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ぼくのこえ、きみのうた

この記事は、2023年2月3日(金)にアメブロに掲載した記事を転載したものです。

年が明けた2023年1月下旬、僕は勤務地していた店舗が変わり、異動となった。


とはいえ同じ名古屋市内だし転居が無いのが幸いではある。

ただ、弊社は小売ではあるけど店舗ごとに全く異なる形態をしていると言っても過言ではない会社なので、詳細は言えないけど実質的にはアルバイトと同じようなことから始めなければならない。


2018年初頭に入社した前職のホテルも、1年ごとに愛知豊川→愛知豊橋→愛知知多→福岡北九州…と転勤をしていた。

それでもやってることは店舗で大差ないからまだよかった気がする。

だけどそのたびに人間関係はリセットされる。結構しんどい。


異動は苦ではなかったけど、さすがに5年も連続で異動(1回は転職)して場合によっては転居もしていると、さすがに疲れてくる。


僕は今、そんな中に居る。ようやく新しい異動先にも少し慣れてきたところだ。



2022年末、色々なことがあった。

色々ありすぎて、正直既にもう記憶があいまいになっている。

だから記録しておいてよかったと今思っている。


↓その色々あったこと



年が明けて1月 、僕はフクフェスのために香川に行き、完全に燃え尽きてしまった。

なんというか、フクフェスで見た各グループのライブがすごく良くて、STUのライブに魅力を感じにくくなってしまった。


と言いながら、その後手羽先センセーションさんとかのライブに行ったわけではない。
名古屋なのでチャンスはもちろん結構あったけど。

強いて言うなら、楽曲が好みすぎるPayrin’sさんを、あれからひたすら聴き続けている。


そして昔通っていたライブアイドルで感じていたような、あの頃のライブハウスの熱いフロアが懐かしくなってしまい、もはや着席しながら真顔でペンライトを振るだけのライブに行くのもなんだかな…と思い始めてしまった。


瀬戸内PR部隊のライブがフクフェスの翌週にあったけど、別段興味も湧かず、逆にカバー曲に文句をつけだし始めた。

ヲタクはこうなると始末が悪い。


あと年末に実家に帰り、プライベート的な部分で思うことも色々あった。

結婚しろって言われたとか、そういうんじゃない。だけど人生このままでいいのかな…と思うこともそりゃもちろんある。


推しメンこと原田清花さんはSHOWROOMを頑張っていた。それはそれでいい。

ただ、僕は元来SHOWROOMが嫌いだった。

推しメンが一方的に話すだけならいいけど、ヲタクが作り出す空気感が本当に嫌いだった。


「あ、もう潮時なのかな」


ラグーナテンボスで初めてSTUを見たあの日から、5年が経った。

もういいかな、と思った。


そもそも僕はそんなに大したヲタクではない。

シフト制だから、月ごとの休日希望申請には上限がある。

それをお話し会に全振りすると、肝心のライブや公演が見れなくなる。

ライブや公演を見に行けたとしても、お話し会はスケジュールが組めなくて参加しづらくなる。

でも、ライブや公演は予定が出るのが基本的に遅い。

シフトが出てから、ようやく行けそうなところだけ行く。


そして異動先の店舗は、夏季繁忙期は延長営業のうえめちゃくちゃ忙しいらしい。

仕事があっても夜の部だけお話し会申し込んでおく、ということもできなくなってしまった。


ライブにも行けない。お話し会も行けない。

最近は色々出費も嵩んでしまい、決して安くない費用で遠征をしているのに、頻度が更に下がる。



あれ? だったら、手羽先センセーションさんとか近場のアイドルで済ませておけば一番コスパいいんじゃね?

