パドロンと、カプサイシンと、日常と 『達人ブレンド』
最近は一杯目にIPAを飲むことが多かったのですが、
今日は原点回帰で、ピルスナーが飲みたい!
ということで、一人キリンシティに寄って帰ります。
ビール一杯で帰るつもりが、
メニューの中にひときわ目を引くおつまみが
なんだこれ!?
思いがけず注文しました。
パドロンっていうらしいです。
スペインでは、日本で言う枝豆のように、つまみの定番なんだとか。
今回の主役は、この”パドロン”
でも、まずはまずは、乾杯から、、、
達人ブレンド -Kirin City
いい名前ですね。
キリンシティでのみ販売される、
”2種のビールを独特の比率で配合”したビールです。
ブラウマイスター×一番搾り黒生
です。
以前行ったときは、上記2種のブレンドの割合を投票で募集します!
なんてのがありました。
今は割合どれくらいなんでしょうか。
ちなみに私は黒生3 : マイスター7に入れました。
どちらも好きなビールなんで、嬉しいですね。
黒生の、爽やかな飲み口がとても好きです。
黒ビールって濃い重たいイメージありますが、
キリンの黒生はかなーり軽いですね。
ちょっと濃い目のマイスターに混ぜると重さもちょうどよくなって、
黒いのにちょうどいい!
が実現します。
話はパドロンに戻ります。
これがまあビールに合う!!!
見た目はピーマンを小さくした感じで、
食感はピーマンよりも柔らかく、
味はシシトウに近いです。
素揚げなのがポイント高い!最高でした。
食べていると、、、
辛い!当たり!
ピリ辛のやつもひそんでいました。
なんで辛いのがあるんだろう?
そもそもなんで辛いの?
そんなことが気になって、
ビールを飲みながら少しばかり調べてしまいました。
パドロンの辛みは、トウガラシの辛みと同じです。
トウガラシの辛み成分として有名な「カプサイシン」、
実はこの辛さ、トウガラシの生存戦略なんだとか。
人間や他の動物は、カプサイシンの受容体を持つために、
カプサイシンを食すと「辛い」と感じます。
実は、”辛み”は人間の五味(甘味・塩味・酸味・苦み・うま味)には
入っておらず、舌の味蕾で感じている信号ではないんです。
辛みは、このカプサイシン受容体がもたらす特有の感覚なんですね。
一方で、鳥には人間の持つようなカプサイシン受容体が存在せず、
トウガラシを食べても”辛い”と感じないんです。
つまり、人間などの動物には刺激を以て食べられることを防ぎ、
鳥などに食べられることを促進することで、
フンとして種をバラまいてもらう、
ということを狙った戦略なのではないか?
という説が有力なんです。
ところがどっこい、トウガラシはこの”辛み”のせいで人間に見つかります。
15世紀、南米でコロンブスに発見され、欧州に持ち帰られます。
当時はコショウなどの香辛料がとても貴重だったため、
その代替としてとても期待されたのではないでしょうか。
今でもトウガラシをRed Pepperなんて呼びますが、
それはそのときの名残だとも言われます。
トウガラシは、人間に食べられないために獲得した性質のせいで、
人間に食べられるようになってしまいました。
しかしながら、逆にそのお陰で、
トウガラシは世界中に広まりました。
皮肉な話ですね。
トウガラシにとっては、生息地を広げられて結果オーライなんでしょうか。
今では世界中の人に愛されてますよね。
本当は人間に食べられたくないトウガラシ、愛らしく思えます。
そうこうするうちに2杯目いっちゃいました。
キリンシティは泡へのこだわりがすごいですね。
泡を作るのに時間をかけられてちょっとぬるくなった感じも、
一口目をムーディにします。
今日はとても愛らしい”パドロン”に出会えて上機嫌でした。
ピリ辛なところもあって、
それも含めて皆に愛されるような、、
そんな人間になりたいものです。
ちょっと飲みすぎました。
日曜は帰るのが億劫です。
現実はちょっとだけ辛い、ラクダでした。
おしまい