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movie 憐れみの3章

🎶Sweet Dreams (Are Made of this)  /  Eurythmics

支配と搾取。


終始、漠然とした不安に苛まれずっと息苦しく感じるのは
支配と搾取を嫌悪しながら、
切望する自由を得た途端の虚無感も知っているから。

第1章 The Death of R.M.F.
第2章 R.M.F. is Flying
第3章 R.M.F. Eats a Sandwich

それぞれのchapterで些細な役割?を果たす台詞もない人物 R.M.F.
バラバラに思えるchapterを通して観たとき、彼がstoryを一つに繋げていることに気づかされる仕掛けに感心する。

各chapterを観て、感じたままを書くとすれば
第1章 支配と搾取の共依存の顛末
第2章 服従に対する拒絶への絶望
第3章 絶対支配者への自己承認欲求
みたいな?
この寓話が導こうとしている本当の答えが何なのか正直よくわからない。
答えを求める必要はない気もする。
今の自分の心のありようや、誰に視点を向けるかによって違ってくるのかもね?
知らんけど。

その旋律が、常に不安を煽るような音も
悪意、欲望、偏愛…登場人物たちが赤裸々に見せる人間の醜悪さが
滑稽に思えてくる様も
考察を観る側に委ねるstoryも
悪趣味でgrotesqueな世界観の全てに惹き込まれる。
息苦しさを感じていたのに、席を立つ時には
ニヤニヤしながら「ヘンなの…」と独りごちてた。

Yorgos Lanthimos 特に好きではないのに
変な監督の変な映画の変な世界の変にまたハマってしまった。
長尺だけど、体感はさほど長くない。
良し悪し、好き嫌い、愉快不愉快、面白いつまらない、
そんな物差しでは測れない知らんけどな世界。
観るならやはり劇場がお薦めかな?知らんけど。

最後に
支配は歪な優しさ 『Kinds of Kindness
歪な優しさに依存することでしかidentityを保てない人のお話 『憐れみの3章
原題と邦題、titlemはどちらも秀逸。

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