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モンゴル遊牧民の恋愛話:ベルの父と母の出会い
毎日投稿すると決めたのに、旅行中で1日欠かせてしまいました。悔しい。
さて、前回は母の話を書いたので、今回は父と母の出会いについて書きたいと思います。
父は詩を書くのが好きです。
モンゴルでは詩は身近な存在。筆者も小さい頃から詩を暗記したり、自分で書いてみたりしました。詩の大会に出たこともあります。Уран жиргээ(ウランジルゲー)は他人が書いた詩や小説を暗記して朗読する大会のこと。Хүрэл тулга(フレルトルガ)は自分で詩を作ってみんなの前で披露する大会のこと。だいたいこの二つは同じタイミングで開催されますが、両方に出ることができるので、2つとも出ては失敗していました。
父の話に戻ります。父が最近SNSに一つ詩を載せていたので、てっきりその日が結婚記念日だと思ったのです。ちなみに、モンゴル人はSNS(父世代はフェイスブック)をよく使っており、奥さんへの思いなども恥ずかしがらず載せますね。戻りまして。母にフェイスブックに詩を投稿した日が結婚記念日かを確認すると「違う。お父さんが田舎のお祭りで私を初めて見た日らしい」とのこと。なんと、父は母に一目惚れしたのでした。
父と母の実家は遊牧民。お互い2つ山を超える程度の距離。母は8人兄弟の5人目。父は5人兄弟の2人目。母は私学校を中退したので、二人は学校で出会うことはなかった。出会ったのは父が兵役から帰ってきた夏祭りОвооны баяр。母を見かけて周りを確認したら、同じ軍隊に行っていた仲間が母の兄だったことが分かり、母の実家に通う理由を作れたという。そして、その日に書いた詩がSNSに投稿した詩でした。
それから父は毎日、馬に乗って、山を越えて、母の家に通い続けた。1年付き合った後、二人は結婚。母に父のどこが良かったのかを聞くと、「お父さん(私のおじいちゃん)がうちに来る男の子を大抵嫌った。直接は言われないけれど、この人は良くないというのが伝わっていた。でもあなたの父に関してはとても良い評価だった。だからだ」と。
自分より人生経験が長いのだから両親の言うことを聞く、と言うのが当時の母のポリシーだった。それも納得がいく。学校行っていないから他に言うことを聞くような相手も友達もいなかったのだろう。
お祭りで父が母のことを見かけて、恋に落ちなかったら二人は出会うことも無かったかも、、、と思うと運命を感じてしまいます。そんな素敵な出会いから生まれ育った私はうんめいのうの字もない毎日を過ごしているという。情けない。私は何のためにnoteを書いているのかしら。悲惨になるだけだ。