『パストライザー』って知ってる?
こんにちは!
クラフトビール初心者、ビールの縁側運営スタッフ”あっすー”です!
このシリーズでは、
クラフトビール初心者だけどクラフトビールが大好きなあっすーが
この業界に入って驚いたことや新発見などをお伝えしていきます!
ド初心者の新発見なので全然「ウラ話」じゃないかもしれませんが(笑)、
意外と知らないこぼれ話もあるかも!?
今回は、この言葉を知っていたらビールの玄人と言っても過言ではない!?『パストライザー』についてお送りします!
▼ビールの縁側はこちら
パストライザーって知ってる?
”パストライズ”とは
「パストライザー!!!」
…なんてしょっぱなから叫んでみましたが、なんだか戦隊モノの必殺技みたいな名前ですよね(笑)
なかなか聞かない言葉だと思うのですが、ビール業界では結構当たり前のように飛び交うキーワード。
私もこの仕事を始めるまで全く耳にしたことが無かったのに、ブルワリーさんとお話するときには何度もでてくるので、最初は「???」でした…。(勉強不足でスミマセン)
そもそも、”パストライズ”とはどういう意味なのでしょうか?
”パストライズ/パスチャライズ(pasteurize)”
―意味:低温殺菌する
なるほど。
シンプルに分かりやすい1つの動作のみを表すことばなんですね。
ここでビール好きの方ならピン!と来る方もいらっしゃったかと思うのですが、そうです。
ビールづくりには、ビール酵母による『発酵』という過程があり、
その後、冷却することで酵母を眠らせて活動を止める『熟成』に入ります。
▼ビールのつくり方はこちらの記事も参考にしてみてね!
つまり『低温殺菌』とは”酵母の動きを止める”のではなく、
”酵母を完全に殺菌してしまう”ことで、その後のビールの味に影響する可能性のある発酵や熟成を一切止めてしまうことを指します。
こうすることで、ビン・缶に詰められ、お店に届き、みなさまのお手元まで品質への影響を少なくして届けることができるのです。
さらに、酵母がいないため低温で保管する必要もなくなり、長距離の輸送や長期保存も可能になっているんですよ!
ビール大好き人間としては、家でも冷蔵庫に入れることなく、常温保管できるのは助かりますよね(笑)
低温殺菌する機械がパストライザー
ここで登場するのが「パストライザー!!!」(言いたいだけ)
パストライザーは、その名の通り”パストライズ=低温殺菌”するための設備の事を指します。
さて、ここで問題です!
パストライザーを使った低温殺菌って一体どうやってすると思いますか?
―弱火でじっくりと煮て酵母を弱らせるとか?(こう書くと怖いなぁ…)
―はたまたサッと直火に当てて、火あぶり?(こっちも怖い…)
実は、
熟成後冷却した状態のビールをビンや缶に充填し、そのビンや缶の外側から約60~65℃のシャワーをかけて殺菌を行うんです。
パストライザー自体はトンネル型の構造になっており、ベルトコンベアに乗せられたビンや缶がズラーっと並んでシャワーを浴びている様子は圧巻です!
(写真や動画でお見せできないのが申し訳ないです…。いつかご紹介させていただきますので、お待ちくださいませ!)
アツアツのシャワーを浴びて火照ったビンや缶たちは、そのままだと大やけど!
そのため、常温まで冷ました後に梱包されて出荷となります。
生ビールとの違い
ちなみにパストライザーに限らず、酵母が殺菌されていないままのビールの事を『生ビール』と呼びます。
古くは酵母の活動を止めるためには加熱殺菌しか方法が無かったのですが、
技術の進歩により”酵母のろ過”が可能になり、熟成を終えた段階でろ過することでビール内の酵母を取り除き、加熱せずにビールの品質をキープすることができるようになりました。
ただし現在の技術でも酵母を完全にろ過するのは難しく、製品の中にまだ少し残ってしまうようです。
だから、『生』ビール。
冷蔵保管し続けることで、残ってしまった酵母を眠らせたままにして品質をキープする必要があるんですね!
生ビールと熱殺菌済みビールの違い
加熱殺菌されたビールには酵母がいないってことは、普段飲んでいるビールは生ビールとは全然違う味なの!?
と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際にこのあたりに違いはあるの???
