
そのため、前に進んでる感をどれだけ実感できるかというのは最も大切なことの一つです。
そのために余裕を持った計画を立て、しっかり記録をつけると良いです。
余裕もって計画を立てるというのは先ほどもお話ししたように、人は計画を立てることが好きですが、それをリアルに落とし込むのがとても苦手だからです。計画の前後には十分な余裕をとることをお勧めします。
1日にあまり多くのことをやる必要はないです。それよりも1日に何ができたかの数を積み重ねることの方がモチベーションの維持として大切です。
私も確実にやりたいことをやるために余裕を持ったプランニングを心がけています。(それでもやはり計画の破綻というものは起きます。だいたい計画というものは万全な体調で、何にも邪魔されないという一種の理想状態を思い描いてしまうため、現実とのミスマッチが起きてしまうのです。私も日々反省しております(^^;; )
そして記録です。しっかり自分がやったことを、できれば客観的な数字を添えて記録をつけていくと、より前に進んでいる感を実感しやすいです。
お気に入りの道具を使う
これは当たり前の話で、好きな道具を使うとモチベーション上がるよねということです。嫌いなものを使うとモチベーションも効率も下がるよ、とも言い換えられます。ここはやはりお金をケチらず、自分に正直に欲しいもの使うと幸福度が高まります。
ご褒美でモチベーションをコントロールしてはいけない
例えば、〇〇できたらお菓子を食べる、〇〇できたら欲しかったものを買う、〇〇できたら何か報酬をもらえるというのは、いっときのモチベーション上昇を与えてくれますが、長い目で見るとモチベーションの低下を招きます。
もともと動機が「好奇心」から来ていたものから「ご褒美」に価値がシフトすると、途端に義務感や作業感が発生してしまうからです。
ある研究では、勉強が面白いと思ってやっていた被験者に、お金をあげるから続きもやってくれとお願いすると、その後の勉強のモチベーションが下がるというのがあります。報酬はあくまで好奇心を満たすことにとどめることがおすすめです。
失敗との付き合い方を考える
失敗というものは多くの学びを与えてくれますが、失敗し続けるとめっちゃモチベーションが下がります。終いには失敗を恐れて行動しなくなってしまいます。できることなら成功体験だけを積みたいものです。しかしそんなことは無理な話で、そこで失敗との付き合い方を考えます。
そもそも前提として完璧というものなど存在しません。実際失敗したと思っていても、それは95点くらいのものかもしれませんし、60点くらいのものかもしれません。私はどちらも成功と言っていいものだと思っています。大体のことは60点のギリギリセーフで全然OKだからです。
重要なのは小さく試すことです。一発即死を避けられればそれは全部OKなんです。
失敗が怖くて行動できない時もあるでしょう。そのような想定内のリスクを恐れないように、常にプランBを用意することをお勧めします。このプランBというものは、プランA、プランB、プランCと認識しても問題ないのですが、このBというのは「バックアップ」という意味です。
つまり複数の選択肢を常に持っておくことによって、1つがダメになってもまだ別の手段があるから大丈夫!と思えることによって、行動を止めないことができるのです。
ですから、常に何かをやり始める時には3つくらいのパターンをイメージして、確率の高そうなものから試していくと成功率はぐっと高まります。
では、ミスしてしまった時はどう対処すれば、なるべくモチベーションを落とさずに済むでしょうか。
まずは自分に優しくなることです。
人間というものは良くも悪くも自分を過大に評価しているものですので、失敗をした時も過大評価してしまいがちです。失敗に対して絶望した時、自分の友達が同じ状況だったらなんて声をかけるかを考えてみるのがオススメです。そうすることによって物事を客観的に見ることができ、きっと「そういうミスは誰にでもあることだから、そんなに落ち込むほどのことではないよ」と思うはずです。それを自分に言ってあげて良いのです。
また自分の失敗について客観的に見る方法として、恥ずかしい体験や、絶望した時にはその内容と、10点満点で点数をつけてスマホのメモとかにメモっておくのがオススメです。10点はもう死んでもいい、ってくらいで、1〜9点は死ぬほどのことじゃないけど…、といった具合です。点数はざっくりで大丈夫です。これは他人に見せません。自分だけが見る用ですので、赤裸々に書いてください。それをいくつもストックしておくと、今自分が失敗した時に過去の絶望体験と照らし合わせて、どのくらいの絶望なのかという判別がしやすくなります。昔のあの出来事に比べれば今日のミスはたいしたことじゃないかもしれないと思えれば、少しは絶望しなくて済みます。
