不器用な人差し指
2023.8.21 (月) index finger
我が家の南側にはホテルや会社や商業施設などが並んでいて、休日と平日とではまったく違った姿を見せる。
その南側を向いてダイニングテーブルの席に着いていると、ベランダ越しに大勢の通勤する人たちの姿が見える。信号が青になって歩き出すと、まるで団体旅行客のようなかたまりで自分の勤める会社をめがけて歩き出していく。顔が見えるわけではないのに、どことなくみんな元気がない気がする。
月曜日という曜日も関係しているのかもしれない。
9時を過ぎるとその通勤風景もまばらになる。そしてもう少し時間が経って10時近くになると今度は商業施設で勤める人たちのラッシュが始まる。
それを見て、あぁこの街がまた始まるなと思って私も洗濯や掃除といった家事に勤しむのだ。
私がやってる家事などは毎朝務めに出る人と比べると「楽な商売」かもしれないが、楽な商売であるからしんどいなと思うことがある。
先日から右手の人差し指がものすごく痛む。
触らないと痛くはないが、触れると針を刺したような痛みがある。
原因は不明だ。怪我をした覚えもなければ猫に噛まれたということもない。
見た目も他の指とどこも変わらない。腫れてもいないし綺麗なもんだ。
そのたった1本の指のせいでいろんなことが不自由だ。
ペンが握れない。パソコンのキーがうまく打てない。食器が洗いにくい。
包丁を持つ手が不安定。掃除機を持つ手に力が入らない...などなど。
こうなると、もう何もしたくなくなる。
ソファにひっくり返って寝ていたい。
でも楽な商売であるから、それでもやらねばならないからしんどい。
「どこか具合悪いの?」
「えぇ、人差し指が痛くて...」
「はっ、それだけ?」
こんな会話がなされるような想像をする。
たかが指1本、されど指1本ということを誰も慮ってはくれない。
映画でしか見たことはないが、特殊な世界の『落とし前として指をつめる』という行為はなかなかすごいことだなと思った。
指、大事だよ。
*
暑くなる前(もうすでに朝から暑いけど)にと思って午前中に、クリーニング屋、銀行、スーパーに行く。
スーパーに入った途端心が折れる。ワイン売り場にあるイートインのコーナーでアイスコーヒーを飲む。すでにワインを飲んでる方もいて、あぁ羨ましいと思う。30分ほどそこで涼んで買い物をして帰る。
午後、トンボの大群がマンションの周りを飛んでいるのを発見。
毎年この時期になるとトンボがたくさん飛ぶ。
いつの間にか蝉が鳴かなくなって、トンボの季節となる。
まだ暑いのにお気の毒と思う。
すんなりと秋にはならないようだ。
天気予報を見ていたら、遠い南の海上に熱帯性低気圧が発生したと言っていた。また「やぁ、来たよ」って、低姿勢で厚かましい奴のように日本列島にやってくるのだろうか。うんざりだ。