中国でのJK制服ブームと上海コミケでの炎上事件
以前に中国のZ世代若者の「漢服ブーム」(漢民族の伝統服装)を紹介しました。それ以外にもここ数年のサブカルチャー服装ブームで、ロリータの洋服や女子高生の制服などが流行ってます。町中でも時々見かけます。
日本のみなさんにとっては、JK制服の女子を見かけることは普通ですね。しかし中国での事情は違います。
まず、中国でJK制服を着る人はほとんどJKではないです。「サブカルチャー、何を着るかは個人の自由」を主張し、20代後半の人も着ています。
これについて、日本の感覚ではなかなか理解できない時期もありましたが、中国のカルチャーを理解するとなんとなくその心理が少しわかるようになりました。まず、中国の学校の制服はジャージでダサいものが多いです。
(現在は改善されたところもありますが、だいたいはこんな感じ↓)
体育の授業のためではなく、日常的にこれを着るんです。
↑可愛い子でも、このダサいジャージで通学してます。
このような理由から、一つの説としては、JK制服にハマってる人の中には青春時代の心の中に欠ける部分を成人になってから追いかけたい気分で着ている人がいるということです。
さらに、AKB48、学園アニメ、韓国のアイドル選抜番組などに制服の要素がたくさん入っていて、これを見た人の中で「いいな」と憧れて着始める人が増えてるそうです。もちろん単純に服が可愛くて着る人もいるとは思いますが。
↑プロデュース101の中国バージョン。テンセントが韓国番組のフォーマットを購入して作った人気番組
また、もう一つの大きな理由はAV。日本からの学園系AVの影響で、制服プレイしたいから着る人もいます、AVの場合は成人が着てますよね。なので日本のJK制服を知る人は、多分顔と服の不一致にそんなに違和感を感じない。
このような経緯から、他の理由でJK制服にハマった人や中国の一般人の理解とは認識のズレがあります。
そして、先週末に行われた上海でのコミケ(中国ではすでにコミケができるようになりました)の「コミックカップ26」では、JK制服を巡って事件が起きました。
コミケ会場にJK制服を着る可愛い子がいて、自然と撮影会となりました。
↑真正面から撮影されたものはいい感じのショットですが、別の角度ではすごくサービスポーズに↓
(真後ろから撮られた画像もありましたが、このnoteでは自粛します。)
しばらく経ったら別の女性が「あなたのように公共の場で下品なことをする人がいるからJK制服好きな人は変な目で見られるのよ」と怒鳴って、セキリュティを呼びトラブルに。
一方、真後ろで写真を撮ってた人はWeiboに画像をアップ、そしてJK制服を着る女性を批判し始めました。
そして制服を着ていた子は「運動用のパンツを履いてます、でも正面からの撮影に集中していて不注意でした」と謝罪。
これがネットで炎上になりました。みんなの意見が面白いのでそれぞれの主張を抜粋すると
・この女性は明らかに卑猥なことを連想させるポーズで下品、水商売を狙ってるのでは?
・コミケなら他にももっと露出の多い人がいます。別にいいじゃないですか
・勝手に無料撮影会になっただけなのに。もっとモデルを尊重したら?パンチラのショットを自粛してください
・真後ろで撮ったやつは最低ですね。本当にこのポーズが良くないと思えばあとでネットでバラすよりはその場で提言したら良かったでしょう
・何故男性の露出は叩かれないのに女性は叩かれますか?北京ビキニの男性の方がよほど下品
・ネットでバラすことで彼女の肖像権が侵害される。炎上させるのはネット暴力です
などなど。ちなみに北京ビキニとはこちらです↓
日本のJK制服カルチャーが輸入されて中国で流行っているのは嬉しい半面、ちょっと複雑な気持ちになりました。
この議論で出ていた「盗撮防止用の安全パンツ」をタオバオで調べたらたくさん出てきました。中にはこんな素敵なデザインのものも↓
表情包と言葉遊びの組み合わせ。訳が難しいですが「頼むから人として正しい行動をしよう」という意味。
このアイディアとタオバオで販売する商売力に脱帽です笑
(参考資料)
https://www.zhihu.com/question/409405361