病 ≒ 痛
芭蕉のニ句を想い起こした。この切っ掛けは訪問先の詩(心)で、何が幸いするか分らないところが人生は面白いと私は思っているのです。ともあれ、その二句はご紹介するまでもなくご存知の方は大勢いらっしゃるでしょう。
★病鳫の夜さむに落て旅ねかな 芭蕉
(やむかりのよさむにおちてたびねかな)
☆旅に病で夢は枯野をかけ廻る 芭蕉
(たびにやんでゆめはかれのをかけめぐる)
私なりに句の意味を載せますね。
(★の句)
長旅で体はボロボロ、節々は痛む。その体を労わり休ませる所に着いた蕉門一行。水面めがけて次々に急降下。これは旅立ちまでの一休み。
(✩の句)
旅で体はボロボロ、心は壮(さか)ん。さあ、朝(あした)の旅立ちに備えよう。予定はいっぱい詰まっている。愉しい嬉しい幸せの夢、勇気凛々の芭蕉。
意気軒昂な芭蕉にちがいありません。枯野は辞世の句とも読めるがそれだけじゃない。朝には旅立ちだし、永遠の旅、即ち、芭蕉に後継が続く。
蕉門の方々の読みを私は存じませんが、芭蕉に並び、芭蕉を超える弟子の登場に胸を膨らませている巨大な芭蕉が私には見えるようです。
この芭蕉の境涯に至る思想を持てたら、なんて痛快な一生だろうか。( ´∀` )
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