しかも手羽先センセーションさんのメンバーのひとりが、昔通ってたグループの推しだったのをフクフェスの後で知った。
(ここはすごく推してたグループとは違うとこだけど)

そんなん通うしかないやん。


STUに通ってる間、外部にアンテナを張って情報を収集することもできてなかった。

視野が狭くなってた。


7年ほど前、僕の持てる全てを注ぎ込んだアイドルが居た。

最初、僕はのれんをくぐっただけのつもりだったのに、いつの間にかそこの常連になっていた。


本当のところ、のれんをくぐってちょっと酒を飲んで、さくっと楽しんで帰れれば良かった。

どうせ別れは来るのだから、入り浸っても後でつらくなるだけだと。

だからもうそのスタイルに戻れば、そんなめんどくさい思いもしなくなる。



今日のオンラインチェキ会も、予約はしたけど、どうせ仕事だろうしSHOWROOMは別に見れなくてもいいやと思って、スケジュールも確認しないで予約した。


今日は休日だった。

僕は18時から、延々とチェキにサインを書き続ける推しメンを眺めながら、自分の番を待っていた。

おまいつが無関係なところでも平気でコメントしてしゃしゃりでてくるので、正直しんどかった。

それとおまいつとの思い出語りをする推しメンを見てるのもしんどかった。

ああ、結局土日休みの地元のヲタクがお話し会でたくさん買って話してそれで大勝利なんでしょ、はいはい良かったねおめでとう、〇ねよクソが、って感じで荒んでた。



僕の番がやってきた。

僕は正直そんなにお話し会も買ってないし、大したことも話してない。

どうせ思い出話なんて話すこともないんだろうな、何を話すのかな、どうせ自分がみじめになるだけなんだろうな…と思ってた。


推しメンは、年末に僕がサブ垢のプラメ返信で送った長文のことを話し始めた。


これとか。


これとか。


僕は、正直予想していなかった。

たぶん旅行先の鳥取からお話し会参加したこととか、よく職場からお話し会参加してることとか、そんな他愛もない話に終始するんだろうなとか思っていた。

予想してなさすぎて震えた。


ちゃんと読んでくれてたのも嬉しかったし、推しメンがそれに心を動かされていたことがもっと嬉しかった。

と同時に、こっぱずかしかった。


ああ、僕の声はちゃんと届いていたんだ。

手紙やSNSで一方通行にしか思ったことを伝えられないような、しょうもない弱いヲタクの恥ずかしい言葉たちを、受け止めてくれていたんだ。

僕は嬉しさと、今僕が少し距離を置こうとしていた罪悪感と、やっぱり恥ずかしさと、いくつかの複雑な気持ちを持ちながらも、やっぱり嬉しかった。


気づいていたのか、気づかないふりをしていたのか。

いつの間にか僕は、昔のようにどっぷりとまた浸かっていた。

昔みたいに全てを注ぎ込む、とまではいかないけど、それなりの時間とお金を推しメンに使っていた。


それなのに僕は、最後まで見守ることを放棄する選択肢を考えてしまっていた。

そんな選択肢は、どこにもなかった。


僕は推しメンを最後まで見守る以外の選択肢を持ち合わせていなかった。



ヲタクというのは、本当に自分勝手だ。

推しメンが居なくなった時のことを考えて、リスクヘッジで他のメンバーやグループもチェックするとか、何の言い訳なんだろうか。


アイドルはいつだって待つしかない。

だから、ヲタクはいつだって会いに行くしかないじゃないか。


頻度とか、やり方とか、そういうのは関係ない。

他のヲタクと比べる必要なんてどこにもない。

なんで比べてしまうのか、何で自分は大したことないヲタクだなんて決めつけてしまうのか。

ヲタクは誰だってただのヲタクなんだから、何も気にすることなんかないじゃないか。


ヲタクというのは、本当に自分勝手だ。

推しメンが居てくれるだけでいいのに、いつも自分のことばかり考えている。

本当にどうしようもない人種だ。


推しメンが居てくれたから、推しメンがステージで歌って踊ってくれてたから、今の僕は僕であり続けている。

僕が今ここに居るのは、推しメンこと原田清花さんのおかげだ。


僕はまた瀬戸内に行く。ライブに行く。お話し会に参加する。

できる範囲で、自分のできることをして、応援する。それでいいじゃないか。


推しメンが、アイドル人生を全うできるように。楽しく健やかにアイドルできるように。

ただただ、それを願うばかり。


"僕は、これからも君の歌を聴いていたい。

君の声を聴いていたい。"



(了)


【追記】

後から読み返すと死ぬほど恥ずかしいやつ。

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