地方からの発信!地方の文化事業を盛り上げる!
■アーティストの発掘
日本は、なかなかプロとアマチュアの線引きが難しいかもしれないが、
どちらにせよ豊かな才能の発掘は必要に思う。私は大学時代に時期をずれて
両親を亡くしたから思うが、文化、芸術やスポーツにせよ何事も、
学ぶ為の学費や、必需品の経費や何かを挑戦するにもお金がかかる。
才能があってもこれらの事で諦めた人達は、いつの時代もたくさんいる
だろうし、コロナ禍の今は急増している様に感じる。
日本のクラシック音楽家にせよ、それを志す人達にせよ、
親やパートナーに守られ、ある程度の環境を守られている人達が
多いので、欧米に比べて、言葉として死語なのかもしれないが、
ハングリー精神のある人達が少ない気がする。やはり、東ヨーロッパ、
バルカン半島、南米、ロシアの田舎町から音楽家を目指す人達は、
何か家族を背負ってや、国を背負っている感じを受ける。
そういうアーティストとしての生きざまの本気さが
人に訴えかけるものに繋がると私は思う。
それは、国際コンクールでの世界本選などでよく感じた事である。
そして、音楽的表現や芸術的表現が得意でも、
アーティストは、人とのコミュニケーションが得意では無い人達が
多いので、プロデューサー的な存在が大切だし、
プロデューサーのアンテナの張り方で、生み出せるものも
変わっていく様に思う。
■企業の文化事業への支援
かつて企業は、メセナとして文化事業への支援を
行ってきた。しかし、2011年の東日本大震災以降、
メセナからエコに企業がシフトし、昨年からのコロナ禍で
企業の文化、芸術、スポーツへの支援も厳しい時代に突入したと
思う。私は、大学を卒業してから今日まで、フリーランスの歌手として
生きてきて、特に20代の頃は、フリーランスのアーティストとして
どこまで行けるのだろうを挑戦しながら気付けばもう46歳になって
しまったという(笑)
2006年~2010年までの私プロデュースのリサイタルも
応援してもらってきた。また、震災などで被災地でコンサートを
する時は、カンパを募り経費を集め実施してきた!
だから、コロナ禍での公演の行政などの支援の在り方をみると、
物凄く安く見積もられている気がするのと、そのラインだと
自分のネットワークでできるなあと思ってしまう。
2021年12月現在のコロナ禍の減少状況だと
気兼ねなく自主企画もできるが、自主企画の場合、
コロナ対策に限界があると私は思ってしまう。通常より
スタッフの数が多く必要であるので。
クラシックの歴史を見ても宮廷や貴族、パトロンが
その国の文化、芸術を支え、アーティストを支えてきた。
都市部、地方とも規模に関わらず、企業の支援を取り付ける
努力は必要に思う。単なる興行という視点だけでは、
文化、芸術、アーティストは育たない。
■教育委員会音楽振興アドヴァイザー
故郷の香川県にある町の坂出市の
教育委員会音楽振興アドヴァイザーとして、
坂出市民美術館コンサートの企画を文化振興課の
人達と作り上げてきた。私が最初にコンサートをお願い
されたのは2017年で、それ以降、音楽振興アドヴァイザーとして
関り、この5年で今年を入れて私も3回コンサートに
関わらせてもらった。
2020年10月坂出市民美術館でリサイタルした模様を、
Youtubeチャンネル『ちゃんねるたけし道』でアップしたもの。
■坂出市民美術館コンサート
コロナ禍前は70席ほどいれていたが、
昨年、今年と30席と関係者という規模は半分になっている。
行政や財団が主催の場合は、通常のコンサートでは考えられない
破格の値段で開催される事が多い。
このコンサートの出演者として大切にしているのは、
坂出市在住、坂出市出身のアーティスト
坂出高校音楽科卒など坂出の高校出身者
香川県在住、香川県出身者
というのを大切にし盛り上げていければなあと考えている。
地元の人達や県内の人達が、何らか香川県の人達で
アーティストを育んでもらったり、楽しんでもらいたい。
日本大学芸術学部を卒業し地元香川県を拠点に活動するピアニストの
和也くん。若い人達がもっともっと精力的に取り組んで欲しいと
願っている。
■坂出市長表敬訪問
坂出市は、今年6月に市長選挙があり、新しい市長となった。
行政や財団は、トップによって文化事業への取り組みが大きく左右される。
この日も有意義な意見交換ができた。
選挙公約で公園の利用の在り方も掲げられたらしく、
コロナ禍に特に野外でアーティストに使える場所を
提供して欲しい話をした。行政の人も忙しいので、
表敬訪問や面会が難しい場合もあると思うが、自分達の地元や
関わっている街で何かをやる時に、音楽家自ら出向き、
こういうのをやりますと挨拶していくことも色々な始まりに思う。
音楽家の歴史をきちんと学べば分かる。バッハの時代も、
モーツァルトの時代も、かつての音楽家達も、文化、芸術の為に
行動しているから。テレマンだって、ドイツのハンブルクで市民の
芸術活動に携わったり、いつの時代も工夫をして生きているから。
■コンサートの広報
いきなり集客に繋がらなくとも、こういう事をしていると
知ってもらう為の広報活動は大切である!
