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使いやすさと分かりやすさのデザイン:メッセージの伝え方 その2

色は慣習に従うのが基本
普段、何気なく街を歩いている時、自然に色をメッセージを受け取って行動していることがあります。信号機はその代表格です。もし、明日から信号の色が変わってしまったら多くの人がパニックになってしまいます。普段使い慣れていて慣習のある色はそれほど大きな意味を持っているのです。

インターネットで何か買ったり、サービスを利用したり、何かアクションをするとそれに対するフィードバックがメッセージされます。このような場面では普段の慣習を利用しましょう。購入が正しく成功したら「緑」。入力が間違っていて再入力の注意を促す場合は「赤」。こうすることで、「安心してよい」のか「注意が必要か」どのような状態かが分かりやすくなります。

同じ色でも受け手によって異なる印象を抱くこともある
しかし、色の意味は誰にどんな時も通用するわけではありません。日本では株価などの数字の上下を表す場合は上昇が「赤」下落が「緑」で表現されることがほとんど(日経平均株価)です。しかし日本以外の国の多くはその逆で、上昇が「緑」下落が「赤」で表現される国もあります(CNN BUSINESS)。このように、同じ色でも意味が逆になってしまうこともあるのです。

色と形の組み合わせに気を付ける
中国やオマーンなどアジアでは衛生基準を示すマークがトイレや飲食店で表示されています。そして、この状態を色で判別できるようになっています。優良なAランクは「緑」、一般的なCランクは「赤」、安心な状態と危険な状態で色分けされ分かりやすいのですが、これに顔の表情がついています。現地の人には見慣れたデザインかもしれませんが、「緑色の丸」「口の端をつり上げ気味に開いた笑い顔」「飲食店での表示」という組み合わせから、私はなんとなく違和感を抱いてしまいました。慣習を意識してメッセージを伝えることは大切ですが、それを何と組み合わせるか、受け手にとってスムーズに理解できる組み合わせか、を考えないと正しく認識してもらえないことにも注意しましょう。

使いやすさと分かりやすさのデザインのまとめ:
1. 慣習がある色は、変えずにそのまま利用することで受けての理解を高める
3. 伝えたい相手の慣習次第では、色の意味が異なってしまうことがある
2. 色がどのような形や組み合わせで伝えられるかによって、印象が異なってしまうことがある

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