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フランス語能力テスト(TCF)受けてみた

1月23日、フランス語能力テストというものを受けてきました。
単に、自分の今のレベルを知りたい、という理由での受験。

感想は、一言で言うと、「よい経験になった」。
そして、「やっぱりフランスのフランス語は苦手だ」ということ。

ここでは、試験を受けた感想を備忘録的に書いておこうと思う。


TCF とは?

フランス語を勉強している人が、フランス語圏への移民や就職、就学のために、自分のフランス語力を証明するものとして受けるテスト。
正式名称は、Test de connaissance du français (略して TCF)。

16歳以上なら、フランス語レベルに関係なく、誰でも受けられる。
そのため、結果はスコア式(点数とA1〜C2の両方が表記される)。

TCF にも種類があって、カナダで受けられるものには
- TCF Canada(主にカナダ移民・市民権申請用)
- TCF Québec(主にケベック移民申請用)
- TCF Tout Public(フランス語圏への移民、就学、就職用)
の3つがある。

テストの内容や受け方、値段は、種類によって異なる。
ちなみに、似たテストに TEF というものもあるが、
TCF の方が値段が安かったので、こちらを受験することにした。

正式なテスト結果は、2週間後に届く。
コンピュータ試験の場合は、その場で結果を知ることもできる。

テストの振り返り:気づき・反省点

結果が届いた。ちなみに、私が受けたのは TCF Tout Public.

TCF Tout Public 結果

試験場は、モントリオールの語学学校みたいなところ。
はじめにスピーキングをやって、残りをコンピュータで受験。

Expression orale(スピーキング):15分

結果:B1。まじか!!思ったより良くてびっくり。

なんと、自己紹介でつまづいた。思い知る圧倒的な対策不足。
『自己紹介とか言われても・・・何が知りたい?!!』と個人的に捉えてしまい、こんなところでメンタルの不調が露呈した。苦笑

IELTS のときもそうだったが、テストと個人的な思惑を切り離すのが苦手。「これは言語表現能力を披露する場であって、私自身を主張・開示する場ではない!」という自己暗示が必要。

もう一つ痛感したのは、ボキャブラリーの少なさ。スピーキングはやっぱり語彙が豊富でないと、表現力が伸びない。
慣れの大事さと、語彙の大切さをただただ改めて痛感。

Compréhension orale(リスニング):25分

結果:A2。撃沈。予想通りではある(12月の模擬テストと同じ)。苦笑

原因は、標準フランス語アクセントへの不慣れ。これに尽きる。標準フランス語に触れる時間が圧倒的に少ないので、聞きなれていない(普段は、ケベックフランス語ばかり聞いている)。そうです、このテストのリスニングは標準フランス語なのです。

受験後しばらくしてから気づいたこと。
リスニングは「語句の切れ目」をきちんと把握できるかが大事。
この「語句の切れ目」は、イントネーションやリズムで脳がほぼ無意識に判断している。「ここでトーンが下がるということは、次に大事な情報が来るな」という風に、ある程度予測が立って、大事な点に集中できる。
でも、この「語句の切れ目」が把握できないと、どこが大事でどこからが補足的な情報なのかということが分からない。要点が分からないと、全部が大事と思ってしまい、一生懸命、全単語を一つ一つ追いかけようとする。
すると、「あれ、今、なんのトピックについて話してたんやっけ?」と全体像を見失う。そして、肝心な情報を聞き落す。笑

いやー、標準フランス語やとキーワードをしっかり聞き落してしまってるなーと思ってたよ。笑
抑揚のない標準フランス語だと、どこが語句の切れ目なのか、私にはじぇんじぇん分からんのだ。
とにかく、標準フランス語ももうちょっと聞いた方がいいなと思った。

Maîtrise des structures de la langue(文法・文章構造理解)

結果:C1。あり得ない。奇跡。まぐれ。
としか言いようがない。
ここは、付け焼刃の知識がなんとかなる領域でもある。
最近知った subjonctif の知識とかが役に立った・・・かもしれない。
まぐれすぎるので、考えても仕方ないと思っている。
とりあえず、自分の知らない文法を学び続けるに尽きる。

