⑩イーストの種類
イーストには、ドライ(乾燥・粉末)タイプのイーストか、リキッド(液体)タイプのイーストの2つのタイプがあります。ホームブルーイングではどちらのタイプもよく使用します。それぞれの利点と不利点は以下の通りです。
また、イーストはラガーイースト(下面発酵酵母)、エールイースト(上面発酵酵母)に大きく大別されますが、その他にもそれぞれ多くの酵母株(酵母の種類)があります。この酵母株によって、ビールのフレーバ(風味)とアロマ(香味)を決定します。例えば、ベルギースタイルのビールは、フルーティで少し酸味のある風味が特徴ですが、これはベルギービール特有の酵母株の風味によるものです。麦芽やホップの風味や香味のみならず、イーストはビールの味を決定づける大きな要素となります。
ドライ(乾燥・粉末)イースト
利点
・取扱いがとても簡単で、長期保存も可能
・入手が容易
不利点
・酵母株の種類が少ない
リキッド(液体)イースト
利点
・酵母株の種類が多い
不利点
・入手が困難
・取扱いがデリケートで、長期保存に不向き
購入可能なイースト
リキッドイーストの購入は少し困難で、価格も高くなる傾向があります。米国ではWhite labsやWyeastなどのメーカーがリキッドイーストでは有名ですが、やはり入手困難ですので、ドライイーストの使用が現実的です。現在市販されているドライイーストは非常に品質が高く、リキッドイーストにまったく劣りませんので心配無用です。リキッドイーストを使用するときには、スタータ(培養)を作ることをお勧めします(別途説明します)。ここでは代表的なドライイーストを紹介します。
FERMENTIS製イースト
Lesaffre社製のドライイーストで、品質はリキッドイーストに負けず劣らず、非常に良いです。以下に代表的なイーストを紹介します。
エールイースト
Safale S-04
イングリッシュエールイースト
発酵温度:12-25℃ 最適温度:15-20℃
Safale US-05
アメリカンエールイースト
発酵温度:12-25℃ 最適温度:15-22℃
ラガーイースト
Saflager S-23
ベルリンVLB社由来のフルーティなラガーイースト
発酵温度:9-22℃ 最適温度:12-15℃
Saflager W-34/70
ドイツ/バイエンシュテファン地方発祥のラガーやピルスナータイプイースト
発酵温度:12-22℃ 最適温度:12-15℃
ウィートイースト
Safbrew WB-06
ウィート(小麦)ビールに適したイースト
発酵温度:12-25℃ 最適温度:18-24℃
ベルギーイースト
Safbrew S-33
ベルギースタイルや、トラピストエールに適したイースト
発酵温度:12-25℃ 最適温度:15-20℃
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