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牛乃ジャズ探訪(5) John Daversa
高知在住の音楽家・ギタリストの牛心。です、このコラムは「誰やねんそれ」みたいな知る人ぞ知る系ジャズミュージシャンを紹介する連載です。
紹介したい人がたくさんいるのでしばらく続きます。どうぞお付き合いください。
ミュージシャン名で検索してたどり着いた方につきましては、まぁまぁ適当なので気楽にどうぞ(笑)
ジョン・ダバーサ(tp)
ジョン・ダバーサは1972年、カリフォルニア生まれのトランペッター・コンポーザーです。くわしくはWikiに任せるとして、とりあえずこれをどうぞ。
ビートルズの曲をバカなジャズアレンジ(褒め言葉)してる最高にヒップなアルバムです。こんなアレンジもあるのか!っていう驚きというか、どちらかというと、こんなアホなアンサンブルやっても良かったんだ!みたいな心踊るヘンテコな楽曲が集まっています。
ジョン・ダバーサはボブ・ミンツァーのバンドなどで活躍していて、特にミンツァー・ビッグバンドでは「あ、これダバーサだ」と分かるトランペットサウンドを聴かせてくれます。
いいアルバムなので是非聴いてみてくださいね。
ダバーサの話に戻ります。彼はプレイヤーとしても面白いのですが、作編曲者として異彩を放つミュージシャンです。
ダークなファンクロックかと思ったら突然ラッパーが登場したりして、もう何がなんだか分からんですが、全体としては現代ジャズハーモニー、特にセリエリズムやポリハーモニーなど20世紀のクラシック作曲家が使っていたハーモニー理論をジャズに取り入れていますね。
まぁ一言でいうと不協和音です。
クールでやんちゃな雰囲気がたまらんです。
ジャズハーモニーが新しいのではなくて
こういった現代ジャズでよく登場する不協和音、アウトフレーズは感覚で適当に作ってるものではありません。
それに不協和音にも何種類かあります。
例えば和音の中に♭9を含ませる不協和音、半音階や全音階をぶつけまくるトーンクラスターによる不協和音、異なる2つのスケールを同時に走らせるポリモード、コードを2つ重ねるポリコードなど、他にもあるけど、つまり不協和音の世界も奥が深いわけです。
それぞれちょっとずつ雰囲気が違います。
最近ツイッターDTM界隈で流行ってたこのツイート、
みんなこの本らが初級者向けじゃないことを知ってネタにしてたと思うんですが、結構、ジャズ理論を学ぶ際では定番です、最後の以外は。
ちなみに僕がバークリーのジャズコンで習ってた Rick Kress先生がオススメしてくれた現代ハーモニーの教則本はこちらでしたよ。
ああ、決して初心者向けではないです(笑)
でも知って欲しいのは、ジャズの作編曲の勉強をしている人はクラシックの作曲技法も勉強しているぞってことです。
そもそもチャーリー・パーカーだってバッハなどのバロック音楽を紐解いてビバップを成立させたのだし、ジャズはクラシック派生の音楽理理論に支えられているんですよね。
ジャズは深いハーモニーの世界へ向かうエントランス。
入り口としてのポップさを持っているんだってことですね。
最後にもう1曲、ジョン・ダバーサの美しいソロを。
いいもんですね、普通って!
牛心。
高知の音楽家・ギタリスト。最近のギターレッスン生が弾き語りではなく「ギターだけで演奏できるようになりたい」というので基礎練ばっかり指導するので、これはヨガではないか?ギターヨガを始めるか?などと意味不明なことを供述している。
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