他人の失敗はありがたく咀嚼する。
他人の失敗というものは自分のモチベーションを下げることなく、学びを得ることができます。これを利用しない手はありません。成功の要因とは複雑な要素が絡まり合って生まれるものなので、成功者と同じ行動をすれば成功できるかというと、そうでもないのですが、失敗に関しては原因がわかりやすいので応用しやすいです。未来の自分への備えと思って他人の失敗談はありがたく参考にしましょう。
飽きないために常に±5%の工夫をしてみる
モチベーションを下げる原因の1つとして「飽きる」というのが挙げられます。飽きると楽しくないですよね。それでモチベーションが下がるというわけです。それを回避するために続けている行動をちょっとずつ工夫することが必要になります。
大きく変えてしまうと結果も大きく変わって、成功しても失敗しても何が原因だったか分かりづらくなりますし、それは結果の不安定さにもつながってモチベーションが下がるかもしれないからです。ここでもやはり小さく試すということが重要になってきます。
取り組んでいることにストレスを感じたり嫌いになりそうだと感じたら、すぐ休む
これはモチベーションを殺さない上で最も大切なことです。いくら好きなことに取り組んでいても、それがずっと楽しいということはありません。どこかのタイミングで辛くなるということは多々あると思います。その時に一旦休むというのを最優先事項で行ってください。
モチベーションが低い状態でその作業をやり続けて、燃え尽きてしまったら、再度火を灯すことはとても難しいからです。
嫌いな作業を永続的にやらなければいけない状況だったら、お金を払ってでもそれが得意な人か、機械に代わってもらうことを考えた方が良いです。今の時代は本当にさまざまな便利家電がありますので、それをガンガン利用しちゃっていいと思います。掃除が嫌だったらルンバとか。
休む時はとりあえず十分な睡眠をとることは前提として、それ以外でも自分なりのストレスを解消する手段はたくさん持っておいた方が良いです。
そのような自分のストレス解消リストをコーピングレパートリーと呼びます。これはたくさんあればあるほどよくて、それは自分はストレスに対策する方法がたくさんあると思えることが不安の減少に作用するからです。
自分の場合だと
・カレーを食べる
・机の上を掃除する
・agraphのthe shader(好きな音楽)を聴く
・昼寝をする
・深呼吸をする
・コーヒーの香りを嗅ぐ
・ダークチョコレートを食べる
・友達と電話をする
・日光を浴びる
・無印良品に行く
・大型書店に行く
・ゲームをする
・休日の計画を立てる
・森林浴をする
・漫画を読む
・アニメを見る
・映画館に行く
・カフェモカを飲む
・ゆっくりお風呂につかる
・焚き火の音を聴く
などですね。ぜひ自分用のコーピングレパートリーを作ってみてください。
以上のことを意識してモチベーションの灯火を守ったら、後はモチベーションに従って生きるだけです。
最後にこの仮説の弱点を挙げるとしたら、急に結果が出たりしないという点と、苦手なところを改善しづらいという点が挙げられます。
これはあくまで行動の一歩手前をデザインするというところに重きを置いているため、長期的な行動の継続が必要だからです。結果までに時間がかかりますが、結局、小さな行動の積み重ねでしか将来の自分を形作れないと思うので、これが一番最短だと思います。
苦手なことはモチベーションが湧きづらいので、上達が先送りになってしまう点については、世の中にはたくさんの興味深いことがあって、それをやるだけでも時間が足りないような気がしているので、わざわざ嫌いなことに時間を割くのはもったいないし、効率も悪いので別によいのかなと思っています。
以上が大学生の悶々とした時期にずっと考えていた頑張らない頑張り方の仮説です。自分の考えていることを言語化したくて、今回noteに書いてみました。なので自分のために書いています。私は決して成功者ではないけれど、結構幸せを感じて生きているので戦略として悪くないのでは、と思っています。
共感してくださったらとても嬉しいです。