弱くて強くて、暗くて明るい。
2021.4.14(水曜日) moderate
それは猫のせいだ。
朝起きたら体中が痛い。小さくて温かいものが私のベッドの入り込み、一番いい場所で丸まっている。いくら小さなものでもいい場所を占領されると、本来ベッドの持ち主は私であるのに、遠慮して端っこに寄って体を縮めてしまう。『猫なんて足先でチョンチョンと蹴飛ばせばどこかに行くよ』と猫通は言うが、私は猫を蹴飛ばすことができない。可哀想とかそういう気持ちでなく、生き物を足でチョンチョンと触るのが怖いのだ。それどころかそっと枕を差し出したりして...飼い主の尊厳丸潰れである。
というわけで身体中が痛い。足もつりそうになりながら起き上がった。
午前5時半、今日も雨のようだ。
ネットでニュースをチェックした。もう知ってるニュースばかりだったけど、台風2号が発生したことは知らなかった。1号のことさえ知らなかったのにもう2号だなんて、なんか取り残された感じがした。今年はいくつの台風が来るのだろうと漠然と考える。大風嫌いだ。大嫌い。
今日から夫がリモートワークに切り替わり家にいる。スーツなどの支度をしなくていい代わりに、すぐ目に着くところに夫の姿があるということは少しめんどくさい。まぁ物わかりのいい夫で自室にこもって仕事をしてくれているから今のところは目立ったガサガサ感はない。私も自室にこもる。できる限り平等でなければならない。そうしないとよい人間関係は続かない。リビングでふんぞり返って我が物顔でいるのは猫だ。猫はまたしても一番いい場所で「ふんっ」という顔でそこにいる。
猫になりたい...いや、違う。
猫のような人間になりたい。
午後、雨があがり曇り空。
自粛中とはいえ少しは体を動かさないといけないと思い、近所の公園に散歩に行く。有名な花から名も知らぬ花までいろんな花が咲いていた。木々も緑色が濃くなり悠々と立っている。青空の元で見る草木もそれなりに綺麗だが、曇天の下で見るそれらも私は好きだ。灰色をバックにしたピンクや緑はとてもセンスよく見える。藤棚に咲き誇っている藤の花を老境に入った女性たちが一生懸命に写真におさめている。藤の紫も灰色によく似合う。
また雨が降り出しそうだ。急ぎ足で公園を出てスーパーに向かう。
ネギと茗荷を買う。
今夜は蕎麦。
あっ、日本酒も買った。