「霧の濃い朝に鍵をかける」
濃霧の朝
淡い白の世界に朝の光がほんのりと届いてくる
このままこうして
明け方の世界にとどまっていたい
あたたかいマグカップを手に
夜から朝になる世界を窓越しに見ている
ストーブの音がサーっと響く以外
何も聞こえない
嬉しいことも悲しいことも
過去も未来も
濃縮したような霧の白
どこかの美術館で見た海外の風景画みたいに
静かで美しくて少し切ない
この時間に鍵をかけておきたくて
朝の澄んだ世界を
描きたいと思うのかもしれない
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