不承不承、私はピンクブラウンになる
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しぶしぶヘアサロンに行く。
普段から何事にも抗わないと決めているのだけど、ボサボサの頭にちょっと我慢ができなくなった。残念ながら私は、ボサボサにしていてもなんとなくカッコがつくビジュアル系ではない。ライオン丸のようになったこの頭が今朝は妙に気になり、朝イチでヘアサロンに行った。
「切るだけでいいのよ、切るだけで」と念を押したのに「白髪、ちょこちょこ顔出してますけど...せっかくだから」と言われ、断る理由も見つからず毛染めもした。「アッシュ系でね、アッシュ系で」とまた念を押したのに「春だからちょっと明るくしませんか...せっかくだから」と言われ、鶏冠のような赤い髪をした美容師にいろいろいじくりまわされる。
私はピンクブラウンになる。
ピンクブラウンおばさんはお好きですか?
以前、某ファッションスタイリストさんの本を読んだ時、『お客は、若く見えるかどうかということに固執しているから、洋服屋さんの店員やヘアサロンの美容師は、似合うかどうかはさておき、お客を来た時より若く見えるように仕上げることを常としている。』というようなことが書かれてあった。『1才でも若く見せたいならそれでもいいが、ある年齢を超えると若く見せることへの固執は品のなさに繋がる』と...。
私は鶏冠頭の「せっかくだから」にまんま乗せられてその品のなさに繋がってるのではないかと帰り道に不安になる。不安になると何か甘いものが食べたくなる癖があり、帰り道にあるコンビニに寄ってスイーツを必要以上に買いまくる。
帰宅して夫から「おぉ、いいじゃん。若返ったね」と言われた。どいつもこいつも...男は若い女が好きなのね。これからは「せっかくだから」という言葉が出たら気をつけようと心に決めた。
コーヒーをいれて「モアホボクリムほぼほぼクリームのシューショコラ」
という何なのかさっぱり意味の分からない甘いやつを頬張って、やっと正気に戻った私であった。
あぁ、なんだかあれだ。ヤケクソだな。