Compréhension écrite(リーディング)

結果:B2。妥当。納得。
制限時間ギリギリで全問終えた(文法と読解、あわせて1時間)。
テキスト自体は、そんなに難しいものではなかったと把握している。
やっぱりボキャブラリーと文法(フランス語っぽい言い回し・表現)が課題だなぁ、とつくづく思う。
英語ができるおかげで、読むとなんとなく分かる単語は、正直、多い(英語の上級単語の多くは、フランス語由来)。それでも、完全に理解できないということは、やっぱりそれだけ土台(文法・語彙)がないということだろうなぁ。

改善点・課題

満足してる部分
・読解は、分相応だと感じる。今まで通りの学習を続ける。
・文法は、まぐれ。とりあえず、今まで通りの学習を続ける。

改善・課題
・聴解は、まじ課題。特に、標準フランス語のリスニング要増量。
・全体的に、ボキャブラリーが足らない。あと、フランス語らしい言い回しも苦手。もっとフランス語テキストに触れて吸収する必要あり。
・スピーキングも、次回受けるとしたら、対策を練って練習しておくべき。感(勘)頼みではなく、的確な「言語表現能力」を伸ばす必要あり。

次に行動すると決めたコト

3月に TCF Québec を受けてリベンジじゃ!!!
TCF Québec のリスニングだけ受験する。聴解のスコアは、正味納得いってない。ケベコワ(ケベックフランス語)だったら、もうちょっとは分かる自信がある!!それでも同じスコアだったら、単に私のリスニングが低すぎるだけ。という事実確認も必要。現実を知って、受け止めるって大事。

リスニングの量を増やす!
どっちにしろ、リスニングがかなり弱いのは明らかだと思う。なので、とにかく、「ながら聞き」でよいので、量を増やす。具体的には、家事をしながら、お気に入りのアニメをフランス語吹き替えで流したり、仕事などの作業中にケベコワのポッドキャストを流す。
リスニングをたくさんすると、発音とスピーキングも伸びる(フランス語思考回路ができる)ので、これは継続したい。

話す機会を週2⇒週3以上に増やす
言語は、一度にたくさんやるよりも、少しでもいいので、毎日触れ続けた方が、習得率は高い。
ので、フランス語でコミュニケーションを取る日を少なくとも3日連続になるように、スケジュールを変更。
アウトプットは、正味、自分を追い込んでなんぼ。英語や日本語に「逃げる」という退路を断つことで、脳みそが頑張ってフランス語でなんとか言葉を絞り出そうとする。
最近、よく思うのは、「本気を出さないでいると、本気は出なくなる」。
今のMAX値を超えるには、常にMAXを出し続けている状態でないと、超えられないだろう。鬼滅の刃でいうところの「全集中の呼吸 常中」を使えるようになる、みたいな感じ。そして、「反復動作」でいつでも全力を出せるようにする、みたいな感じ。

課題もあるけど、進歩も実感

2023年夏の時点では、オンラインの簡易レベルチェックテストで、リスニングと文法はA2で、リーディングがB1だった・・・気がする。
そう思うと、進歩はしてるから、嬉しくもなった。
リスニングは、しかし・・・ 苦笑
待たれよ、リベンジ。

今回が初受験だったけれど、試験当日の手続きから案内、試験内容の指示までオールフランス語で乗り切れたことはだいぶ自信になった。
世界的に通じる分かりやすい結果で客観的に自分のレベルを知れたことも、自分のフランス語にある程度自信を持っていいんだな、と思えたし、「進歩している、努力は無駄になっていない」という証明にもなって、安心にもつながった。
やっぱり、自分のレベルや進歩を目で見て分かる形で知っておく、体感するというのは、言語学習を続ける上で大切だと思う。

フランス語を勉強し始めて、3年。
やっとモノになってきた、という実感が伴いつつある。

以上。長くなったけど、振り返り。備忘録もかねて。
どなたかのフランス語学習・テスト受験の参考になりましたら幸いです。

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