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migmin
【ショートショート】ヘルプ商店街#毎週ショートショートnote
会社までは500m。近さで選んだアパートなのに毎日遅刻する。
僕は六時のアラームで飛び起きると、急いで家を出る。八時が始業だ。
早足で歩く僕の前に、道で転んでしまったおばあさんがいた。
「伊藤さん。散歩する時は杖を持ってって言ってるでしょう」
抱き起すと、照れくさそうに「ごめんごめん」と謝られる。
「ああ、お兄さん。ちょいと手伝ってくれないかい」
すぐ横の店から阿部さんが顔を出す。阿部さんは先日腰を痛めた。僕が代わりにシャッターの内側にしまっていた青果の棚を表に出していく。
「あ、俊くん、いいところに」
向かいの本郷さんが手招きをする。突然壊れたというテレビの配線を確認し接続し直す。
「俊くん、ちょっと聞いてくれ」
飛び込んできた隣の森さんがふてくされ顔の息子さんの腕を引っ張ってくる。
「うちのせがれが東京に出てミュージシャンになるってんで聞かねえんだ。何とか言ってくれ」
「何でそう毎日遅刻するんだ？」
「すみません。商店街の方が早起きで」
（４１０字）
前回に引き続き、たらはかに（田原にか）様の企画に乗っかっています。
今回のテーマは「ヘルプ」「商店街」。
ここのところ仕事が佳境に入っておりまして、ろくに読めても書けてもいません。仕事と睡眠の無限ループです。
ひよこの体はカロリーメイトとベースブレッドでできています。
ありがとう、大塚製薬。ありがとう、ベースフード。
(カロリーメイトは数年前に比べて美味しくなりましたね）
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