デザインとアート
しばしば、良き者「デザイン」と悪しき者「アート」という文脈で取り上げられる言葉なのだけど実は二項対立する概念ではない
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「アートをするなら趣味でやれ」
「デザインはアートではない」
「アートは自分の作りたいものを作る、デザインはユーザーのために作る」
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これらの言葉は「デザイン」と「アート」を直線上の両端に置かれた真逆の概念として対比しているが、「よくデザインされたアート」は存在しうるし「ユーザーがアーティスティックな表現を求めるのであればデザインとしてアート的な手法をつかう」事はありうるだろう
先の文章では「デザイン」と「アート」の両方を名詞として活用している。しかし、よく考えてみると自分たちが「アート」という言葉を使う時は名詞として扱うのが普通だが、「デザイン」と単体で言う時は「バナーをデザインする」「UIをデザインする」「体験をデザインする」という風に動詞として捉えていないだろうか?
※デザインには意匠としての意味もあるので「良いデザイン」「デザインが良い」という風にも使うが、それは「良いアート」と言う時のような統合的な意味と言うよりも、見た目という一要素に限定した利用であり、やはり「アート」と並列で語るべきではないと思う
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「アートだから」となにかを批判するときには、多分人はなにか違う違和感を感じていて、それの正しい表現方法がわからないからと便利な言葉として「アート」という悪者を作り出している(場合が多い)という気がする
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アート性というのはクリエイティブやデザインにおいてはとても大事だ。演繹的に導き出せる物だけではイノベーションは起きないし、本来的にデザインという言葉には「想定外のクリエイティビティ」というものは含まれていない
もちろん仕事として何かを作り出すことを職務とする場合、再現性や一般化ができることはとても大事ではある。だけれども、同時に「この人とこのタイミングでしか作り出せなかった物」というのがないと勝ち抜けない時代でもある。それはとてもアーティスティックな物に僕には見える
デザインにおけるアート性の大切さ、というのをもう少し言語化していきたいと思っている