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「ただ聞くこと」は美しいのに

ただ、脈打つ雨のように
自分の過去や現在の営みについて、言葉にして
誰かに聞いてもらいたいだけなのに

なぜカウンセラーなどの聞き手を生業とする人の多くは
その私の思いをどこか違うほうへ向けようとするのだろう

ただ話す、それをただ聞くという行為が、時間が、空間が、
美しいと思うことはないのだろうか。

助けたい、変えたいという思いが
それを壊してしまう

自然に流れる水を目で追うように、ただそれを見つめていてほしいことに
気づいていない

反応もそれほどいらない
相槌も大していらない
質問も少なくていい

静かにただ聞いてほしい
私の人生に思いをはせてくれればいい
思いをはせてくれたことは伝わるから

それがとても大きな救いになる。

その空間が

それが美しいのに。
なぜなの





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