行政主催だと市の広報に掲載してくれたりもする。
また、私の場合、多くの知り合いの飲食店やお店にチラシを貼って
もらったり、置いてもらう協力をしてもらっている。
ヨーロッパの歴史に置いてもコーヒーハウスは、芸術家を
支える人達と出会う場所だったが、私も今の時代もそうやってカフェや
飲食店で人の紹介を受ける事が多い。
地元のKBNがコンサートの模様を放送してくれていたとのこと。
地元メディアの後押しはとても嬉しい!来れなかった人達もこういう事を
やっているのかと知ってもらえるので。
また、読売新聞も記事にしてくれた。
東日本大震災のチャリティーコンサートを
震災から2週間後にした、ただ気持ちだけで募金を集める為にした
コンサートの時も記事にしてくれた記者だった。
SNSで告知しかしていないコンサートをどうやって
大手の記者が嗅ぎつけて来てくれたのだろうと思ったのを
覚えている。
こういう記事は、アーティストというより、
坂出市民美術館という箱のファンがついたり、
文化振興課企画のファンがついていくと、
アーティストのキャリアに関係無く会場がいつも埋まる
コンサートになると思う。
嬉しい事に、私が関わったこの5年間、小さなサロンコンサートでは
あるが完売しているし、私のコンサートも全て当日完売したし、
今年は、共演者の2人もベテランとあって、25分でチケットが
完売した。
クラシックのコンサートのチケットは、
いつでも買えると地方では思われがちと思っていたので
早く買わないと売り切れるを知ってもらえたと思う。
ただ、あまりに早く完売すると、仕事がある人達が
予約できないので、悩みは多い。
■坂出市民ホールの再開
1度閉館した坂出市民ホールが改修工事を経て、
2022年2月から一般利用が開始する。
再始動する坂出市民ホールの事が坂出市の広報にも大きく取り上げられた
とのこと。
また、坂出市美術館コンサートの事も坂出市広報に記事が掲載。
1つ1つ丁寧に文化事業が進んでいくと嬉しく思う。
■市民ホールのピアノ選定
11月末にスタインウェイ・ジャパン本社にて、市民ホールの
ピアノ選定に、文化振興課職員、高松ピアノ工房社長、私、
高校の同級生で埼玉で音楽教室をしているピアニストに
アシスタントして同行してもらった。
高松ピアノ工房社長、私、高校の同級生と、
良いと思ったスタインウェイのピアノが一致しピアノ選定が
無事に終わった。
私も若い時から色々な投げかけをしてきたが、
最初から相手にされてきた訳ではない!
自ら色々な投げかけを多方面にしていけば、すぐでなくても
物事は動き出す様に思う。勿論、想像以上に時間がかかる事の方が
多いかもしれない。
どういう事も、例え小さくとも記事となり、人に伝わっていくという事は
大切な作業の1つに思う。今や取り上げてくれなくとも自分達の発信が
人に届く時代でもあり、昔に比べてやりようは、色々あると思う。
このnoeの他の記事にも参考になればと思う。
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