数学科編入のための勉強方法的なもの

はじめに

 問い合わせが多い質問シリーズ第2弾である、勉強方法について自分の経験と傲慢な考え「のみ」を書き連ねる。回顧録を書いて私が気持ち良くなるだけである。勝手にシリーズ化していいのかは不明。

 合格体験記シリーズ第1弾「参考書」もご覧ください。

 完全に個人の意見であることをご了承ください。過激なことも言ってるかもしれない。先に謝っておきます。申し訳ございません。

 合格までの道のりはほぼ読み飛ばしていいかもしれない。好きな人だけ読んでください。

編入学試験合格までの道のり

 自分自身、そこまで良いスタートを切れたわけではない。さらに、良い加速を得られたわけでも無かったと思う。

 大学入学後から1年半もの間、サークル活動やバイトにばかり時間を費やした。当然、大学での勉強はできていない。数学の教科書は疎か、数字ですらほとんど見ていなかったかもしれない。

 それが受験前年の10〜11月。そこから、抜け切っていた数IIIを含む、1変数関数の微積分をやり直し、やり終えたのが3月くらい。2変数関数の微積分なんてまるで理解できてなかったけど、6〜7月くらいにはなんとか解けるようになった。
 数IIIをやり直している裏で、線形代数も進めていた。11月当初は何も分からなかったが、ベクトル・行列・行列式徹底演習のおかげもあって3月には対角化を完璧に行えるまでになった。4月上旬にはベクトル空間もある程度こなせるようにはなった。
 そんなこんなで、数IIIを含む微積分を9ヶ月、線形代数を6ヶ月で8割がた終わらせることができた。しかし、いざ他大学の数学科の過去問題を解こうと思っても、全く解けなかった。対角化くらいしか解けん。
 ようやくここで、「なんとかなるだろう」と舐めてかかっていた自分の鼻は根本から折れて、まともに編入学試験の対策を考えるようになれた。このタイミングで、やみくもに演習しても意味はなくて、編入学試験について情報を集めたり、分析したりすることが必要だということに気づけたことが、まず良かったと思える点。
 すげー悔しかったけどね。自分は有能だと思っていたのに、客観的に見ればやっぱり無能だったと気付くのは悲しい。

 そんなこんなで、問題を解けない理由の分析を始めた。

 答案真っ白の理由は、過去問特訓(総合問題集)しかやっていなかったからだ。
 過去問特訓等の編入数学対策書は、工学部寄りの問題集であり、数学科の対策ではほとんど役に立たないのだ。私が何回もこの事をお伝えしているのは、実際に私がこうして痛い目を見たからである。恥ずかしいけれど。
 その日から、問題集と参考書のみを見るのをやめて、教科書を深く読み進めるようにしてみた。すると、今までやってきた作業の背景が見えてきて、面白かった(受験数学ではなく、純粋に数学を学べていた)。
 さらに、7〜8月辺りは、問題集は継続的に使いながら、さまざまな大学の数学科の過去問題の模範解答を作る勉強方法にもトライしてみた。この方法有名だったし。四苦八苦した記憶しか無いが、これのおかげでなんとか合格できたと思っている。
 しかし、さすがは入試問題。解けない問題はたくさんあるわけで、精神的にかなりキツかった。終いには、最近まで天狗だった癖に、どうせ落ちるしなと思い始めた。食って飲んでゲームして寝てを繰り返す堕落生活に収束しかけていた(収束という言葉を見て、ε-N,ε-δ論法が思いつくならば、あなたは数学徒なのだろう)。まあ、持ち堪えたが。

どうして合格できたのか

 客観的に振り返ってみると、私が「編入学試験を」パスできた理由は2つほどある。

 1つ目は、「数学科」の編入学試験の分析。
 数学科ではどのようなことが問われるのかを知っていることは、非常に重要なことだと思う。どんな試験でも、最後は情報戦である。さまざまな大学の数学科から編入学試験の過去問が公開されているから、実際に目で確かめてみることをすすめる。
 勿論、情報を知るだけで満足はできない。数学科全体としてどのような傾向があるか(ex.対角化はほぼ確実に出題)、各大学ごとにどのような傾向があるか、その中で自分の受験校の偏差値に近い大学はどこか…等。分析も忘れずに行った。数学科の試験に対する身構えがあったことは、メンタル的にも良かったと思う。

 2つ目は、過去問の解答作成。
 自分の理解度を測る良い機会になった。誰が読んでもわかるような解答を作れているかが、理解度に直結していると思う。よく言うじゃないですか、教えることによって最大の学習効果を得られるって。ちょっと違うか。
 参考書等では得づらい、問題による誘導の助けを借りながら解いていく力を身につけられた。解析学の範囲では、解法のパターンを把握できたことも嬉しいポイントだった(ex.マクローリン展開による誘導後の怪しい極限問題は漸近展開)。
 回答を意識した書き方を習得できたという点でもやって良かったと思っている。採点者に伝えたいことが伝わるように書くのは、意外と難しいものだと感じた。ちなみに、筆記試験で記述が不十分で、口頭試験でほじくりかえされた人もいるようなので注意。

さいごに

 以上で役に立つかわからないアドバイス的な感想を終えたい。この記事はあまり需要が無いと思うので、ひっそりと公開しておくこととする。ここまで読んで下さった人は、ネッシー並にレアだと思っている。

 初歩的な話は何もしていない。ペース配分とかスケジュール管理とかは、意識高い人に聞いてください。

 それと言い忘れていたが、iPadは便利。電子ノートとして使うなら12.9インチ一択。教科書を見るために使うなら、mini以外なら何でも良いと思う。
 解答作成ではNotability(ノートアプリ)が役に立った。紙に書いた解答よりも、ノートアプリで作成した解答の方が、探す手間も少なく、訂正もしやすい。
 もし、iPadをノートとして使うなら、ペーパーライクフィルムは必ず貼っておきましょう。おすすめはJPフィルター専門製造所。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。



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あなたも合格できたら嬉しいです。

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