#3 好きな人
↑この記事の内容は、音声でも配信しています↑
こんにちは、toracoです。
三日目の今日は、どんなお話をしよう?
会社で仕事をしながら、そんなことばかり考えていました(笑)
で、思いつきました。
そうだ、彼女の話をしよう!
今まで出会ってきた人たちの中で、この人と出会えたことで私自身が成長できたと思える人が数人います。
その数人の中でも一番に思い浮かぶのが、彼女、柳沢さんです。
嫉妬
当時の私は入社3年目の契約社員。
気心知れた同僚が多いため人見知りもさほど発症していなく、結構言いたいことを言えていた時期でした。
人事異動の季節。
私の直属の上司も別の部署に異動することが決まり、代わりにやってくるのは柳沢さん。
彼女は私が入社するより以前に海外留学するという理由で退職し、最近日本に帰ってきて復帰したばかりでした。
正直、私は柳沢さんに嫉妬していました。
だって私は、入社3年後に正社員登用ありの求人情報を信じて契約社員として入社し、もうすぐ丸3年。
安い時給で必死に丸3年経つのを指折り数えて待っているのに、出戻りはいきなり正社員で、しかもいきなり役職付き?
なにそれ、信じらんなーい!
言葉にはしなかったけど、そんな気持ちでいっぱいだったんです。
大嫌いな人
それまでの上司はいい意味でユルくて、めちゃめちゃ大らかで、私より年下だけどお母さん的な包容力を感じる優しい人でした。
だからとても伸び伸びと仕事させてもらってた感があって
『もし何か問題起きても助けてもらえばいっかー』
なんて気持ちで仕事していた私。
でも新たな上司、柳沢さんは正反対の人でした。
他人にも自分にも厳しく規則や規律はしっかり守り、そこにいるだけで職場の空気がピリッとするんです。
何か問題が起きたら、報告・連絡・相談は必ずすること。
でもできる限り自力でなんとかしなさい。
努力してもどうしてもダメだったときは、私が責任もって対処します。
そんな、感じの人でした。
だから何を言っても説得力あるし、言ってることは全て正しい。
誰も柳沢さんには盾突けなかったんです。
でも当時の私は気が強かったー。
いつも自信満々な柳沢さんのことが、すごくすごーーく鼻についていたんです。
はいはい、確かにアンタが言ってることは正しいよ。
正しすぎて、逃げ道ぜ〜んぶ塞がれるわ!
そんな気持ちが抑えきれないのと前述の嫉妬心もプラスされて、彼女とは何度も喧嘩しました。
でもその度に打ちのめされる私…。
「その考え、建設的じゃないよね」
「なんかさー、さっきから言い訳ばっかじゃん」
「で、結局何が言いたいの?」
柳沢さんが発する正論に、吠えたはいいけど結局は何も言い返せず伝えたいことの半分も伝えられず撃沈するのでした。
ほんと、彼女のことは大・大・大っ嫌いだったんです。
そんな私がその後柳沢さんの言葉に影響される日が来るとは、当時は一ミリも思っていませんでした。
気付かされた言葉
仕事となると厳しすぎる柳沢さんでしたが、仕事以外では別人。
お昼休みなどの団欒の時間には、率先して楽しい話題を振りまき、明るくよく笑うんです。
ついさっきまで頭ごなしに叱っていた新人にも何もなかったかのように話しかけ、仁王立ちで楯突いていた上司とも実は仲良しだったり。
本当にサバサバして後腐れのない人。
そんな人だから、よく喧嘩をふっかける私でも普段は笑顔で話ができるようになっていました。
ある日私は席が近い同僚たちと、やれ給料が安いだの〜やれ人使いが荒いだの〜と、会社に対する不満をネタに盛り上がっていました。
柳沢さんもたまに「そうだよねー」とか「わかるー」とか言いながら、ニコニコと私たちの話を聞いていたのですが…
「でもさー、そういう会社でしか働けないのは自分の責任だよね?」
「給料安くて人使い荒いって思ってても、ほかに行くとこないからここで働いてんじゃん?」
「今ここにいることは自分の意志で、自分で決めてるんだよ」
「だったら仕方なくない?」
と言い放ったのです。
その言葉を聞いて、一瞬そこにいた全員がハッとなりました。
「っていう私も、ほかに行くとこなくて出戻ってきちゃったんだけどねー」
そう言って笑う柳沢さんに一瞬凍った空気はすぐに和んだけど、私の心には
「自分の責任だよね」
という言葉がしっかりと刻み付けられました。
そ…そうだよね、今の状況は全部私が私の責任で作った状況なんだ。
不満があるなら自分が変われってことだよね…。
そう反省するのと同時に
それにしても、あんなこと堂々と言えてしまう柳沢さんて本当にすごい!
下手したら、ここにいる全員を敵に回してたかもしれないのに…
と、自分の意見をハッキリ言える柳沢さんのことが好きになり始めていたんです。
気づいたこと
人は今自分が直面している環境に、多少なりとも不平不満を持ちがちです。
そして、その不平不満を誰かまたは何かのせいにしようとします。
でもそうじゃないんですよね。
今の私は、過去の私がいくつもの選択をしてきた結果。
別に誰かの命令に従っているわけじゃなく、私自身が決めていること。
だから今の状況を変えたいのなら、誰かや何かに不平不満を言う前に自分が動かなきゃ!
私がこんなふうに意識を変えられたのは、他の誰でもない柳沢さんのおかげです。
それでもやっぱり、どんな環境にいても不平不満は生まれます。
そんなときは、まずその環境から抜け出すために自分が行動する!
それが一番です。
こんな大切なことに気づかせてくれた柳沢さん、もっと一緒に仕事がしたかったなー。
そして…
その後わりとすぐに、柳沢さんは再び退職してしまいます。
その理由が、これまた私の心を鷲掴みにして今でも離しません。
もう少しお話を続けたいところですが、ちょっと長くなってきたので一旦ここで終わりにします。
柳沢さんの退職理由と現在の彼女のことについては、また別の機会にお話ししたいと思います^^
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、また明日♫
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?