と疑問に思った私も、いくつかのブルワリーにお伺いしてみました。
回答は…
「今の醸造技術や設備だと、一般の方には違いはほとんどわからないレベルで楽しめますよ!」
とのこと。
なぁんだ!
ビン・缶で飲んでも美味しいブルワリーの味が楽しめるんだ~!
と思っていたのですが、
ん???
”一般の方には”???
「ビールを飲みなれている方やブルワーであれば全く違う味。
やっぱり『生ビール』の方が美味しいので、断然『つくり立ての味』をお届けしたいんですけどね…」
とポツリとおっしゃっているのが印象に残りました。
そっか~。
やっぱりビールに詳しい人はわずかな違いでも全然違うように感じられるんですね…
(味の違いが分からない一般人ですが)プロがそんな風に言うなら、
”ブルワーが一番飲んでほしいと思っている味”
飲んでみたくなるじゃありませんか!!
生のクラフトビールを楽しむ方法
輸送や保管などを考えると、世の中に出回る『生ビール』はなかなかレアな気がしてきますよね?
でも実は、大手ビールメーカーでは醸造の技術や設備が向上しており、普段から缶で飲んでいるあのビールも『生ビール』だったりします。
(次回ビールを飲む際に探してみてね!)
意外と身近にある『生ビール』ですが、クラフトビールとなると大手メーカーのように設備が整っていないマイクロブルワリーもたくさんあります。
一体、クラフトブルワリーの『生ビール』はどこで飲めるのでしょうか??
①樽生ビールが飲めるお店に行く
飲食店によっては、「生ビールあります!」と書いてあるところも。
また、すべてがそう、とは言えないのですが、『タップ』がある飲食店さんは生ビールが置いてあることが多いです。
『タップ』というのは、ビールサーバーの注ぎ口の部分のことを言います。
タップが付いた大きな銀色のビールサーバーが設置してあったり、最近のクラフトビールバーなどでは壁からタップが出ていて、そこから注いで提供してくれるところも多くなっています。
②ブルワリーで飲む
これは言わずもがな、ですね!
全国のブルワリーを訪れて、出来たてのビールをその土地で飲む。
これぞまさに最高のクラフトビールの味!ですね。
③『生ビール』と書かれている缶・ビンを探す
すごく当たり前のことを言っていますが(笑)、この『生ビール』と書かれているビールが集団でいる場所があるんです。
クラフトビールの生ビールを見つけられる穴場!?とは…
…
スーパーや酒屋さんの”冷蔵棚”です!
…
前述したように、『生ビール』は酵母がまだ残っているので常に冷蔵保管していないといけないもの。
だから必ず、冷蔵保管された状態で店頭でも陳列しているんです。
キンキンに冷えたビールが飲めるように『生ビール』以外も冷蔵してありますが、『生ビール』を見つけたい場合はまずは冷蔵棚をチェックすべし!
④ぜひ縁側でも試して欲しい!
そして最後に。
直接ブルワリーに行って、最高のクラフトビールを味わいたい!
というのが全クラフトビールファンの想いだと思います。
(私も全国各地を旅しながら、ビール三昧したい!!!)
しかし、いろいろな理由でなかなかできないのが現実…。
いつかは絶対に全国のブルワリーを巡ってやる!!!
と想いながらも、飲んでみたい生ビールはたくさんあります。
そんな時には、
鮮度をキープする専用樽だから、非加熱でブルワーが1番美味しいと言う状態のビールがお届けできる『ビールの縁側』をチラッと思い出していただけるとうれしいです(笑)
全国のクラフトブルワリーを取り揃えているので、小旅行気分でいつか行きたいブルワリーを探しながら楽しんでいただけたらと思います!
まとめ
今回は「パストライザー!!!」(まだまだ言いたい)という聞きなれないビール用語から、生ビールとの違いや楽しみ方などをご紹介しました!
実際にビールを飲む際には全く聞かない言葉だとは思いますが(笑)、知っているとより美味しくクラフトビールを味わえそうです!
(私も加熱済みビールと非加熱の生ビールの味の違いが分かるようになりたいなぁ…)
ではでは、
また次回の発見もぜひお楽しみに!
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(筆者が実際に経験したことや学んだ知識を基に記事を執筆していますが、内容に誤りがある可能性があります。
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