『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』

 皆さんは現在放送中のスーパー戦隊『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』を観ていますか。

 ビジュアルからかなり異質な作品であることがわかるかと思います。スーパー戦隊って見た目はほとんど同じで、色だけ違うという認識の人が多いのではないでしょうか。でも、異質なのは見た目だけではないのです。

桃太郎というモチーフ

 ありそうでなかったモチーフ。なんでなかったのか考えてみたのですが、桃太郎って、桃太郎が主役なんですよね。何を当たり前のことをって思うかもしれないけど、スーパー戦隊には『5人で1つの力』みたいな考え方があるんです。レッドはリーダーかもしれないけど主役とは限らなくて、それぞれのメンバーがいて、力を合わせて初めて成立するものなんです。つまり主役がクローズアップされすぎている桃太郎はモチーフとしてあまり向いてないんですよね、本来は。

桃代無敵・アバター乱舞

 ドンブラザーズの異質さをよく表しているのがいわゆる『合体必殺技』である『桃代無敵 ・アバター乱舞』。合体必殺技といえば各々の武器を合体させて…といった形が定番ですが、

 これが、ドンブラザーズの合体(?)必殺技、『桃代無敵・アバター乱舞』です。たぶんこれが合体必殺技枠だと思います。
 お供はあくまで援護射撃に徹し、ドンモモタロウによる虹色の斬撃で敵を撃破する。『力を合わせている』ような描写は見られない。あと舞台を立ち上げるシークエンス、絶対いらない。
 これに限らず、普段の戦闘においてもドンモモタロウだけが圧倒的な強さを誇り、敵幹部相手でも引けを取ることはない。もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな。

 徒競走でも順位をつけないような時代に徹底的に一人を徹底的に立てる構成のお話を作るのは、かなり挑戦的で面白いと思います。もちろん今後の展開でこの力関係が変わることもありえますが、桃太郎としての『主従関係』は変わらないような気がします。とにかくこれからの展開が楽しみです。

 最後にこの作品をよく表した最高の主題歌をご紹介しましょう。

俺こそオンリーワン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?