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ドラマのセットのような世界で生きている

2021.4.2(金曜日) At the cafe

ぬるい世界にいる。

今日は週に一度の瓶・缶・ペットボトルの回収日。一緒になってる3種類を別々の袋に仕分けする。数だけでいうとビールの缶がダントツで1位だ。季節の移り変わりがここでもわかる。これからの季節はどんどんビールの缶が増えていく。ベランダの片隅でカランカランと音を立てて私の仕分け作業が続く。それを部屋の中から不思議そうに見ている猫がいる。世界はおぞましいのに、ここだけは退屈なほど平和で平凡。

感染者数増加で外に出る人は少ないだろうと踏んで外に出た。予想に反して人はたくさんいた。裏道を駆使してビルの地下道を駆使して、人のいない方を目指して散歩のようなウォーキングをする。途中でカフェの看板につられてふらふらっと入る。このふらふらという一見軽いと思われる行動が依存症になる第一歩だ。中は誰もいない。私が一番乗りだ。しばらくしてから大学生風の男性が入ってきた。店員は暇そうにおしゃべりしている。

いつもの光景と寸分変わらない。

やっぱり世界はおぞましいのに、私の周りは退屈なほど平和で平凡。今、私の頭上にミサイルが落ちてきても「まぁ、いいか」と思えるぬるい世界に入り浸る。雑貨屋が見える一番奥の席に座って読書をする。吉田修一さんの「泣きたくなるような青空」(ANA機内誌『翼の王国』に掲載)というエッセイを読む。私は『元気に明るく楽しく頑張って生きていきましょう!』という内容のものは気恥ずかしくて、あるいはきれい事過ぎて読めない。この本はそういう部類を少し含んでいるが、素直に読むことができる。読みながらそれはどうしてかなと考えていたのだけど、たぶん吉田修一さんの人柄なのだと思った。押し付けがましくなく忖度がない状態で「ほら、こんなに楽しいよ」と言っている。だから屈折した私も「うんうん」と読めるのだろうと思った。(押し付けがましくない)というのは私の人生の課題でもある。


帰りにデパ地下で筍を買う。

皮付き筍は重い。

筍をぶら下げてビルの谷間をふらふら歩く。

今日も無事帰還。暑くてエアコンをつけた。

今夜は筍ごはん。




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イトカズ
読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。

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