ベトナムにも「お盆」の文化があるの?
こんにちは。現地在住の日本人BEETSOFTのベトきんです。みなさん、いかがお過ごしですか。
余談ですが、今回のヘッダーのアイデアの元であるサボテン、実は、9月8日の誕生日花だそうです。知ってましたか?
ちなみに、私は知りませんでした!(実はこの記事昨日9/8に載せようと思っていました。1日遅れてしまい、ごめんなさい〜)
さて、本題に入ります。
ところで皆さん、ベトナムにもお盆があるってご存知ですか?
実はベトナムって、仏教の歴史が2000年以上ある国です。なんせ仏教徒が多い国です。仏教の文化も広く国民に根付いているため、旧暦7月になると、以前紹介した幽霊の月(Tháng Cô Hồn)や日本のようにお盆(ブラン祭り)があり、そのような風習を信じる人がいます。旧暦の7月つまり新暦の今では、8月の中旬から9月中旬までです。ちょうど今の時期なのです。
幽霊の月については、こちらのリンクからご覧いただけます。
ブラン祭り(旧暦の7月15日)では、紙で作られた架空のお金や服を燃やします。なぜなら、ご先祖様があの世の生活で困らないように、現世と同じものが必要だと信じられているからです。
また日本とは違ったベトナムのお盆。
今回は、ベトナムのお盆と言われるブラン祭の起源や意味などについてご紹介させて頂きます。
1.起源
ブラン祭が始まったきっかけは、少年ムック・キエン・リエン(Mục Kiền Liên)が飢えた生活から母親を救ったという話に由来しています。ムック・キエン・リエンの母親は、バラモン教のタイン・デー (Thanh Đề)さんです。実は仏教の教理を信じない、とても贅沢で貪欲で残酷な人です。毎日たくさんの料理を作っては、地面に撒き散らすくらいです。(すごい、偉そうなタイン・デーさん、、!)
でも、息子のムック・キエン・リエンは、 母親とは正反対の性格です。いつも母親が落としたイネの種を拾って、綺麗に洗ってから食べました。食べ物を粗末にしません。
それを聞いた他の人たちは、ムック・キエン・リエンを、良き少年として称賛します。そして、彼らは子供たちを教育する上で、彼を例にあげました。また母親の死後、彼は仏教を学ぶために出家し、仏の弟子になり、魔法を使って、母親を見つけるために天と地を探し回り、ついに大地獄で見つけました。
見つけた時の母の姿は、髪も汚れ、皮膚や骨もひどく弱っていて、空腹で、下を向き頭をあげることのできないものでした。ムック・キエン・リエンは苦しみ続ける母親に涙しながら抱きしめ、空腹を満たすためにお茶碗一杯分のご飯を渡しました。
しかし、母親は今もまだ貪欲で残酷でした。ご飯が口に運ばれると、あっという間にその米が炎となり、食べることができませんでした。結局、母親を救うことができなかったので、仏に助けを求めるために戻ることにしました。
仏様は、「旧暦7月15日は悟り日であり、全ての僧侶を集めて、母親を救うために祝福を得るために三宝捧げてください」と言いました。
彼は、仏様の教えに従い、母親を地獄から解放することができました。それ以来、旧暦の7月15日は、仏教において感謝と親孝行の日になっています。
参考サイト:https://www.chuahoangphap.com.vn/tin-tuc/chi-tiet-dai-le-vu-lan-pl-2555-dl-2011-to-chuc-tai-chua-hoang-phap-942/
2.意味
ブラン祭は、主に親孝行の意味が含まれています。旧暦7月15日には仏教徒が仏教寺院にて、自分を産んでくれた両親に感謝し、現世で両親が健康で平和に生活できることを祈ります。また、何世代にも渡り、先祖が苦しみから救われるために、仏教の経典を唱えたりします。
3.ブラン祭り期間中の活動
子供や家族と一緒に生きられるようにお祈りを欠かさず行います。
参考サイト:https://phatgiao.org.vn/lang-son-hang-nghin-nguoi-tham-du-dai-le-vu-lan-tai-chua-thanh-d15444.html
実はお祈り中は、胸に花をつけます。意味は、すでに母親が亡くなった人の胸には白いバラをつけて、母親がまだ生きている人の胸には赤バラがつけられます。
参考サイト:https://www.tienphong.vn/van-hoa/le-vu-lan-vao-ngay-nao-trong-nam-2019-va-y-nghia-cua-bong-hong-cai-ao-1447324.tpo
この儀式では、多くの人々がご飯、衣服、お金があることが当たり前ではないことを肝に命じるためでもあります。
4.結論
今年のブラン祭は、新暦9月2日(旧暦の7月15日)、ちょうどベトナムの建国記念日と同じ日でした。建国記念日に、なんで道端で架空のお金を燃やしているんだろ〜?と思ったら、その意味なのだなーと分かりましたね( ̄∇ ̄) 日本では、宗派によってですが、亡くなった人の霊の魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、「精霊馬」と名前付られるナスときゅうりで動物を作って、お供えし、それぞれ意味が込められています。一方ベトナムでは、この日は先祖のために祈り、あの世の生活で困らないように架空のお金などを燃やし送ってました。「お盆」の認識が宗派や国によっても異なっていたので、また面白い発見でした。韓国も中国も「お盆」の文化があるので、気になる方は調べてみると比較対象が増えて、面白いかもしれないですね!
最後までお読みいただきありがとうございました!
Hẹn gặp lại sau nhé!