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中小企業退職共済とは?メリットとデメリットを解説


今回は、中小企業退職金共済についての記事です。


●中小企業退職金共済とは

中小企業退職金共済(以下、中退共)は、企業が従業員に対して退職金制度を提供するために加入する共済制度です。
中小企業を対象とした制度であり、従業員数が300人以下である企業が加入できます。ここでは、中退共のメリット・加入条件・掛金の仕組み・注意点について詳しく説明します。

メリット

  1. 安定的な退職金制度を確保できる 中退共に加入することで、従業員に対して安定的な退職金制度を提供することができます。共済組合が運用する掛金から将来的に従業員に退職金を給付することができます。

  2. 税制優遇措置がある 中退共に加入することで、法人税や所得税などの税制優遇措置を受けることができ非課税となります。

  3. 具体的には、掛金額に対して税金が控除される「掛金控除制度」や、退職金を受け取る際に税金が軽減される「退職所得控除」があります。

  4. 従業員のモチベーション向上につながる 中退共に加入することで、従業員のモチベーション向上につながることが期待できます。安定的な退職金制度があることで、従業員は安心して働くことができ、企業に対する忠誠心も高まるとされています。

  5. 労働者派遣法による規制緩和が見込まれる 労働者派遣法が改正され、2022年4月以降は派遣労働者に対しても退職金制度を設けることが義務付けられました。中退共に加入している場合、派遣労働者に対しても退職金制度を提供できるため、法律に適合した形で派遣労働者を活用することができます。

  6. 国の助成で事業主の負担が軽くなります。助成期間は加入後4カ月から1年間、国が助成してくれます。

【加入条件】

  • 一般業種  従業員数が300人以下または資本金・出資金3億円以下

  • 卸売業   従業員数が100人以下または資本金・出資金1億円以下

  • サービス業 従業員数が100人以下または資本金・出資金5千万円以下

  • 小売業   従業員数が 50人以下または資本金・出資金5千万円以下

従業員は全員加入ですが期間を定めて雇用される方や試用期間中・休職中などは加入させなくてもよい従業員となります。

【掛金の仕組み】

  • 企業が掛金を支払い、共済組合が運用する

  • 運用益によって掛金が増え、将来的には退職金として給付される

  • 掛金の金額は企業が自由に設定できるが、一定の基準に従う必要がある

【注意点】

中小企業退職金共済制度(中退共)に加入する際には、以下の点に注意が必要です。万が一共済組合が破綻した場合でも、法定保険機関が引き継ぎ、退職金の支払いが行われる仕組みがあります。

【まとめ】

福利厚生、ホワイト企業など企業に求められる内容は多岐にわたりますが従業員の為にと参考にしてみてください。ただし入社が2年未満などの退職者が多い場合は掛け捨てになってしまいます。一度掛金を決めてしまうと掛金を減額することも契約解除することも容易ではありません。解除時は全労働者の同意が必要で納付ができないと厚生労働大臣の認定も必要です。
導入時にはメリット・デメリットをよく吟味してください。

パンフレットによると
加入している従業員は363万人
運用資産額 5兆2,870億円です。