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今年

一月も半ばになりました。毎年一月には「今年の目標」を立てて、ノートや手帳に書き留めていましたが、最近は手帳を持ち歩く事もなくなり、スマホのアプリに登録してたまに眺めては、決心が揺らいでいる自分を戒める毎日です。


涙があるだろう
今年も
涙ながらの歌があるだろう
固めたこぶしがあるだろう
大笑いがあるだろう
今年も
あくびをするだろう
今年も
短い旅に出るだろう
そして帰ってくるだろう

農夫は野に
数学者は書斎に
眠れぬ夜があるだろう
だが愛するだろう
今年も
自分より小さなものを
自分を超えて大きなものを

くだらぬことに喜ぶだろう
今年も
ささやかな幸せがあり
それは大きな不幸を
忘れさせることはできぬだろう
けれど娘は背が伸びるだろう
そして樹も
御飯のおいしい日があるだろう
新しい靴を一足買うだろう
決心はにぶるだろう
今年も
しかし去年とちがうだろう
ほんの少し
今年は

地平は遠く果てないだろう
宇宙へと大きなロケットはのぼり
子等は駆けてゆくだろう

今年も歓びがあるだろう
生きてゆくかぎり
いなむことのできぬ希望が

谷川俊太郎の「今年」という詩は、谷川俊太郎の詩の中でもっとも好きな詩の一つです。特に好きな箇所は「ささやかな幸せがありそれは大きな不幸を忘れさせることはできぬだろう」の下りですが、そうは言っても、息子の背は伸びて、娘には彼氏が出来て、私のお腹は出てくるわけです。

ところで、私が立てた今年の目標は「掃除」と「整理整頓」です。思春期ならぬ思秋期に突入したいまやるべきは、思考地獄の中からいち早く脱して、目の前に散らかっているモノや問題をその場で片付けてゆく事でしょうか。今年はそれくらいの事しか出来ないように思われます^_^

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