間伐と萌芽更新
クヌギやコナラ、アラカシなどの雑木を庭に定植後約15年が経過し、気が付いたら大木になっていました。雑木というのは定植して数年は優しい自然な雰囲気で良いのですが、10年も経つとどんどん大きくなり、上へ上へと枝を伸ばして手に負えなくなってきます。素人の剪定で綺麗な樹形を保つのは口で言う程簡単ではなく、強く剪定すればするほど枝が暴れてゆきます。
私は物心ついた時から里山で育ったので、クヌギやコナラの雑木林が原風景として強く心に残っています。本来雑木は剪定すべきではなく、なるべく自然な樹形のまま残してゆくのが良いに決まっていますが、人間が管理している住宅地ではさまざまな問題が発生します。管理方法に関していろいろ悩んだ結果、「間伐」と「萌芽更新」という里山の管理技術にヒントがある事に、今更ながら気が付きました。
間伐とは、樹木の生育にとって障壁になっている木を伐採して間引く作業です。間伐によって密になった雑木林の中に光と風が入り、他の樹木が成長する空間が生まれます。また萌芽更新とは、大きくなり過ぎた木を株元から伐採し、切り株から出た「ひこばえ」を残して育ててゆくことを言います。
2023年は潮目が変わり、私自身も大きな節目を迎えます。いつの間にか古くなった自分の価値観やしがらみ、抱えている問題や悩み、いままでの人生に於ける試行錯誤の経験などが、幾重にも重なり、重くなって身動きが取れなくなっている気がしています。この冬は空間を埋め尽くしている庭木を大胆に間伐して光と風を入れ、逞しく成長した雑木を株元から伐採してひこばえを育てながら、新しい庭作りを始めたいと思います。
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