Jazz Intro: ターンバック型(Last 8 bars)
ターンバック(Turn Back)とはテーマメロディの最初に戻ることです。本稿ではとにかく頭に戻ることをターンバックと呼ぶようにします。
ターンバック型は曲の一部を使うので分かりやすく、演奏も始めやすくなります。ジャズ・イントロの基本中の基本です。
①最後の8小節から始める
All of Meの場合、最後の8小節前から始めるとします。このままでもいいのですが、、、、
頭のコード(今回はC)に繋げるためにⅡ-Ⅴ、あるいはⅠ-Ⅵ-Ⅱ-Ⅴを挿入すると、より分かりやすくターンバックできます。このとき挿入されるコード進行はターンアラウンド(Turn Around)という名前がついており、曲中は基本的にずっと挿入され続けます。詳細は割愛しますが、ターンアラウンドの種類は沢山知っておくと楽しく楽にセッションを進められます。
※曲によって8小節ではなく4小節になる場合もあります。その曲の特徴となるコード進行が含まれている部分から始めることができれば、ターンバックするタイミングが分かりやすくなります。
②頭のコードにつながればOK
ターンバックは頭のコードやメロディにつながれば目的達成ですから、実際はV7で十分です。
例のようにブレイクしてからV7→I△のような流れも分かりやすく、よくイントロで使われます。ピックアップメロディで始まる曲はブレイクして始まった方がソリストに優しいかもしれません。
③どんな曲でも分かりやすいイントロになる
Autumn Leavesのようにマイナートニックで終わる曲であっても、あるいはStella by Starlightのような複雑なコード進行の曲であっても、その曲のコード進行が流れてくればターンバックのタイミングは読み取りやすくなります。
特徴的なコード進行は、どの曲にも必ずあるはずです。
④ターンアラウンドの挿入は優しさ
ターンアラウンド(コードの挿入)は必須ではありませんが、挿入した方がリズムを理解しやすくなります。イントロの場合は特に、どの小節を走っているのか読み解けなていない人がいる可能性を考えなければなりません。
重要なのはターンバックすることであり、その精度を上げることです。分かりやすいリズムとコード進行を心がけましょう。Ⅱ-Ⅴのような常套句を挿入すると、小節の頭が理解しやすくなるのです。
ex.ソロ楽器の場合
ここまでコード進行の話ばかりでしたが、ソロ楽器でもターンバック型でイントロを出すことは少なくありません。
メロディの最後8小節を演奏して頭に戻ることで、それがイントロになります。とてもシンプルですが効果的です。
またコード進行に沿ってソロを演奏できるならば、同じ理屈で最後の8小節を利用してソロを取り、ターンバックしてメロディを始める流れもよくあります。
どちらにせよ、ターンバックするタイミングがみんなに伝わるようなリズムで演奏しなければなりません。リズムがよれてしまったときはカウントインに変更しましょう。
引き続きイントロについて考察を続けています。またシリーズタイトルを
Jazz Intro:にしました。イントロに限らず、ジャズを始めたい人やもっと知りたい人に向けて、あまり解説されてない内容にしていく所存です。とりあえずイントロとエンディングをなんとかしたい。