見出し画像

医療機関の承継悩み①

医師世代間問題

 
医療機関の承継は、一般の事業会社とは違い医業ならではの留意点があります。
 医業を継ぐ場合の後継者は基本は医師又歯科医師でなければならず、この点が一般の事業会社と異なるポイントです。

 親から子に承継する場合にも大きな問題となるケースが多いです。
 承継が行われる前から、子も独立して診療をしていることがほとんどですから、方向性や方針の違いが現れてしまいます。
 加えて、医療技術の進歩も見過ごせません。親の世代の医療知識や技術が子の世代とでは、20年以上のズレが生じ、治療の手法などが大きく変化しています。

事務方世代問題


もう一点が事務・経理などを行うスタッフの引継ぎ問題が発生します。
病院経営を運営する上では医療行為する医師の存在が必須であるため、組織上で立場も高くなります。そのため。医療行為が最も重視される反面、事務機能は軽視されてしまう傾向にあります。

結果、事務方の後継者問題や引継ぎを疎かにするケースも多くなります。
事例を上げれば、理事長・院長と事務長が二人三脚で病院を盛り立てて、理事長・院長が退任し、承継したが、事務長はそのままというケースです。
この場合、事務方が世代交代をしていないので、若い理事長・院長と価値観などが衝突し、運営に支障をきたしてしまいます。

このように、一言で承継と言っても、細かな気配りが求められ、引退を考えてから承継問題に取り組むのは非常に気力的にも大変です。
まだまだ、現役の時に先のことを見据えて承継問題に取り組むといいでしょう。