広告制作会社のこと、ぜんぶ話します⑤
宣伝会議コピーライター講座「上級コース」のこと。
宣伝会議のコピーライター養成講座「基礎コース」については、前回語ったように、第一線で活躍するコピーライターのクリエイティブな視点が、大変面白かった。だから「基礎コース」に通った後に、すぐに上級コースにも通うことにした。
ここでは、25人程度の生徒数で、講師も3人と、集中的に、しかもより実践的な講義が受けれらた。さらに、同じ生徒となる人達は、すでに制作会社でコピーライターをしている人や、代理店で営業をしている人など、僕の憧れの職業に就いている人ばかりで、毎回の課題のレベルも高く、僕は、なかなか上位に食い込めなかった。悔しいという感情と同時に、「社会人ってすげー」なんて、呑気なことを思っていた記憶もある。
そして講義はもちろん楽しかったのだけれど、講義終わりに開催される生徒同士の飲み会がサイコーだった。なんせ僕は世間知らずの大学生。一方、他の生徒は酸いもあまいも経験している社会人。彼らの話が、当時は本当に刺激的だった。
「Aくん(僕のこと)は本当にコピーライターを目指してるの?それなら制作会社は辞めた方がいいよ。大変だから」
「制作会社は、宣伝会議の講座みたいに面白いコピーばかり考えられないよ。細かい仕事ばかり」
「できれば代理店に就職して、クリエイティブの転局試験を受けた方がいいね」
「この間、〇〇(クライアント名)と仕事したんだけど、あそこは本当に面倒臭いね。消耗しまくった」
などなど。ネガティブな話が結構多かったんだけど(もちろんポティブな話題も下衆な話もたくさんありました)、大学生の僕にとっては、そんな愚痴もなんだか格好良く感じてしまい、ますますコピーライターへの憧れを募らせていったのであった。
今考えると、当時の先輩方の意見をしっかりと汲み取って、判断し、コピーライターへの憧れを早々に捨てるべきだったのだと思う。けれどそんな判断をできるはずもなく、僕はコピーライターを一直線に目指して就職活動を始めることになる。
次回は、シューカツについてお話します。
(なかなか制作会社の実情に迫れなくてすみませんw)