農本主義
ここ数日は天気が不安定で、一日の大半を図書館で過ごしています。私は本を選ぶ時にタイトルで選ぶ事はあまりなく、小説を選ぶ時は好きな作家で選び、新書を選ぶ時はレーベルを限定して、その中で目についたものを選びます。音楽に例えると、小説はROCKで新書はJAZZでしょうか。本が売れたか売れてないかはあまり重要ではありません。
昨日は、図書館内をぶらぶらと歩いていて、ちくま新書の「農本主義のすすめ」という本がパッと目についたので、なんとなく手に取って読んでみる事にしました。本書は農本主義者の代表である橘孝三郎や、権藤成卿、松田喜一などの言葉や思想を深く掘り下げて、農本主義の本質を体系的にわかりやすく説明しています。
40歳まで外資系の企業で普通のサラリーマンとして働き、それ以降帰農して感じる事は、農の世界というのは他の産業とは目的も考え方も働き方も全てが根本的に異なっているという事です。私の場合は養蜂を業としていますが、ミツバチと向き合っている時は、「所得」や「コスト」や「労働時間」ましてや「経済」や「経営」などという事は何も考えず、ただ、自分の相手となっているミツバチの事だけを考えています。つまり、資本主義経済に於ける働き方とは、向いているベクトルが明らかに異なります。
人間の幸せとは、自分が幸せか不幸かを考える事も忘れて何かに没入している時にのみにやってきて、効率や生産性の中から生まれるものではないという確信は歳を重ねるごとに深まっている気がします^_^
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