『ケグ』
こんにちは。
タバコよりもうどんの禁止の方がつらいビアマイスター林です。
#おかげで少しずつ痩せてます
さて、本日は『ケグ』というテーマで書いていきます。
#結構専門的なシリーズです
ケグとは飲食店でビールを納品した際にパッケージングされている容器です。
つまり樽です。
#周りくどい
ビールの貯蔵、輸送に、またサーバーとして使われる円筒状の容器で、主にステンレススチール製、まれにアルミニウムのものが一般的です。
上面のひとつにだけ開口部がありそこから伸びているスピアーという細い管から、窒素と二酸化炭素を送り込むことで生まれる圧力を利用してビールを吸い上げます。
最近ではワンウェイ(返却不要)でプラスチック製の新しいケグも登場しています。
こちらは今までのケグとは違ってビールがガスに全く触れない構造なので、ビールが劣化しにくいうえ、容器はとても軽く、また使い捨てなので衛生的。様々な利点から注目を浴びています。
そんなケグですが日本では現在に至るまでどのような進化があったのでしょうか。
ちょっと難しいですが勉強回です。
#無理しないでね
生ビール用小樽は明治期以降、①木樽⇒②アルミ製球形容器内臓樽(外装:木製)⇒③アルミ製球形容器内臓樽(外装:樹脂)⇒④金属樽の順で変遷してきました。
① 木樽
<使用木材>
樽材は樹齢30年前後のナラ材を使用。
<製作工程>
製作は①原木を伐採し、素材を造る作業と②組立作業とに分かれる。
<内面塗装>
木樽の内面塗装にはピッチ(Pitch)と呼ぶ樹脂を塗布して液体が漏れないようにしていた。ピッチの原料は、針葉樹の樹脂で主に松脂(まつやに)を使用。良質なピッチの条件は①生ビールの香味に悪影響を与えない。②揮発物質及び酸の含有量が少ない。③適度な溶融点を保てる。④水分及び0.2%以上の灰分(かいぶん)(不燃性鉱物)を含まない。
<容量>
樽内面にピッチを塗布した段階で、容量を計測し、樽の鏡面に記載。工場に戻った空樽は洗浄され再度ビールを詰めて出荷されるが、ピッチを再塗装し、容量も再計測される。
<使用期間>
木樽は明治期から1960年代まで使用されていたようだが詳細は不明。
② アルミ製球形容器内臓樽(外装:木製)
外装は木製で、アルミ製の球形容器を内蔵した樽。何年ごろ導入したか不明であるが、木樽のは1960年代までの使用と考えればそれ以降になるが、地域によって多少の時間差はあったと考えられる。
③ FRP樽
1969(昭和44)年に採用。外装にFRP(強化プラスチックを使用)した樽で、内面はアルミ製の球形容器が内蔵されていた。ステンレス樽の導入で、1985(昭和60)年ごろには役割を終えた。
④ 金属樽
金属樽の採用は1973(昭和48)年、イギリス・サンケイ社のステンレス製樽を名古屋工場で沖縄向け製造した容量25㍑樽がはじめてであった。翌年、20㍑用の樽詰ラインを恵比寿工場に1列(8レーン)を新設し、その後は各工場で導入した。
ケグ(樽)は現在も様々な進化があり研究されています。
最近ではペットボトル樽の導入もありビールの扱い方が変わってきています。
時代に合わせて最高のビールを届けるためにビールの容器の知識を入れておくとさらにレベルが上がるかもしれませんね。
ビアマイスター林は毎日ビールを通しての発見や考えを投稿し、日本一を目指す挑戦や活動の報告をさせて頂きます。
ビールを「注ぐ」の立場で皆様を笑顔にします。
会ったことがある人もない人も、会えるのを楽しみにしています。
それではまた明日乾杯しましょう。
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